まぶたのたるみにはどのような原因があるのでしょうか。たるみによって「老けて見える」とお悩みのかたもいらっしゃいますよね。「原因を知って解消に役立てたい」とお考えのかたも多いでしょう。
本記事では、まぶたのたるみを引き起こす原因にはどのようなものがあるのかを紹介します。どのような原因があるのか、ぜひ内容をご覧ください。
まぶたのたるみが起こるおもな原因

まぶたがたるむと、二重の幅が狭くなったり、シワが目立ったりします。たるみによって、実年齢よりも老けて見える場合もあるでしょう。
まぶたのたるみには、次のような原因が挙げられます。
- 加齢
- まぶたへの負担
- 体重の増減
- アレルギー・花粉症
- 眼瞼下垂
おもな原因について、ひとつずつ見ていきましょう。
加齢
加齢にともなって、他の部位と同様にまぶたの皮膚もたるみが進行します。年齢を重ねると皮膚のハリが低下したり、目の周囲にある筋肉が衰えたり筋肉が脂肪に変化したりして、まぶたがたるみます。
加齢によりコラーゲンやエラスチンの生成が減ってしまうと、肌の弾力性や水分量が低下し、たるみにつながってしまいます。
まぶたへの負担
まぶたへの負担も、たるみを引き起こすおもな原因です。次のような日常生活での習慣がないか、チェックしてみましょう。
- コンタクトレンズの使用
- 二重のり・二重テープの使用
- まつ毛エクステ
- 過度のアイメイク
- パソコンやスマートフォンの見過ぎ
原因についてそれぞれ解説します。
コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズの使用は、まぶたのたるみにつながります。なぜなら、コンタクトレンズを入れた状態でまばたきをすると、目の筋肉に摩擦や伸びが生じるためです。
また、コンタクトレンズの付け外しでまぶたを強く引っ張ることも、たるみの原因になります。特に、長年コンタクトレンズを使い続けているかたは注意が必要です。
コンタクトレンズの使用時間を短くすると、たるみの予防に役立ちます。ハードコンタクトレンズなら、外すときに専用のスポイトを使う方法もおすすめです。
二重のり・二重テープの使用
二重のりや二重テープを使い続けていると、まぶたのたるみにつながる可能性があります。たるみが起きるのは、のりやテープによってまぶたが伸びてしまうためです。また、のりやテープで皮膚がかぶれてしまうおそれもあります。まぶたへの負担が大きいため、二重のりや二重テープはなるべく使用時間を短くしましょう。
まつ毛エクステ
人気のまつ毛エクステも、まぶたがたるむ原因のひとつです。極めて軽いまつ毛エクステですが、まぶたの皮膚や筋肉にとっては大きな負担になってしまいます。
まぶたにある眼瞼挙筋は薄くて弱い筋肉です。継続的にまつ毛エクステを使っていると、伸びてまぶたを持ち上げる力が弱まってしまう可能性があります。
過度のアイメイク
過度のアイメイクは、まぶたに悪影響を与えます。アイメイク後のクレンジング・洗顔で強く擦ってしまうと、まぶたに負担がかかってしまうためです。ごしごしと擦ってしまうと、腱膜が瞼板から外れてしまうリスクがあります。
また、ビューラーの使用時も注意が必要です。引っ張るようにビューラーを使うと、まぶたが伸びてしまいます。
パソコンやスマートフォンの見過ぎ
パソコンやスマートフォンを見過ぎると、まぶたのたるみにつながります。なぜなら、ディスプレイを見ているとまばたきの回数が減ってしまうためです。まばたきが減ると筋力が低下して、たるみを引き起こします。
体重の増減
体重の増減も、まぶたのたるみにつながります。体重が増えるとまぶたがたるむのは、目のまわりを包む眼窩脂肪が膨らむためです。また、体重が減ってまぶたのたるみを引き起こす場合もあります。
アレルギー・花粉症
アレルギーや花粉症なども、まぶたのたるみにつながる原因です。かゆみを感じたときに、ついまぶたを強く擦ってしまうかたも多いでしょう。まぶたの皮膚は薄いため、強く擦ると皮膚が伸びてしまいます。かゆみがあってもまぶたを擦らないよう、注意が必要です。
眼瞼下垂
眼瞼下垂もまぶたのたるみの原因です。上まぶたが十分に上がらない状態が眼瞼下垂で、上方の視野が狭く感じられ、見えづらくなってしまいます。
眼瞼下垂の症状は、まぶたのたるみだけではありません。
ほかに、次のような症状があります。
- 二重の幅が広くなる
- 眠そうに見える
- 視野が狭くなり見えづらい
- 眉毛の位置が上がる
- 額にシワがよる
眉毛の位置が上がってしまうのは、無意識で額に力を入れてしまうためです。額の筋肉に負担がかかってしまうため、頭痛や肩凝りなどの症状が出る場合もあります。
まぶたのたるみを解消する方法

まぶたのたるみは、見えづらいだけでなく、見た目にも大きく影響します。たるみによって、実年齢より老けて見えたり、疲れて見えたりする場合もあるでしょう。
一時的なまぶたのたるみは、自分でも解消できる可能性があります。しかし、原因によっては手術が必要です。たるみの解消方法についてもチェックしてみましょう。
一時的なまぶたのたるみを解消する方法
たるみの原因がパソコンやスマートフォンの見過ぎなら、目薬を使うようにしてみましょう。目薬は、アレルギーや花粉症などで目を擦る習慣があるかたにも効果的です。
まぶたのたるみを解消するストレッチやマッサージもありますが、原因によっては効果に期待できません。皮膚が伸びている場合や、筋肉が衰えている場合は、ストレッチやマッサージを避けましょう。
手術でまぶたのたるみを解消する方法
まぶたのたるみは、手術によって解消する方法があります。手術が適しているのは、次のような原因でまぶたのたるみが引き起こされている場合です。
- 皮膚が伸びている
- 眼瞼下垂でたるんでいる
2つのパターンについて、どのような手術があるか見てみましょう。
皮膚が伸びているときに行われる手術
まぶたの皮膚が伸びている「眼瞼皮膚弛緩」の場合は、余剰皮膚切除術でたるみを解消できます。眼瞼皮膚弛緩とは、偽眼瞼下垂のひとつで、皮膚だけがたるんでいる状態です。
筋肉が正常に動いている状態であれば、たるんで余った皮膚を切除するだけでたるみが解消するでしょう。まぶたの皮膚が垂れ下がって視界が狭くなることで、日常生活に支障が出ているのなら、保険適用での余剰皮膚切除術が可能な場合があります。
眼瞼下垂でたるんでいるときに行われる手術
まぶたの筋肉が弱くなっている「眼瞼下垂」の場合は、挙筋前転術や前頭筋吊り上げ術といった手術でたるみを解消できます。
伸びてしまった眼瞼挙筋を縫い付けて固定する方法が、挙筋前転術です。挙筋前転術は軽度から重度までの幅広い程度の眼瞼下垂に適している方法ですが、さらに重度の眼瞼下垂には対応できない場合があります。
重度の眼瞼下垂や先天性眼瞼下垂で行われる手術が、前頭筋吊り上げ術です。前頭筋吊り上げ術では、額の筋肉である前頭筋をまぶたにつなげて持ち上げます。
まぶたのたるみは原因に合った対処が必要

まぶたのたるみには、加齢・まぶたへの負担・体重の増減など、さまざまな原因が考えられます。パソコンやスマートフォンの使用時間が長いかたや、目を擦るクセがあるかたは、目薬を使ってみましょう。たるみの原因が眼瞼皮膚弛緩や眼瞼下垂なら、手術によって解消が目指せます。
原因によって適した手術には違いがありますので、まずはクリニックを受診してみてくださいね。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。