つむじはげはAGA?頭頂部の薄毛で考えられる原因と対処法を紹介

「つむじはげ」とは、頭頂部の薄毛が進行している状態を意味します。頭頂部の薄毛が進行してしまい、「AGAなのだろうか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、つむじはげについて、考えられる原因や対処法などを紹介します。治療を検討する参考のひとつとして、ぜひ記事の内容をご確認ください。

目次

頭頂部の薄毛で考えられる原因

つむじはげと呼ばれる状態になっているのなら、いくつか原因が考えられます。特に多い原因は次の5つです。

  • AGA
  • 粃糠性脱毛症
  • 生活習慣
  • ヘアケア
  • ストレス

4つの原因について、どのようなものなのかチェックしてみましょう。

AGA 

つむじはげなら、AGAの可能性が高いと考えられます。AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性型脱毛症」です。成人男性に多い進行性の脱毛症で、薄毛や抜け毛といった症状が見られます。

AGAの特徴は、頭頂部・額の生え際から薄くなっていくことです。日本人男性の約3人に1人がAGAだといわれています。

AGAを引き起こす男性ホルモンが「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。DHTが生成されるとヘアサイクルが乱れてしまい、毛髪が十分に成長せず抜けてしまいます。

粃糠性脱毛症 

つむじはげは、粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)が原因で引き起こされる場合もあります。粃糠性脱毛症では、抜け毛だけでなく、白っぽいフケが出ることが特徴です。フケが皮脂や汚れと混ざると、毛穴を塞いで炎症を起こし、抜け毛へとつながります。

粃糠性脱毛症の原因は次のようなものです。

  • 体質に合わないヘアケア用品を使っている
  • ホルモンバランスが乱れている
  • 食生活のバランスが悪い

粃糠性脱毛症は男性だけでなく女性にも起こる脱毛症です。薄毛だけでなく白っぽくて小さなフケが出るなら、粃糠性脱毛症の可能性も考えられるでしょう。

生活習慣

つむじはげには生活習慣が影響している可能性もあります。影響をおよぼすのは次のような要素です。

  • 栄養バランスの悪い食事
  • 睡眠不足
  • 飲酒
  • 喫煙

バランスの悪い食事や睡眠不足は、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こします。また飲酒や喫煙も悪影響をおよぼすため、注意が必要です。

頭皮環境の悪化 

つむじはげは、頭皮環境の悪化で引き起こされることもあります。頭皮環境が悪化する原因とは、次のようなものです。

  • 紫外線
  • 乾燥
  • 洗いすぎ

合わないシャンプーも、頭皮環境の悪化につながります。頭皮にダメージを与えないよう、紫外線・乾燥・洗いすぎには注意しましょう。

ストレス 

過度のストレスもつむじはげの原因のひとつです。ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れにつながります。その結果として起こるのが、次のような状態です。

  • 皮脂分泌の増加
  • 血行不良

皮脂バランスの乱れ・血行不良は薄毛や抜け毛の原因となる可能性があります。

AGAによるつむじはげの見分け方

AGAによって起こる「つむじはげ」の見分け方もチェックしておきましょう。本当にAGAであるか診断するためには、検査や医師による診察が必要です。しかし、AGAによる薄毛や抜け毛には特徴があります。見分け方を知っておくと、受診を検討する判断材料になるでしょう。

おもな特徴を紹介しますので、ぜひ参考としてチェックしてみてください。

つむじ周辺の地肌が透けて髪が細くなっている 

つむじの中心部分は地肌が見えているのが正常な状態です。しかし、つむじ周辺の地肌が透けて見える状態なら、AGAが進行しているのかもしれません。

周辺の地肌が見えているなら、その周囲の毛髪をチェックしてみましょう。ほかの部分と比べて毛髪が細くなっているようであれば、AGAの可能性が高いと考えられます。

つむじの渦がない 

つむじの渦がない場合も、AGAの可能性があります。AGAが進行すると、つむじの渦が見えづらくなるためです。

ただし、もともとつむじの渦がわかりづらい人も少なくありません。「以前と違って渦が見えなくなった」という場合は要注意です。

毛根に丸みがない 

AGAの場合、毛根に丸みがなくなってしまうことも特徴のひとつです。

健康な毛根は、丸みを帯びた形をしています。次のような場合は、成長途中の毛髪が抜けた可能性があるため、注意が必要です。

  • 毛根が黒くなっている
  • 皮脂が付着している
  • 先端が尖っている
  • 毛髪・毛根が細い

上記のような場合は、AGAの可能性を考慮する必要があります。

つむじはげとつむじ割れの違い 

つむじ割れが起きていて、つむじはげになるのか気になっている人も多いでしょう。つむじはげとつむじ割れには違いがあります。

つむじはげ頭頂部の毛が薄い状態
つむじ割れつむじを中心として髪の毛が割れている状態

つむじ割れの原因には次のようなものが考えられます。

  • 生まれつき髪質が細くて柔らかい
  • 髪の分け目をしばらく変えていない
  • AGAを発症している

髪質が細くて柔らかい人は、つむじ割れを起こしやすくなっています。長期間髪の分け目を変えておらず、つむじ割れが起きる人も少なくありません。上記2つに該当しない場合は、AGAの可能性も考えられます。

つむじはげへの対処方法

つむじはげの対処方法についても紹介します。気になっているのなら、早めの段階での対処を検討してみてください。おもな対処方法は次の4つです。

  • 医療機関を受診する
  • 生活習慣の見直し
  • 改善を行う
  • ヘアケア方法を見直す
  • ストレスを解消する

4つの対処方法について、それぞれ内容をチェックしてみましょう。

医療機関を受診する 

つむじはげが気になる状態なら、まずは医療機関での相談を検討してみる必要があります。なぜなら、AGAによる薄毛や抜け毛の可能性があるためです。

AGAなら放置していると症状が進んでしまいます。また、AGA以外の脱毛症が原因となっているかもしれません。いずれの場合も適切な治療で改善できる可能性があります。検査と診断だけを受けて、治療するかを検討することも可能です。

AGAなら、早い段階で治療を開始すると、効果が出やすくなります。自己診断はできないため、まずは医療機関で相談してみましょう。

AGA治療の種類 

AGA治療の種類は、大きくわけると次の3つです。

投薬治療内服薬や外用薬で治療を行う
自毛植毛髪を頭皮ごと薄毛の部分に移植する
メソセラピー髪の成長を促す薬剤を頭皮に注入する

ポピュラーな方法は、投薬治療です。投薬治療では、AGAの進行を抑えて髪の発育を促します。使用されるのは内服薬と外用薬です。両方を併用して治療を行う場合もあります。

根本的な治療として考えられる方法は、自毛植毛です。どの方法が適しているかは進行度によっても違ってきますので、クリニックで相談してみましょう。

AGAの診断で行われる検査 

AGAの診断で行われる検査は次のようなものです。

  • 問診
  • 視診
  • 血液検査
  • 遺伝子検査

医療機関でまず行われるのが、医師による問診と視診です。また、治療薬を使っても問題ないか調べるために、血液検査も行われる場合もありますます。

遺伝子検査は、すべての医療機関で実施されているわけではありません。おもにAGA専門のクリニックで、AGAの原因や薬による効果を調べるためなどに行われています。

生活習慣の見直し・改善を行う 

生活習慣が薄毛や抜け毛の原因になっているのなら、見直し・改善を行いましょう。AGAの場合も、生活習慣の見直しや改善は大切です。治療を行っても、生活習慣が変わらないと、効果を実感するのには時間がかかってしまいます。

  • バランスのよい食事をとる
  • 質のよい睡眠をとる
  • 飲酒や喫煙を控える

3つのポイントについて、さらにくわしく解説します。

バランスのよい食事をとる 

髪の毛の発育を促すために、バランスのよい食事をとりましょう。特に大切だとされている栄養素は次のようなものです。

  • たんぱく質
  • ビタミン
  • 亜鉛
  • ミネラル
  • コラーゲン
  • イソフラボン

忙しくて外食ばかりになっているのなら、特に注意しなくてはなりません。また、ジャンクフードやスナック菓子に含まれている脂質は、頭皮環境の悪化につながります。脂質はなるべく控えるようにして、栄養バランスのよい食事をとりましょう。

質のよい睡眠をとる 

頭頂部の薄毛や抜け毛を防ぐためには、質のよい睡眠も大切です。就寝後に分泌される成長ホルモンは、毛髪の成長を促します。毛母細胞の増殖を促進し、血行の改善を促してくれるのが成長ホルモンです。なるべく十分な睡眠時間を確保しましょう。

飲酒や喫煙を控える 

つむじはげを改善するために、なるべく飲酒や喫煙を控えましょう。

お酒を飲むと、アルコールを分解するために体内の亜鉛が使われます。亜鉛は髪のケラチンを作成するために必要な成分です。髪の発育を促すために、アルコールの分解に亜鉛が使われることを防ぎましょう。

たばこのニコチンが血管収縮を引き起こすため、喫煙にも注意が必要です。血管が収縮すると、頭皮に血液や栄養が行き渡らなくなってしまいます。

薄毛が気になるといっても、いきなりすべてを改善するのは難しいかもしれません。その場合は、無理のない範囲で改善を始めましょう。

ヘアケア方法を見直す 

ヘアケア方法の見直しも大切です。つむじはげが進行しないよう、ヘアケアを見直してみましょう。

  • 外出時は帽子で紫外線を防ぐ
  • 乾燥対策を行う
  • 洗いすぎない
  • 肌に合ったシャンプーを使う

普段あまりヘアケアに気を使っていないという男性も多いのではないでしょうか。

つむじはげを防ぐのなら、紫外線によるダメージや乾燥対策は大切です。頭皮にダメージを与えないよう、洗いすぎやシャンプーに注意する必要もあります。

毎日のヘアケアによって、薄毛や抜け毛の予防・改善ができるかもしれません。ぜひヘアケアの見直しを検討してみましょう。

ストレスを解消する 

つむじはげの対処法では、ストレスの解消も大切です。ストレスは円形脱毛症を引き起こす可能性があります。ストレスによる抜け毛は、毛根の膨らみが小さく、黒っぽい色をしていることが特徴です。

そうはいっても、ストレスを完全になくすのは非常に難しいでしょう。仕事や家庭などでのストレスは、自分の力では改善しづらい場合も少なくありません。

  • 休日は体を動かす
  • 読書や映画鑑賞など趣味を楽しむ
  • ゆっくり入浴する

人によって、ベストなストレス解消方法にはそれぞれ違いがあります。自分に合った方法で、なるべくストレスを解消していきましょう。

AGA治療薬の個人輸入はNG

「安いから」「受診しなくても手に入るから」といった理由で、海外から薬を個人輸入する人もいます。インターネットで検索すると簡単に個人輸入のサイトが見つかるため、利用したいと考えるのも無理はありません。

しかし個人輸入の薬には次のようなリスクがあり、大変危険です。

  • 偽造医薬品である
  • 国内未承認薬である
  • 有害な成分が含まれている
  • 劣悪な環境で製造されている

万が一重篤な副作用が出た場合、個人輸入した薬は救済制度が適用されません。

AGA治療薬に限らず、薬の個人輸入は避けましょう。つむじはげの原因にAGAが考えられる場合は、必ず医療機関で医師による診断を受けて、必要な薬を処方してもらってください。

つむじはげ(頭頂部の薄毛)は病院での治療を検討

  • 頭頂部の薄毛や抜け毛が気になっている
  • つむじはげが進んでいるように感じる

そんなときは、まず病院で相談してみましょう。AGAなら、早い段階で治療を行うと改善できる可能性があります。違う病気が原因の場合もありますので、放置せずなるべく早めに受診してみてください。薄毛や抜け毛の改善には、生活習慣の見直しやストレスの発散も大切です。

つむじはげが気になるときは、まず病院の受診を検討してみてくださいね。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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