ヒアルロン酸注射にあたって、気になることのひとつがダウンタイムです。
- ヒアルロン酸注射でのダウンタイムのむくみはいつまで続くのだろうか
- ヒアルロン酸のダウンタイムに痛みはあるのだろうか
そのような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、ヒアルロン酸注射後のダウンタイムについて、症状や部位別の特徴などを紹介します。対処法も紹介しますので、ぜひ参考として内容をチェックしてみてください。
ヒアルロン酸注射のダウンタイムはどのくらい?
基本的に、ヒアルロン酸注射の施術後に起こるダウンタイムは短めです。
ヒアルロン酸はもともと人間の体内にある成分であるため安全性が高く、重い副作用が出にくい傾向があります。そのため、施術直後から普段どおりに過ごせる可能性が高いでしょう。
ヒアルロン酸注射後のダウンタイムには、個人差も見られます。人によっては数日~数週間のあいだ、症状が出るかもしれません。
大抵は軽微な症状であるため、メイクやマスクなどでカバーできるでしょう。
ヒアルロン酸注射のダウンタイムに見られる症状
ヒアルロン酸注射のダウンタイムに見られる代表的な症状を紹介します。どのような症状があるか知っておくと、施術後の不安解消に役立つでしょう。
目安となる日数も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
注射部位の痛み
ヒアルロン酸注射のダウンタイムでまず考えられる症状が、注射した部位の痛みです。一般的に、ヒアルロン酸製剤には局所麻酔が含まれています。注射をして数時間が経ち、局所麻酔が切れると、鈍い痛みを感じる場合があるでしょう。
注射後の痛みが続くのは2~3日ほどです。痛みが強すぎる場合や長引く場合は、施術を受けたクリニックで相談しましょう。
腫れや赤み
ヒアルロン酸注射のダウンタイムで比較的多い症状が、腫れや赤みです。腫れや赤みも、通常は2~3日、長くても1週間程度で落ち着きます。
大抵はファンデーションやコンシーラーでカバーできる程度です。腫れや赤みが出るのを避けたいイベントがあるときは、施術のタイミングに注意してください。
内出血
ヒアルロン酸の注入時に針が毛細血管にあたると、内出血する場合があります。特に内出血が起きやすいのは、目やほうれい線など、皮膚が薄い部分です。
長くても2週間ほどで内出血は消えますが、見た目でわかってしまうため、気になる方も多いでしょう。
クリニックによっては、内出血が起きないよう極細の注射針を使っています。施術時の処置も内出血を防ぐ要素のひとつであるため、高い技術を持ったクリニックを選ぶのがおすすめです。
むくみ
皮膚が薄い目元や口元は、むくみが出やすい傾向があります。むくみが出てしまうのは、ヒアルロン酸が周囲の水分を吸収するためです。
施術後にむくみが出ても、1~2週間ほどで落ち着きます。
【部位別】ヒアルロン酸注射のダウンタイムの特徴
ヒアルロン酸注射のダウンタイムは部位によって特徴が違います。そこで、部位別でダウンタイムの特徴をチェックしていきましょう。
- ほうれい線
- 額
- 涙袋
- 鼻
- 唇
- 顎
6つの部位について紹介しますので、参考にしてみてください。
ほうれい線
ほうれい線へのヒアルロン酸注射では、肌を内側から持ち上げる効果に期待できます。
ダウンタイムで見られるおもな症状は、腫れや内出血です。また、注入部位が硬くなってしまう場合があります。数日で落ち着きますので、なるべく触らないようにしましょう。
ほうれい線に沿って赤いミミズ腫れが出たら、アレルギー反応の可能性があります。ミミズ腫れが出た場合は、施術を受けたクリニックで相談してください。
額
額にヒアルロン酸注射をすると、丸みを持たせたり、シワを解消したりする効果に期待できます。ただし、額は治療後のぼこつきがやや目立ちやすい部位です。
額にぼこつきが出た場合も、通常は1~2週間で自然となじんでいきます。またもし腫れや痛みが長引くようなら、クリニックで相談してみてください。
涙袋
短時間で施術できて目を立体的に見せられるため、涙袋へのヒアルロン酸注射は人気です。
涙袋は皮膚が薄く、腫れ・内出血・むくみが出やすい部位です。ただし、通常はメイクでカバーできます。
涙袋の腫れやむくみは、3日~1週間ほどで落ち着くでしょう。内出血が出た場合も、2週間程度で消えます。
鼻
鼻にヒアルロン酸を注入すると、鼻筋を高く見せられます。また、鼻のかたちを整えられるでしょう。
鼻へのヒアルロン酸注射では、腫れ・むくみ・痛みなどの症状が数日続くかもしれません。腫れやむくみが生じても、鼻の場合は目立ちにくいでしょう。気になるときは、マスクで隠す方法が手軽でおすすめです。
唇
ヒアルロン酸注射を行うと、唇のボリュームアップや縦ジワの解消が可能です。唇は皮膚が薄いため、痛み・腫れ・内出血が出やすいという特徴があります。
痛みは2~3日で落ち着きますが、1週間ほど続く場合もあるでしょう。腫れや内出血はマスクやメイクで隠せます。
顎
ヒアルロン酸注射では、顎をシャープに整えられます。
ダウンタイムで生じる可能性がある症状は、腫れ・内出血などです。症状は1週間ほどで落ち着くでしょう。内出血が出ている場合には、マスクやメイクで隠せます。
腫れや内出血が出ないよう、施術後1週間程度は頬杖をつかないよう注意してください。
ヒアルロン酸注入後のダウンタイムの対処法
ヒアルロン酸注入後に腫れや痛みが出た場合の対処法を紹介します。
基本的にヒアルロン酸注射のダウンタイムは短めです。しかし、施術後の行動によっても変わってきます。
おもな対処法を紹介しますので、施術を受けるときの参考にしてください。
注入部位を冷やす
ヒアルロン酸注射を受けたら、注入部位を冷やすのがおすすめです。冷やすと毛細血管が収縮するため、内出血・腫れ・痛みの予防につながるでしょう。
氷や保冷材などを注入部位に直接あてるのはおすすめできません。タオルで巻いて、優しく冷やすようにしましょう。
施術後の赤みも、冷やすことによって軽減できます。
注入部位を刺激しない
ヒアルロン酸注射後は、注入部位を刺激しないよう注意する必要があります。なぜなら、刺激を与えると腫れや痛みなどの症状が悪化するおそれがあるためです。
刺激を与えないよう、次のポイントを意識してみましょう。
- 注射した部位をなるべく触らない
- マッサージやエステは1か月程度控える
- リキッドファンデーションは避ける
- ブラシを使って優しくメイクする
リキッドファンデーションを避ける理由は、注射の針穴に入ってしまうと感染症のリスクがあるためです。落ち着くまでのあいだは、パウダーファンデーションを使いましょう。ブラシを使い、力を入れず優しくメイクするようにしてみてください。
運動やアルコールを控える
ヒアルロン酸注射を受けたら、数日は運動・アルコール・サウナなどを控えましょう。
洗顔やシャワーなどは問題ありません。ただし、洗顔で施術部位を強くこすってしまわないよう注意してください。
運動・アルコール・サウナなどを控えなくてはならない理由は、血行がよくなるためです。血行がよくなると、腫れ・痛み・内出血などの症状が起きやすくなってしまいます。
また、アルコールで体内の水分量が増えると、むくみにつながる可能性が高いでしょう。
症状が続くときはクリニックで相談
ヒアルロン酸注射によるダウンタイムは短めです。部位による違いはあるものの、長くても数日~2週間程度で落ち着くでしょう。
ダウンタイムに見られる代表的な症状には、腫れ・痛み・内出血などがあります。
症状を軽減するためにも、施術後は注入部位を冷やし、刺激しないよう気をつけてみてください。ただし、腫れや痛みが長引いたり、急に強くなったりする場合は、注意が必要です。稀ではありますが、感染症やアレルギーなどの可能性もあります。
症状が気になるときは、施術を受けたクリニックで相談してみてくださいね。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。