- 髪の生え際が後退してきている
- このごろ抜け毛が増えてきている
そんな状態で、自分がAGAではないか気にしている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、AGAのセルフチェックや調べる方法、治療の流れについて紹介します。AGAなのか気になっているのでしたら、ぜひ参考のひとつとして内容をご確認ください。
AGAのセルフチェック9項目
AGA(Androgenetic Alopecia)とは、成人男性に見られる進行性の脱毛症です。生え際や頭頂部などの毛髪が薄くなるのが大きな特徴で、遺伝や男性ホルモンが影響するとされています。
可能性があるか知りたいという段階なら、まずはセルフチェックを試してみましょう。紹介するのは以下の9項目です。
- 親族に薄毛の人がいる
- 抜け毛が多くなってきた
- 頭頂部やつむじの毛が薄くなり地肌が見える
- 生え際が後退している
- 髪の毛の量が減った
- ストレスが多い
- 栄養のバランスが悪い
- 睡眠不足である
- 喫煙者である
薄毛が気になっていて該当する項目があるなら、早めに医療機関を受診して検査を受けてみてください。それでは、ひとつずつ内容を紹介します。
親族に薄毛の人がいる
AGAの発症には、男性ホルモンの「DHT」が影響しています。DHTとは、男性ホルモン「テストステロン」と、発毛サイクルを調整する「5αリダクターゼ」が結びついて作られるホルモンです。そして5αリダクターゼの活性度は、遺伝する傾向があると考えられています。
また、AGAは男性ホルモンレセプターの影響によって進行する脱毛症です。男性ホルモンレセプターは母方から遺伝しやすいとされています。そのため母方の親族に薄毛の人がいるなら、遺伝する可能性があるでしょう。
抜け毛が多くなってきた
以前より抜け毛が多くなってきたと感じるなら、AGAを発症しているかもしれません。
髪の毛の成長サイクルは、「成長期・退行期・休止期」の3つです。3つのサイクルを繰り返しながら、髪はどんどん生え変わっていきます。そのため1日50~100本程度の抜け毛なら問題ありません。
しかしAGAを発症すると髪の毛のサイクルが変わり、成長期が短くなってしまいます。極端に抜け毛が増えたならAGAの可能性がありますので、治療を検討してみてください。
生え際が後退している
髪の生え際が後退するのも、AGAに見られる特徴のひとつです。
AGAでは薄毛になっている部位で進行のレベルが判断できます。生え際の後退はAGAの初期段階から見られる特徴です。
治療をしないと生え際の後退が進み、やがて頭頂部の髪も薄くなっていきます。
頭頂部やつむじの毛が薄くなり地肌が見える
AGAの症状が進行すると、頭頂部やつむじの毛も薄くなり、地肌が見えるようになります。ただし頭頂部やつむじは、自分では見えにくい部位です。次のような方法で、頭頂部やつむじが薄くなっていないかチェックしてみましょう。
- 家族や知人に確認してもらう
- 鏡を使ってみる
以前よりも頭頂部やつむじの毛が薄くなり地肌が見えているようなら、AGAの可能性が高くなります。
髪の毛のボリュームが減り細くなった
AGAを発症して髪の成長期が短くなると、抜け毛が増えてボリュームが減ってしまいます。次のような状態なら、AGAを発症しているかもしれません。
- 髪の毛のボリュームが減った
- 髪の毛が細くなった
- 地肌が透けて見える
- 髪のセットが難しくなってきた
ボリュームや太さが変わると、ヘアセットしづらくなります。普段と様子が違うと感じたら、薄毛になっている部分がないかチェックしてみてください。
ストレスが多い
AGAにはストレスも影響するといわれています。
強いストレスはホルモンバランスや自律神経が乱れる原因です。そのため、頭皮環境の悪化につながるおそれがあります。
ストレスが多くて抜け毛が気になるような状態なら、AGA予防の観点からもストレスの解消を考えましょう。
栄養のバランスが悪い
AGAには栄養のバランスも関係しています。
バランスが悪い食事をしていると、髪の毛にも栄養が行きわたりません。特に注意したいのが、脂肪分の多い食事です。食事では栄養のバランスに気をつけるようにしましょう。
睡眠不足である
睡眠不足もAGAの発症や進行に影響をおよぼすと考えられています。強いストレスがあって不眠になっているのなら、特に注意が必要です。
- 睡眠時間が短い
- 眠りが浅い
ホルモンバランスを整えるためには、十分な睡眠が必要です。睡眠不足の状態が続いているのなら、頭皮のためにも改善を考えましょう。
喫煙者である
喫煙者もAGAの発症リスクが高いと考えられています。なぜなら、煙草に含まれるニコチンが血行不良を引き起こすためです。
血行が悪いと、頭皮や髪の毛には栄養が行きわたりません。そのため頭皮環境が悪化してしまい、抜け毛につながるでしょう。頭皮の健康を考えるなら、禁煙をおすすめします。
本当にAGAかどうか調べる方法
「薄毛が気になっていて、セルフチェックでも該当する項目がある」
そんな状態でも、絶対にAGAだとは断言できません。なぜなら、AGA以外の原因で抜け毛が増えてしまう可能性があるためです。病気が原因での抜け毛なら、早急な治療が必要かもしれません。
そこで本当にAGAか調べるなら、医療機関で検査と医師の診察を受けましょう。
AGAは薬による治療を行うのが一般的です。その薬を処方してもらうためにも、医療機関を受診する必要があります。
AGAは早期の治療開始がおすすめ
もしAGAなら早期の治療開始がおすすめです。その理由には次の2つが挙げられます。
- AGAは進行性の脱毛症であるため
- ヘアサイクルの回数に限りがあるため
2つの理由についてもそれぞれ紹介します。
AGAは進行性の脱毛症であるため
AGAは進行性の脱毛症で、治療しない限りどんどん進行していきます。
- 医療機関に行きづらい
- 仕事が忙しい
そんな理由で放置していると症状が進み、治療にも時間がかかってしまいます。しかし早期の段階で治療を開始すると、予防程度で済む場合もあるのです。そのため、AGAかもしれないと気づいた段階で受診することをおすすめします。
髪の毛のサイクルの回数に限りがあるため
早期の治療開始がおすすめなのは、髪の毛のサイクルの回数に限りがあるためです。
AGAを発症すると髪の毛のサイクルが短くなってしまいます。そして髪の毛のサイクルが完全に終わってしまうと、そこからは発毛できなくなってしまいます。
発毛を希望するなら、なるべく早い段階で治療を開始しましょう。
AGAで医療機関を受診するときの流れ
薄毛が気になっていても、医療機関には行きづらいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、医療機関ではプロとして対応してくれますので、心配は不要です。
AGAで医療機関を受診するときの流れについても紹介します。不安を払拭するためにも、ぜひ参考にご覧ください。
医療機関を受診して問診票に記入する
まず受診予定のクリニックに予約が必要かを確認しましょう。初回は問診票の記入がありますので、予約時間より早めに医療機関に行き、受付を行ってください。
問診票の内容はクリニックによって違います。診断の参考になるものですので、なるべく正確に記入するのが大切です。
医師の診断を受け検査を受ける
問診票に記入したら、医師による問診や触診などを受けます。マイクロスコープを使って頭皮を調べるクリニックもあるでしょう。AGAの治療では、血液検査も行われる場合がありますれます。
血液検査を行うおもな理由は、次の3つです。
- 違う病気がないかを確認するため
- 薬による治療を行っても問題ないか調べるため
- 遺伝子的にAGAを発症する可能性があるか調べるため
違う病気が原因で薄毛になっているのなら、治療を行う必要があります。また持病によっては薬による治療ができないため、確認が必要です。遺伝子的にAGAを発症する可能性があるか、血液検査で調べるクリニックもあります。
薬を処方してもらう
AGAだと診断され、血液検査の結果に問題がなければ、医師から薬を処方してもらいます。薬は内服薬と外用薬の2種類です。どのように処方されるかは、AGAの進行状況によって変わってきます。
AGAの治療薬は、医師の指示通りに服用または使用してください。
薬による治療が難しい場合、頭皮に薬剤を注入するメソセラピーや、自毛植毛を提案される可能性もあります。
自分でチェックして該当項目が多いなら医療機関での相談が必要
「もしかしたらAGAかも」と思うなら、まずは医療機関での相談が必要です。
そのまま放置してしまうと、薄毛が進行していきます。発毛を希望するなら、髪の毛のサイクルが終了する前に治療を始めなくてはなりません。また、違う病気が原因なら治療を進める必要もあります。
薄毛が気になっているのなら、ぜひ早い段階で医療機関を受診してみてくださいね。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。