薄毛や抜け毛が気になり始める年齢には個人差があります。AGAなら、なるべく早めに治療を開始することが大切です。
それでは、AGA治療は何歳から始めるとよいのでしょうか。本記事では治療を開始する年齢やAGAの原因、クリニック受診の流れなどについて紹介します。AGA治療に興味をお持ちでしたら、ぜひ内容をご確認ください。
AGA(男性型脱毛症)とは?
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれる脱毛症のことです。成人男性に多い進行性の脱毛症で、思春期以降に額や頭頂部の髪が細くなったり薄くなっていきます。抜けていきます。
20代以降の男性でにも多く見られるのがAGAが進行することもまれではありませんです。日本では、3人に1人がAGAともだといわれています。放置するとより症状が進んでしまうため、早めの治療が必要です。
AGAの原因
AGAで抜け毛が増えて薄毛になってしまう原因として、は、現在のところ特定されていません。ただし遺伝や男性ホルモンが影響しているとの説が有力です。さらにはそのほかに、次のような要素もAGAに関係していると考えられています。
- 食生活
- 生活習慣
- ストレス
バランスの悪い食事・睡眠不足・飲酒・喫煙などはAGAの進行につながります。AGAの予防を考えるなら、普段の生活を見直してみましょう。
AGA治療は何歳から何歳まで?
AGA治療は、何歳から何歳まで受けられるのでしょうか。
- 若くてもAGA治療ができるのだろうか
- 高齢でも治療の効果は出るのだろうか
そんな疑問をお持ちの人も多いでしょう。そこでAGAで薄毛・抜け毛が始まる年齢や、治療を開始できる年齢、年齢の上限についても見ていきましょう。
AGAで薄毛・抜け毛が始まる年齢
思春期以降の男性に起こる脱毛症がAGAです。早い人では10代でAGAを発症することもありえますします。
特に多い年代は20~40代です。50代・60代になってから発症する人もいます。
AGAの治療を開始できる年齢
AGAは、クリニックによって治療を開始できる年齢が違っています。なぜならAGA治療薬が男性ホルモンを抑制してしまうためです。AGA治療薬は未成年には投与できません。現在日本国内では、一般的には20歳からが治療薬の対象となっています。
ただし、制限を受けるのは治療薬のみで、自毛植毛やメソセラピーについてはより低い年齢で何歳からでも治療を受けることが可能な場合もありますです。10代でAGAの治療を開始する場合は、薬以外の方法を提案される可能性が高いでしょう。
AGAの治療が受けられる年齢の上限
50代・60代になってAGAを発症し、いつまで治療できるか気になる人も多いのではないでしょうか。年齢の上限は、治療方法やクリニック次第です。また、症状の進行度合いによっても違ってきます。
治療を検討しているのなら、まずは医療機関で相談してみましょう。
AGAの治療期間はいつまで?
基本的に、AGAは進行性であるため、薄毛や抜け毛を抑えるためには治療を続けなくてはなりません。ある程度の年齢になって、薄毛・抜け毛が気にならなくなったら、そこが治療終了の目安です。
治療の結果によっては、薬を減らせる可能性があります。ただし、自己判断での減薬はNGです。改善された薄毛が元通りになってしまうおそれもあります。
減薬を考えている場合は、必ず医師に相談しましょう。
AGAの治療方法
AGAの治療方法について紹介します。治療方法は次の3種類です。
- 投薬治療
- 自毛植毛
- メソセラピー
3つの治療方法について、それぞれの概要をチェックしてみましょう。
投薬治療
AGA治療で特にポピュラーな方法が、投薬治療です。治療薬のタイプには、AGAの進行を抑えるものと、髪の毛の発育を促すものがあります。
種類は外用薬と内服薬の2種類で、処方のパターンは次の3つです。
- 内服薬のみ
- 外用薬のみ
- 内服薬と外用薬
どのように処方されるかは、AGAの進行度や本人の希望によって違ってきます。
自毛植毛
自分の髪を頭皮ごと薄毛の部分に移植する方法が「自毛植毛」です。植毛に成功すると、髪が再び生えてくるようになります。
薬とは違い、自毛植毛は根本的な解決方法です。ただし、自毛植毛は傷跡が残ってしまう可能性があります。また、自毛植毛では、ショックロスがあることを覚えておきましょう。
術後1~2か月で植毛した周辺の髪が抜ける症状がショックロスです。ショックロスが起きても、髪の毛は再び生えてきます。
自毛植毛の施術を受けたあとは、髪の毛を定着させることが大切です。施術を受けた日はシャンプーができません。なるべく刺激をしないよう配慮し、5日程度は運動を避ける必要があります。
メソセラピー
髪の成長を促す薬剤を頭皮に注入する方法が「メソセラピー」です。メソセラピーには、頭皮に直接アプローチできるというメリットがあります。AGA治療薬と併用することでと、効果を高められる可能性がありますでしょう。
施術の方法はさまざまです。
- 注射
- 針付きのローラー
- 炭酸ガス
- レーザー照射
治療回数は1クールあたり6~16回が目安で、期間は約6か月~1年です。施術の方法や回数は、クリニックや薄毛の状態によって違ってきます。メソセラピーを検討している場合は、まずクリニックで相談してみましょう。
AGAでクリニックを受診したときの基本的な流れ
クリニック受診後の流れがわからず不安に感じている人も多いでしょう。そこでクリニックを受診したときの基本的な流れを紹介します。
- 問診・カウンセリングを受ける
- 診察・検査を受ける
- 治療薬が処方される
クリニックによって多少の違いはあるものの、一般的な流れは同じです。3つのステップをそれぞれ紹介しますので、ぜひ参考としてご覧ください。
問診・カウンセリングを受ける
クリニックによっては予約が必要ですので、事前に公式サイトで確認してみましょう。来院したら受付を行って、問診やカウンセリングを受けます。クリニックでの質問内容は次のようなものです。
- いつ頃から髪の悩みがあるのか
- どのような状況なのか
- 気になる部位はどこか
治療方法についても、この段階で相談してみましょう。
診察・検査を受ける
問診やカウンセリングのあと、医師による診察や検査が行われます。AGA以外の理由での脱毛も考えられるため、診断にあたっては検査が必要です。クリニックによっては、治療の結果を検証するための写真撮影もあります。
治療方法・副作用・費用などについての説明が行われますので、疑問があったら質問してみましょう。
治療を行う
診察や検査後、必要な治療が行われます。一般的な方法は投薬治療です。投薬治療の場合は、定期的に通院する必要があります。
AGA治療には時間がかかりますので、根気よく続けましょう。
AGA治療でよくある質問
髪の悩みはデリケートです。周囲にAGA治療をしている人がいても、なかなか相談しづらいものでしょう。そこでAGA治療でよくある質問についても紹介します。疑問を払拭するために、ぜひ内容をチェックしてみてください。
AGA治療を中断したらどうなる?
AGAは進行性であるため、中断すると再び症状が進行します。中断後に見られるのは次のような症状です。
- 頭皮の脂分が増えて炎症が起きやすくなる
- 髪の毛が細くなる
- 抜け毛が増える
- 同じ薬が効かなくなる
症状が進むだけでなく、同じ薬が効かなくなる可能性があります。なるべくAGA治療は中断しないようにしましょう。
AGA治療薬は個人輸入しても問題ない?
AGA治療薬に限らず、薬の個人輸入は危険ですのでやめましょう。個人輸入の薬は安価で、病院を受診する必要もありません。しかし次のようなデメリットがあります。
- 偽造医薬品のおそれがある
- 不純物が混ざっている可能性がある
- 説明が外国語で適量がわからない
- 重篤な副作用のリスクがある
- 副作用が出ても救済の対象にならない
安く手に入ったとしても、個人輸入の薬は効果が出ない可能性があります。有効成分が入っていない偽造医薬品も少なくありません。
命にかかわる重篤な副作用が出ても、個人輸入した薬は救済制度の対象にならない点にも注意が必要です。厚生労働省では、個人輸入した薬に対して、次のように注意喚起を行っています。
日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。 しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。(引用:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ |厚生労働省) |
安全にAGA治療を行うためにも、薬は必ずクリニックで処方を受けてください。
AGAは自然に治る?
AGAは進行性で、「そのうち治る」という性質の脱毛症ではありません。放置していると症状が進んで、回復にも時間がかかってしまいます。早期に治療を開始すると、費用も抑えられるでしょう。
薄毛や抜け毛が気になっているのなら、なるべく早期での治療開始がおすすめです。
治療開始後に抜け毛が増えてきたけれど大丈夫?
AGAの治療を開始すると、「初期脱毛」が原因となって一時的に抜け毛が増えることがあります。治療をしているのに抜け毛が増えてしまって、強いストレスを感じる人も多いでしょう。
初期脱毛は、ヘアサイクルが整う過程で起こるものであるため、問題はありません。治療開始後10日前後から始まった初期脱毛は、個人差もありますが1~2か月程度で落ち着きます。基本的に初期脱毛は心配いりませんが、不安なときや3か月以上続く場合は、医師に相談してみましょう。
AGAの治療には保険が適用される?
AGAの治療は原則として保険適用外です。高額療養費制度も適用されません。ただし、別の脱毛症もあって頭皮環境の改善が必要となる場合には、健康保険が適用される可能性があります。
治療を受ける場合は、まずクリニックで相談してみましょう。
メソセラピーに痛みはある?
注射器を使ったメソセラピーには痛みがあります。痛みが極端に苦手な人は、注射に対する不安を感じるでしょう。
ただし、メソセラピーの方法はさまざまです。ローラー・針・レーザーを使う痛みが少ない方法もあります。注射時に麻酔が使えるクリニックもありますので、痛みが不安なら施術を受けるまえに相談してみましょう。
HARG療法とは?
「HARG療法」とはメソセラピーの一種です。頭皮に薬剤を注射しますが、使う成分が決まっています。そのためどのクリニックで施術を受けても、得られる効果に大きな違いはありません。
5~6か月の治療後は、年1~2回のメンテナンスで済むことがHARG療法のメリットです。
治療期間 | 約5~6か月 |
治療回数 | 6回 |
治療期間内に支払う金額は、治療薬よりは割高です。しかし頻繁に通院する必要がないため、長期的に見るとコストを抑えられます。なるべく通院回数を減らしたい人にとって適している方法です。
AGAは早めの治療開始が大切
何歳でAGAを発症するかには個人差があります。
AGAは進行性の脱毛症です。早めに治療を開始すると、症状を抑えやすくなるでしょう。10代でAGAを発症する人もいますが、未成年は治療薬を服用できません。しかし、AGAには薬以外の治療方法もあります。
薄毛や抜け毛が気になったら、まずはクリニックで相談してみましょう。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。