医療脱毛を受けると、毛が生えてこなくなりツルスベ肌に近づきます。脱毛と聞くと、施術後は毛が抜け落ちるイメージを持ちますが、毛が抜けるまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか?また、毛が抜けやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか?
本記事では、医療脱毛で毛が抜けるまでにかかる日数や毛が抜けやすい人の特徴、毛が抜けない原因、対策法を解説します。
医療脱毛後、毛が抜けるまでにかかる日数は?
医療脱毛を受けると、しばらくして毛がポロポロと抜け落ちることがあります。これを「ポップアップ現象」と呼びます。
ポップアップ現象は、使用する脱毛器や毛質・肌質によるため個人差があるものの、施術を受けてから約2〜3週間後に起こります。医療脱毛を受けたあとすぐに毛が抜けるわけではないため注意が必要です。
医療脱毛が完了するまでの期間
医療脱毛で自宅でのムダ毛のお手入れが不要になるレベルまで脱毛をするとなれば、部位にもよりますが合計で5~10回程度は施術を受ける必要があります。
医療脱毛は毛周期にあわせて行うため、1回施術を受ければ次回の施術までに1〜3か月は期間を空けなくてはいけません。そのため、完了までに最低でも1〜1年半はかかります。脱毛する部位によっては、完了までの期間が短くなったり長くなったりするため、カウンセリング時に確認しましょう。
1回の施術で抜ける毛の量
1回の施術で抜ける毛の量は全体の約20%と言われています。
医療脱毛は毛周期にあわせて施術を行いますが、その中でも毛周期の「成長期」と呼ばれる時期に照射するのがポイントです。
毛周期は全身同じなのかと言うとそうではなく、部位によって成長期や休止期の長さが異なります。さらに、同じ部位でも1本1本異なるタイミングで生え変わるため、一度にすべての毛を脱毛することは難しいのです。これが1回の施術で約20%しか脱毛できない理由です。
医療脱毛の効果は毛が濃い方が実感しやすい?
医療脱毛はメラニンに反応してレーザーを照射し、毛根にあるバルジ領域や毛母細胞を破壊します。そのため、白髪や産毛などの色素が薄く細い毛よりも、ひげやすね毛、脇毛などの濃い毛の方が効果を実感しやすいでしょう。
同じ部位への施術でも、もともと体毛が薄い人よりも、体毛が濃い人の方が脱毛効果を実感しやすいです。しかし、その分同じ出力でも痛みを感じやすくなることもあります。
医療脱毛で毛が抜けない5つの原因
いざ医療脱毛を受けてみると、施術から2〜3週間経っても思うような脱毛効果を得られないことがあります。前述した通り、医療脱毛で1回で抜ける毛の量は全体の20%程度のため、はじめのうちは思ったような目に見える効果を感じにくいのも事実です。
しかし、明らかに変化がない、回数を重ねても思うような効果が得られない場合は何か原因があるのかもしれません。ここでは医療脱毛で毛が抜けない原因を5つ解説します。
1.レーザーの出力不足
通常、施術を受ける際にはその人に合った適切な出力が設定されています。しかし、当日の肌のコンディションによっては、出力を下げて照射する場合があります。適切な設定で施術を受けられるよう、日々の肌管理についても医師の指示に従うことがおすすめです。
前回十分な効果を感じられなかった場合には、次の施術の際に医師や看護師に相談してみましょう。
2.レーザーの照射漏れ
背中や脚などの広範囲を脱毛する場合は、照射漏れを起こしやすいです。施術を受けてしばらくしたあとに、毛の抜け方に大きくムラがある場合は、照射漏れを起こしている可能性があるでしょう。
担当する施術者によっては経験が浅かったり、技術的なミスを起こしてしまったりすることもあります。照射漏れによる脱毛のムラを感じるときは、クリニックに相談してみましょう。
3.体毛が薄い
医療脱毛のレーザーはメラニンに反応します。そのため、体毛が薄いと、メラニンの量が少なく、十分な効果を得られるまでに時間がかかってしまうでしょう。
例えば、産毛や白髪、白髪に近くなってきた毛はその性質から脱毛ができない場合があります。施術を検討しているクリニックが産毛や白髪に近い毛に対応しているか、事前に確認しましょう。
4.毛周期が合っていない
同じ体でも部位によって毛周期はバラバラです。各クリニックでは、施術部位によっておすすめの施術周期を設定していることが多いのはそのためです。周期が短ければ必ずしも効果が高いとは限らないため、医療脱毛を進めて早く完了しようと思っている場合でも、毛周期の成長期の周期に沿って施術を受けることが大切です。
5.埋没毛が多い
間違ったムダ毛のお手入れなどで毛穴がふさがり、皮膚のなかで毛が成長してしまう埋没毛。埋没毛があっても医療脱毛を受けることはできますが、通常の毛と違って2~3週間後にポロッと抜け落ちるポップアップ現象はおきません。
埋没毛の場合は、レーザー照射後に一時的に肌の内側にとどまって、ターンオーバーで自然に排出されます。そのため、通常よりも抜け落ちるまでに時間がかかってしまうでしょう。
医療脱毛で毛を抜けやすくするためのコツ3つ
「医療脱毛で思っていた効果が得られなかった……」とならないためには、日ごろからのケアが大切です。ここでは医療脱毛で毛を抜けやすくするためのコツを3つ紹介します。
施術前後の保湿ケア
施術前はムダ毛のお手入れをしたり、施術後はレーザーを照射したりしているため、肌に負担がかかっている状態です。そのためいつも以上にしっかりと保湿をしましょう。
施術前に施術部位に肌トラブルがあると出力を下げて照射することになり、最大限の効果を得ることができません。そればかりか、肌の状態がよくないと当日施術を受けられないことがあります。
また施術後は、肌をしっかり保湿することで脱毛効果を高めることができます。施術後は専用のクリームなどで保湿してもらえますが、自宅でもこまめな保湿を心がけましょう。
脱毛が完了するまでは日焼けを避ける
メラニンに反応して行われる医療脱毛は、日焼けした肌を苦手とします。過度な日焼けは、施術を受けられなくなる可能性があるため、夏場は特にしっかりと紫外線対策を行いましょう。
また施術後の肌は普段使用している日焼け止めでも、肌トラブルを起こしやすいです。日焼け止めを使用できないときは、サングラスや帽子、長袖・長ズボン、日傘を使うなど、アイテムを使用するのも有効です。
毛抜きやカミソリなどでの自己処理をしない
医療脱毛をはじめたばかりの頃は、まだまだ毛が生えてくることから、自分で気になる部分のムダ毛のお手入れをしつつ医療脱毛を続けるという人もいるでしょう。
このとき、毛抜きやカミソリを使用したお手入れは行わないようにしましょう。毛抜きを使用すると、次回の脱毛でレーザーが毛根まで届かず、十分な効果が得られません。
また毛抜きを使って無理に毛を引き抜くと出血したり、雑菌が入り炎症を起こしたりすることもあります。またカミソリも肌を傷つけてしまうことがあり、肌トラブルの原因になります。
脱毛期間中は自己処理をしないのがベストですが、どうしても気になる場合は電気シェーバーなどを使いましょう。
まとめ
医療脱毛を受けて毛が抜けるまでにかかる期間は1〜3週間程度です。脱毛するとすぐに毛が抜け落ちるように感じますが、実際には施術をうけてからラグがあるため、毛が抜けるまではしっかりと保湿をして肌の状態を整えましょう。
また、1回の脱毛では全体の20%程度しか脱毛できません。初めは効果がなかったと落胆しがちですが、複数回施術を受けることで、徐々に目に見える変化を実感できるようになるため、気長に過ごすことが大切です。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。