まぶたのたるみは、アイプチ・二重のり・二重テープなどで改善できるのでしょうか。たるみが目立ってきて、「改善したい」とお考えのかたもいらっしゃいますよね。アイプチや二重テープなどを使った解消方法を見かけて、興味をお持ちのかたも多いでしょう。
本記事では、まぶたのたるみがアイプチや二重のりなどで改善できるのかについて紹介します。まぶたのたるみにおすすめの解消方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
まぶたのたるみはアイプチで改善する?

まぶたのたるみは、アイプチ・二重のり・二重テープなどを使って目立たなくする方法があります。雑誌やWebサイトなどで方法を見かけて、普段のメイクに取り入れているかたもいらっしゃるでしょう。最近では、40~50代を対象にした二重のりや二重テープも多数販売されているようです。
一時的にまぶたのたるみを解消するのであれば、二重のりや二重テープなどを使うのも便利な方法です。慣れると、短時間でまぶたのたるみを目立たなくすることができるでしょう。ただし、二重のりや二重テープなどの使用では、まぶたのたるみを根本的に改善することはできません。それだけでなく、長期使用によるリスクも考えられるため、二重のりや二重テープの長期使用には注意が必要です。
まぶたのたるみが気になるなら、根本的な改善も検討してみましょう。
まぶたのたるみに二重のりや二重テープを使い続けるリスク

まぶたのたるみ解消を目的とした、二重のりや二重テープの長期使用はおすすめできません。なぜなら、二重のりや二重テープの長期使用には、次のようなリスクがあるためです。
- まぶたがのたるみがさらに強まる
- 炎症を引き起こす
- ドライアイになるリスクがある
- 眼瞼下垂が起きやすくなる
使い続けると、まぶたのたるみが逆に目立ってしまう可能性があるため、注意が必要です。4つのリスクについてそれぞれ紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
まぶたのたるみがさらに強まる
二重のりや二重テープを使い続けていると、少しずつ皮膚のハリがなくなっていき、まぶたが伸びてしまいます。なぜなら、のりやテープを使って強制的にまぶたを引っ張っている状態であるためです。また、二重のりや二重テープは、かんたんには落ちにくいよう工夫されています。落そうとして力を入れて擦ってしまうことも、まぶたに負担がかかり、たるみを引き起こす原因のひとつです。
最初のうちは二重のりや二重テープできれいに整えられても、次第にまぶたのたるみが悪化してしまう可能性があります。
炎症を引き起こす
二重のりや二重テープを使い続けていると、まぶたに炎症を引き起こすリスクも考えられます。炎症を引き起こしてしまうのは、二重のりや二重テープの使用によって、まぶたに強い刺激が与えられるためです。その結果として、腫れや痛みなどの症状が出る場合もあるでしょう。
また、何度も炎症を繰り返していると、皮膚が厚くなる「肥厚」を引き起こしてしまう場合もあります。
肌が弱いかたは、特に注意しなくてはなりません。二重のりや二重テープで腫れや痛みが出た場合は、使用を中止して皮膚科を受診しましょう。
ドライアイになるリスクがある
二重のりや二重テープを使い続けていると、ドライアイになってしまうリスクもあります。ドライアイになってしまうのは、二重のりや二重テープによってまぶたが上へと引っ張られている状態であるためです。まぶたが上に引っ張られている状態だと、どうしても目が乾きやすくなってしまいます。
コンタクトレンズを使用しているかたは、特にドライアイへの注意が必要です。ドライアイの可能性がある場合は、こまめに目薬を使用しましょう。
眼瞼下垂が起きやすくなる
二重のりや二重テープの長期使用には、眼瞼下垂が起きやすくなるというリスクもあります。眼瞼下垂とは、まぶたをあげる力が低下することでまぶたが黒目を覆い、視野が狭くなって見えにくくなる状態です。まぶたの皮膚や筋肉は非常に薄く、二重のりや二重テープを使い続けると、大きな負担がかかってしまいます。
眼瞼下垂は、加齢によって起こることが多い病気です。ただし、まぶたへの負担によって、より若いうちに症状が出てしまう場合もあります。すでに眼瞼下垂になっているかたが二重のりや二重テープを使い続けた場合、悪化する可能性もあるでしょう。
まぶたのたるみにおすすめの解消方法

二重のりや二重テープの使用では、まぶたのたるみの根本的な解消にはなりません。たるみを根本的に解消したいのであれば、手術を受ける方法があります。特に、眼瞼下垂を治療するためには、症状に合った手術が必要です。
まぶたのたるみを解消する手術についてもチェックしてみましょう。
埋没法
二重整形のひとつが「埋没法」です。埋没法では、医療用の糸をまぶたの内側に通し、結んだ糸を皮膚の下に埋没させることで、二重まぶたを作ります。切開を伴わないためため、埋没法はダウンタイムも短く、人気がある方法です。軽度のたるみなら、埋没法で十分に緩和できる可能性があります。
ただし重度のたるみや眼瞼下垂がある場合は、糸が緩みやすくなってしまったり、十分にたるみを改善できない可能性があります。
余剰皮膚切除術
まぶたの皮膚がたるむ「眼瞼皮膚弛緩」に効果的な手術が、余剰皮膚切除術です。手術では、メスを使って身体にある余った皮膚を取り除きます。余った皮膚を切除すると、まぶたのたるみを解消できるでしょう。
眼瞼皮膚弛緩とは?
偽眼瞼下垂のひとつが「眼瞼皮膚弛緩」です。一般的に、眼瞼皮膚弛緩では40~50代以降になると皮膚にたるみが見られるようになります。
眼瞼皮膚弛緩は、加齢や紫外線などがおもな原因です。眼瞼下垂と違って、眼瞼皮膚弛緩では筋肉や神経には問題がありません。
ただし、ほかの病気が原因でまぶたの皮膚がたるんだり、眼瞼下垂と混在したりする場合もあります。
埋没式挙筋短縮法
切らない眼瞼下垂手術とも呼ばれているのが埋没式挙筋短縮法です。埋没式挙筋短縮法では、まぶたに2ミリほどの小さな穴を開けて眼瞼挙筋を糸で結び、まぶたを引き上げます。穴は開けるものの切開はしないため、埋没式挙筋短縮法はダウンタイムが短めです。また、埋没式挙筋短縮法は、抜糸によってもとの状態に戻すことも可能です。
ただし、切開を行わない方法であるため、埋没式挙筋短縮法は保険適用外となります。
挙筋前転術
まぶたのたるみの原因が眼瞼下垂手術であれば、挙筋前転術によって解決するという方法もあります。挙筋前転術とは、まぶたの縦方向の開きを調整するために行う手術です。手術では二重の線で上まぶたを切開して、まぶたを引きあげる腱膜や筋肉を前方に移動させ、瞼板へと縫いつけます。
挙筋前転術は、眼瞼下垂の治療で一般的に行われている手術です。皮膚の余りが多いときは、挙筋前転術だけでなく、余剰皮膚切除術が必要になる場合もあります。
まぶたのたるみを根本的に解決するならクリニックへ
アイプチ・二重のり・二重テープによるたるみの解消は、あくまで一時的なものです。ただし、使い続けていると、まぶたが伸びてたるみが悪化してしまうおそれもあります。そのため、長期間の使用はおすすめできません。
まぶたのたるみを解消したいなら、クリニックでの施術がおすすめの方法です。眼瞼下垂の場合は、症状に合った手術によって解消できます。まぶたのたるみでお悩みのかたは、手術による根本的な解決も検討してみてくださいね。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。