皮膚のなかに毛が埋まっていると、肌がポツポツしたり黒いブツブツが見えたりしてせっかくのおしゃれを楽しめません。埋没毛は誤ったムダ毛のお手入れをしていると誰にでもできるものです。毛穴に埋まっている毛は普段からのケアに気を付けるだけで改善する場合があり、医療脱毛で悩みから解放されるかもしれません。この記事では埋没毛の原因や対策・予防法、埋没毛の医療脱毛の効果などを解説します。
埋没毛とは?
埋没毛とは、何らかの理由で毛穴が塞がってしまい、皮膚のなかで毛が成長した状態を言います。見た目によって以下の種類があります。
- 皮膚の下で毛が長く伸びた種類
- 毛先だけが埋もれている種類
- 皮膚の下で伸びた毛が、毛先だけ表面に出ている種類
など
これらは、皮膚が赤黒くブツブツとしているのが特徴です。肌触りはザラザラとしていて、埋まった毛を引き抜こうとすると炎症を起こす場合や、痕が残って色素沈着を起こすことがあります。
埋没毛があっても医療脱毛できる?
美容脱毛の場合、埋没毛があると光の熱に反応してやけどをする恐れがあります。そのため、脱毛サロンでは埋もれている毛を避けて照射する場合がほとんどです。
しかし医療脱毛は、レーザーが毛根のメラニンに反応して組織を破壊する脱毛方式であるため、毛穴のなかに毛があれば脱毛自体は可能です。クリニックでは万が一トラブルがあった場合でもすぐに対応できるため、そうした点でも安心できるでしょう。
埋没毛の原因
皮膚のなかに毛が埋まってブツブツしてしまうのは、正しいお手入れができていないことが原因です。自己処理をして肌に小さな傷ができると、毛穴に負担がかかりそれを修復しようとして、毛穴を塞いでしまいます。
例えば毛抜きなどの自己処理は、毛を引き抜くときに毛穴にダメージを与えるばかりでなく、出血や腫れを引き起こすことがあります。そして、ワックスで物理的にムダ毛を引っこ抜いてしまうと、肌表面の組織も一緒に剥がれてしまうため要注意です。
カミソリを使う場合も、カミソリを肌に密着させ過ぎると肌に小さな傷ができてしまいます。また、毛流れに逆らうと毛穴が引っ張られるようにして毛が剃られるため、毛穴の開きにつながります。
こうした誤ったお手入れが続くと、角質が厚くなって毛穴を塞いでしまうため埋没毛ができやすい環境を作ることになり、黒いボツボツができてしまうのです。
埋没毛になりやすい部位はある?
原因が重なればどの部位でも埋没毛はできます。そのなかでも毛質や手入れの状況などで特にできやすい部位があります。
1.頻繁にムダ毛のお手入れをする部位
頻繁にムダ毛のお手入れをする部位は、ほかの部位に比べて肌への負担が大きく、肌を守ろうとして角質が厚くしたり毛が濃くなったりして埋没毛になりやすいと言えます。
ムダ毛の自己処理の頻度が高くなる脇や足、腕、眉毛はほかの部位に比べて埋没毛ができてしまいます。特に眉毛は、眉下は剃ったり抜いたりを繰り返し行い、皮膚が厚くなりやすいため注意しましょう。
2.太い毛が生えている部位
太い毛が生えているVラインや脇、男性のすねは、カミソリなどでの処理後に毛穴が埋まってしまうとやっかいです。
皮膚のなかで太い毛が成長するため、ほかの部位に比べて埋没毛が目立ちやすく、埋もれた毛が外に出ようと皮膚を突き破ると、炎症を起こして膿んでしまうこともあります。
3.毛流れがバラバラな部位
脇やVラインなど毛が生える向きが定まっていないため埋没毛ができやすいと言われています。毛が生える方向がバラバラだと、深剃りになったり、毛を引っ張ったりしてしまうため、肌に負担がかかってしまいます。
全体として脇やVラインは埋没毛になりやすい部位と言えます。一度できるとほかの毛穴も毛が埋もれてしまう傾向にあるため、しっかりとケアすることが大切です。
医療脱毛で埋没毛が改善する?
医療脱毛は毛根組織を破壊して毛が生えてこないようにするため、埋没毛がある毛穴に照射すれば、その毛穴からも毛が生えてくることはありません。
ただし、1回の施術で全体の約20%しか脱毛できないため、1回でピンポイントで埋没毛を処理できるとは限りません。きれいに脱毛するためには、部位ごとに決められた回数で脱毛を受けるとよいでしょう。
また、埋没毛は施術後に毛が抜けるタイミングにも違いがあります。埋没毛は皮膚の下に埋まっているため、通常の脱毛のように数週間後に毛が抜け落ちるわけではありません。
ターンオーバーで新しい皮膚が作られて、古い皮膚が肌表面に押し出されるタイミングで埋没毛も一緒に抜け落ちます。そのため、通常のムダ毛に比べると抜け落ちるまでや脱毛が完了するまでに時間がかかることを理解しておきましょう。
埋没毛の予防法と改善法
度々できてしまう埋没毛は、普段からの心がけがとても大切です。ここでは埋没毛の予防と改善に効果が期待できる方法を4つ紹介します。
1.普段から保湿を心がける
肌が乾燥していると肌のバリア機能を維持しようとして角質が厚くなってしまうため、毛が埋まってしまいやすくなります。さらに角質が厚くなると余計に悪化することもあります。そのため、普段から保湿をして肌を乾燥から守りましょう。
医療脱毛をしている場合でも保湿をして滑らかな肌を保つことで、より効果を実感しやすくなるでしょう。
2.ムダ毛の自己処理にはシェーバーを使う
自宅でムダ毛のケアを行うときは、毛抜きやワックス、カミソリの使用を控えて電気シェーバーを使うようにしましょう。前述の通り、カミソリは肌に小さな傷ができやすく、埋没毛だけでなくさまざまな肌トラブルの原因にもなります。毛抜きやワックスも強引に毛を引き抜くため、肌トラブルになりやすいです。
電気シェーバーは肌への負担が少なく、短時間でお手入れが完了するためセルフケアにはおすすめです。電気シェーバーを使ったお手入れのあとは、しっかり保湿をするのも忘れないようにしましょう。
3.角質ケアを行う
埋没毛ができているときは、肌に古い角質が溜まっている可能性があります。古い角質は毛穴が埋もれる原因になることから、定期的に角質ケアを行い滑らかな肌を保ちましょう。
ピーリングやスクラブなどのグッズを使ってケアをするほか、専用のアイテムを使って肌をなでることで手軽にケアができるグッズもあります。いずれも頻繁に使うと、肌トラブルを招くため、週に1,2回程度にとどめましょう。
自分の肌質にあった効果的な角質ケアをおこなうために、美容皮膚科クリニックで医師に相談することもおすすめです。クリニックでケミカルピーリング施術を3~4週おきに受けることで、角質を含む表皮のターンオーバーを促すことができます。角質ケアのみならず、シミやくすみの改善効果も期待できます。
4.生活習慣の見直し
睡眠不足や栄養不足、ストレスなどは肌のターンオーバーが乱れる原因です。こうした生活習慣の乱れは肌トラブルの原因になり、肌の角質が厚くなると毛穴が埋もれてしまいます。
生活習慣を見直すことは、埋没毛の予防・改善だけでなく体全体のパフォーマンスを高めます。肌に良いとされる栄養素のビタミン類やコラーゲンなどを積極的に摂取しながら内側からケアしましょう。
まとめ
埋没毛ができる主な原因は誤ったムダ毛のケアによるものです。医療脱毛で毛そのものを生えてこないようにすることで解決できますが、効果を実感するまでには時間がかかるため、日ごろからのケアも大切です。
生活習慣の見直しをしながらしっかりと保湿をして電気シェーバーでの自己処理に切り替えましょう。角質ケアも埋没毛の対策には有効です。普段からケアを続けながら医療脱毛を受けて埋没毛の悩みを解消してみませんか?
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。