「AGA治療を始めたものの今のところ効果ない」という悩みをお持ちではありませんか。治療をしても効果がないなら、原因に合わせた対処が必要です。
本記事では、AGA治療で効果がないときの原因や治療での注意点を紹介します。ぜひ参考として、記事の内容をご確認ください。
AGAとは?
AGA(Androgenetic Alopecia)とは、男性ホルモン型脱毛症のことです。成人男性に見られる進行性の脱毛で、生え際や頭頂部などの毛髪が薄くなります。
特に大きな原因として考えられるのが、遺伝や男性ホルモンの影響です。20代以降に多く発症し、放置すると進行します。
- 髪の毛が細くなってきた
- 抜け毛が増えて髪が薄くなってきた
そう感じるのならAGAの可能性が考えられます。気になる場合は治療で進行を遅らせることが可能ですので、早めに医療機関で相談しましょう。
AGA治療で効果ないときに考えられる原因
AGA治療を始めても効果がないときに考えられる原因を紹介します。おもな原因は次の6つです。
- 症状に薬が合っていない
- 薬を正しく服用していない
- 効果が出る前に薬をやめている
- 初期脱毛が起きている
- 薬を個人輸入している
- AGA以外の脱毛症である
6つの原因について、それぞれ解説します。
1.症状に薬が合っていない
AGA治療を行っても効果がないなら、症状に薬が合っていない可能性があります。
治療の種類は、大きくわけると次の4つです。
- 投薬治療(内服薬・外用薬)
- 自毛植毛
- メソセラピー
- HARG療法
そのなかでも一般的で、多くの人に利用されているのが投薬治療です。投薬治療では、薬が進行度に合っていないと効果が得られません。
ある程度薬を服用し続けても状況が変わらないなら医師に相談してみてください。
2.薬を処方どおりに服用していない
薬を処方どおりに服用していないのも治療効果が見られない原因のひとつです。
治療薬は医師の指示に従って服用しましょう。決まった間隔で飲まないと、効果が得られない可能性があります。薬はなるべく毎日同じ時間に飲むようにしてください。
3.効果が出る前に薬をやめている
AGA治療には髪の毛が生えるサイクルも関係しているため、すぐに効果が出るものではありません。効果が実感しはじめるできる時期の目安はおよそ3~6か月です。
短期間で薬の服用をやめてしまい「効果がない」と感じる人も少なくありません。治療を開始したら、一定期間は続けるようにしてみましょう。
4.初期脱毛が起きている
AGA治療では、初期脱毛によって「効果がない」と感じる人もいます。治療開始後しばらくすると起こるのが初期脱毛です。初期脱毛はヘアサイクルがリセットされて、古い毛髪が新しく生え変わるために起こります。
治療を始めたのに抜け毛が増えてしまうと、効果がないと感じられるかもしれません。ただし初期脱毛は一時的なものです。抜け毛が増えたら少し様子を見てみましょう。
5.医師の診断を受けず薬を個人輸入している
医師の診断を受けず自分で個人輸入した薬を服用するのも、治療での効果が見られない原因です。AGA治療ではその人の進行度に合った薬を服用しなくてはなりません。そこで医師による診断が必要です。
さらに、個人輸入した薬には以下のようなリスクがあります。
- 偽物である
- 有害な成分が含まれている
- 副作用が出ても救済が受けられない
効果が出ないどころか有害な成分が含まれているおそれもあるため、個人輸入の薬は危険です。治療を行うなら、必ず医師による診断・処方を受けましょう。
6.AGA以外の脱毛症である
そもそも違う原因での薄毛ならAGA治療をしても効果は出ないでしょう。医療機関を受診せず、薬を個人輸入している人に多いケースです。
薄毛になる理由は、AGA以外にもあります。
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
治療を行うなら、まずは医師による診断を受ける必要があります。
AGA治療で効果を実感するまでの期間が早い人の特徴
同じAGA治療でも、効果を実感するまでの期間が早い人もいます。効果を実感するまでの期間が短い人の特徴は以下のとおりです。
・発症後すぐに治療を開始している
・内服薬と外用薬を併用している
進行性であるAGAは早い段階での治療開始で効果が期待できます。初期段階なら、予防程度で十分な場合もあるでしょう。しかし進行してからの治療開始では効果を感じるまでに時間が必要です。
また、AGA治療では内服薬での抜け毛予防と外用薬での発毛促進を行うと、効果が得られやすくなります。治療方法が1種類だけだと、効果を実感するまでに時間がかかるでしょう。
AGA治療で使用する薬の種類
参考として、AGA治療で使用する薬の種類を紹介します。一般的に使われているのが、以下3種類の薬です。
- ミノキシジル
- フィナステリド
- デュタステリド
3つの薬について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ミノキシジル
ミノキシジルは血管拡張作用があり、もともとは高血圧の治療に使われていた薬です。副作用として多毛があり、発毛剤として開発され、AGA治療でも使われるようになりました。
市販の外用薬にも使われているのがミノキシジルです。ミノキシジルには、「髪の毛を作る細胞」の死滅を抑制する働きもあります。
高血圧治療薬を始め、併用できない薬がありますので、服用にあたっては注意が必要です。
フィナステリド
AGAの進行を抑え、ヘアサイクルを正常化する働きを持つのが、フィナステリドです。ヘアサイクルを正常化すると、髪の毛が太く長く成長できるようになります。その結果として薄毛に改善が見られるという仕組みです。
ただし効果を実感するまでには、少なくとも3~6か月程度は継続連続して投与しなくてはなりません。
フィナステリドには、まれに性機能障害や抑うつといった副作用が出うるという報告る可能性があります。そのため必ず医師による処方を受けてください。
デュタステリド
もともとは前立腺肥大の治療で使われていたのがデュタステリドです。フィナステリドと同様にAGAに対する効果が認められたことから、AGA治療薬としても開発されて使われるようになりました。
デュタステリドには、薄毛の進行を抑える働きに期待できます。効果が違うため、ミノキシジルとの併用が可能です。フィナステリドと同様に、性機能障害や抑うつなどの副作用が出る場合があります。
AGA治療で後悔しないための注意点
薄毛でAGA治療をするにあたっての注意点を紹介します。特に注意したいのが以下の3つです。
- なるべく早めに治療を開始する
- クリニックで医師から薬を処方してもらう
- 早期で諦めずに薬を継続する
後悔しないために、ぜひ注意点もチェックしておきましょう。
なるべく早めに治療を開始する
AGAではないかと思うなら、なるべく早めに治療を開始しましょう。薄毛が気になっていても、なかなかクリニックを受診する勇気が出ない方も多いのではないでしょうか。
しかし進行してしまうと、効果を実感するまでにも時間がかかってしまいます。
そこで、なるべく早めに治療を開始するのがおすすめです。
クリニックで医師から薬を処方してもらう
AGA治療ならクリニックで医師から薬を処方してもらう必要があります。
個人輸入は偽物の可能性もありハイリスクです。また個人輸入した薬品は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。副作用で重篤な症状が出ても救済が受けられなくなってしまいます。安心して治療を行うためにも、AGA治療薬はクリニックで正規品を処方してもらってください。
早期で諦めずに薬を継続する
AGA治療では早期で諦めずに薬の服用を続けていくのが大切です。
効果が実感できないと、続ける意欲が薄れてしまうかもしれません。しかし治療中断でもとに戻ってしまうと、そこまでの費用も無駄になってしまいます。
1~2か月で「効果ない」と諦めずに、根気よく治療を続けましょう。
AGA治療でよくある質問
AGAの治療を開始するなら疑問点を解消しておきましょう。そこでAGA治療でよくある質問をいくつかピックアップしました。
不安を減らして治療に臨むためにも、ぜひ参考にご覧ください。
AGA治療の効果は早い人でどのくらいから感じられる?
AGA治療の効果を実感するタイミングは3~6か月が目安です。3か月前ほどで効果を感じる人もあります。ただし、どのくらいで効果を実感するかは、その人次第です。
AGAの進行具合によってもタイミングが変わってきます。
AGAの治療はいつまで続く?
AGAの治療は「いつまで行うもの」と決まっているわけではありません。本人が気にならなくなったら治療を辞めるタイミングです。
若いうちにAGAを発症した場合、どうしても治療期間は長くなり、トータルで見ると費用が高額になります。その場合は植毛も選択肢のひとつです。
どの方法が向いているか、医師に相談してみてください。
AGA治療を中断したらどうなる?
治療を中断すると再び薄毛が進行してしまう可能性があります。特に、突然の服用中止には注意が必要です。薬を中断して数か月で、治療開始前の状態に近くなってしまう人もいます。
治療を無駄にしてしまわないよう、薬をやめたいときや減らしたいときは、医師に相談してください。
AGAとストレスは関係がある?
遺伝・男性ホルモンの影響が大きいとされているのがAGAです。ただしAGAにはストレスも影響していると考えられています。
薄毛が原因で悩んでいると、ストレスによって悪化する可能性もあるでしょう。ストレスで悪化させないためにも、早めの治療を検討してみてください。
AGA治療の効果がないときは医師に相談
AGA治療で効果が見られるタイミングには個人差があり、少なくとも3~6か月はかかります。期待する効果を得るには、薬を個人輸入せず医師に処方してもらってください。
薬を正しく服用しても効果が見られないときは医師に相談してみましょう。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。