医療脱毛を受けたのに毛が生えた経験はありませんか?またこれから医療脱毛を行う人にとっては、再び毛が生えると聞くと不安になるかもしれません。考えられる原因はいくつかあるため、しっかりと対策しておくことが大切です。この記事では医療脱毛をしたのに毛が生える理由や、永久脱毛の定義、効果を維持する方法などを解説します。
医療脱毛をすると再び毛は生えない?
医療脱毛を受けたにもかかわらず毛が生えるのは、まだお手入れが終わっていないからかもしれません。医療脱毛は複数回レーザーをあてることで徐々に全体の毛がなくなっていきます。
医療脱毛を受けると同じ毛穴・毛根から再度発毛することはありません。これは複数回施術を受けて、医療脱毛が完全に完了していた場合です。医療脱毛が完了しておらず通院している途中であれば、手入れしていない部分の毛穴から毛が生えてきます。
医療脱毛とは?永久脱毛の定義
医療脱毛は、メラニンに反応するレーザーを照射して毛根部分の発毛細胞を破壊する脱毛方式です。一度の照射で処理できる毛の量は全体の約20%。そのため、回数を重ねないとすべての毛を脱毛することはできないのです。
医療脱毛は永久脱毛と言われていますが、日本には「永久脱毛」の明確な定義はありません。現状では米国電気脱毛協会(AEA)や米国食品医薬品局(FDA)の定義で判断されています。というのも、現在使用されている脱毛器は厚生労働省が認可している脱毛器のほかに、FDAが認可している脱毛器も使用されているためです。
▼AEA(米国電気脱毛協会)の定義
- 最後に行った脱毛から1か月後に毛が生えてくるのが20%以下であれば永久脱毛とする
▼FDA(米国食品医薬品局)の定義
- 脱毛を行ったあとに再び発毛する本数が長期にわたり減少し、その状態が長期にわたって維持されていること
- 脱毛施術3回を行った6か月後に全体の67%以上の毛が減っていること
このように、「最後の施術から時間が経過してもほとんどの毛が生えない状態」を永久脱毛と言えるようです。そのため、『完全に毛が生えてこない状態』を実現するのは、現在の医療では難しいでしょう。
医療脱毛完了後に毛が生えてくる5つ原因
前述のとおり、すでに必要回数の施術を受け終わっているのに毛が生えてくることがあります。レーザーで毛根付近の細胞を破壊しているため、通常は再度発毛することがありません。しかし、なかにはさまざまな理由でしばらくすると毛が生えてくることがあります。ここでは5つの原因を解説します。
1.施術時に休止期の毛が生えてきた
医療脱毛は、成長期をターゲットにして毛根部分にレーザーを照射します。そのため、休止期でお休み状態にある毛根には脱毛器は反応しません。
施術後しばらくして毛が生えてくる場合には、毛周期にあわせてスケジュールが組めていないことが考えられます。
2.妊娠中・産後に産毛が濃くなった
妊娠中は女性ホルモンが急激に増えるため、一時的に産毛が濃くなるケースがあります。程度はさまざまで、産毛が増えたように感じる人や、男性のように毛が濃くなる人など個人差があるのが特徴です。
このような変化はホルモンバランスによる一時的なものであるため、産後しばらくすれば元の状態に戻ります。妊娠中の体の変化では毛が生えたようにみえるのです。
3.加齢や妊娠などで毛周期が乱れた
加齢や年齢などでホルモンバランスが崩れると毛周期が乱れてしまい、いつも通りの間隔で施術を受けても十分な効果が得られないことがあります。
妊娠中は母体に負担がかかることから施術を受けることはできません。加齢で毛周期が乱れている場合は、施術者と相談して間隔をずらすようにしましょう。
4.照射漏れや出力不足があった
とくにトラブルなく医療脱毛を完了しているにも関わらず、一部から毛が生えてきた場合は照射漏れや出力不足が理由で十分に施術ができていない可能性があります。
照射漏れや出力不足かどうかは、クリニックに確認してもらうことが大切です。
5.病気や薬の影響
病気や薬の影響でも毛が生えてくることがあります。実際には施術が完了している毛穴から再度発毛することはありませんが、照射不足のまま完了していると、薬の副作用で産毛が濃くなるケースがあります。
医療脱毛後にもキレイな状態を維持する方法
医療脱毛後にもキレイなツルスベ肌を維持するには、普段からのケアや事前の心構えも大切です。ここでは、医療脱毛後にもキレイな状態を維持する方法を紹介します。
1.医療脱毛を途中で辞めない
大前提として医療脱毛を途中で辞めないことが大切です。医療脱毛は回数を重ねることで、効果を実感できるため、途中で通うのを辞めてしまうと処理しきれなかった毛は周期的に生えたり抜けたりを繰り返します。
医療脱毛を完了するために必要な回数は5回以上とされており、この期間は毛周期に合わせて施術を受けましょう。毛周期がずれてしまうと、成長期の毛の割合が変化して照射が無駄になってしまうこともあります。施術回数が増えたり間隔が短くなったりすると、肌に負担がかかるため、正しいスケジュールで最後まで通い続けましょう。
体調不良や妊娠などで一時的に通えない場合は、再開時にまた毛周期にあわせてスケジュールを立てることが大切です。
2.自分にあった脱毛器や脱毛方式を選ぶ
脱毛完了後になるべく毛が生えてこないようにするためには、自分の肌質や毛質を理解して、自分に合う脱毛器や脱毛方式を扱っているクリニックを選ぶことも大切です。
医療脱毛で使用する脱毛器は種類があり、クリニックの公式サイトでも紹介されています。どのような毛質が得意か記載されていますので、参考にするとよいでしょう。
3.脱毛前後に保湿と日焼け対策をする
脱毛を受けるときは肌のコンディションも大切です。肌のコンディションが悪いと痛みを感じやすくなったり、施術後に肌トラブルを起こしたりする可能性があります。また脱毛効果を最大限に受けられない恐れもあります。
乾燥した肌や過度な日焼け肌は、施術中の肌トラブルにつながります。効果を最大限引き出して施術時のトラブルを防ぐためには、普段からしっかり保湿と日焼け対策をしましょう。
4.脱毛前は正しい自己処理をする
脱毛期間中は頻繁なムダ毛の自己処理は控えるのがベストです。特にワックスや毛抜きを使用すると、毛穴に毛がないためレーザーを照射しても処理することができず、効果を得られません。カミソリなどで頻繁にお手入れをすると、肌を痛めたり乾燥を招いたりするため注意が必要です。
とはいえ、ムダ毛の自己処理をせず伸ばしっぱなしにするとやけどの恐れがあるため、適切な処理が必要です。脱毛を受ける前は肌に負担の少ない電気シェーバーなどを使って自己処理をして、しっかりと保湿をしましょう。
まとめ
医療脱毛が完了すると、照射した毛穴から再度毛が生えてくることはありません。毛が生えてくる場合は、まだすべてのお手入れが完了していない場合や、照射漏れなどの可能性が考えられます。さらに妊娠時では産毛が濃くなることがあり、毛が生えたように見えることもあります。
医療脱毛の効果をしっかりと維持するためには、決められた回数をスケジュールを守って通うことが大切です。途中で辞めてしまうことがないように、一時的に通院がむずかしくなったら一時中断して、再開時に新たにスケジュールを組みなおしましょう。医療脱毛を無理なく進めて、ツルスベ肌を手に入れましょう。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。