ほうれい線へのヒアルロン酸注入が失敗すると、どうなってしまうのでしょうか。「ヒアルロン酸注入が失敗する可能性もある」と聞いて、気になっている方もいらっしゃいますよね。
本記事では、ほうれい線へのヒアルロン酸注入での失敗について、わかりやすく紹介します。また、後悔を防ぐコツも解説しますので、ぜひ参考のひとつとしてチェックしてみてください。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入が失敗するとどうなる?
ほうれい線へのヒアルロン酸注入が失敗すると、次のようなリスクがあります。
- 不自然な見た目になる
- ほうれい線が目立つ
- アレルギー反応が出る
それぞれについて見ていきましょう。
不自然な見た目になる
ヒアルロン酸注入に失敗すると、不自然な見た目になるリスクがあります。不自然な見た目になる原因は以下のようなものです。
- 医師の技術が不足している
- ヒアルロン酸の量が少ない
- ヒアルロン酸の量が多い
失敗を防ぐためにも、ヒアルロン酸注入を受ける際は実績の多いクリニックを選びましょう。ヒアルロン酸の量をしっかりと相談することも大切です。
「不自然な仕上がり」にはさまざまなパターンがあります。代表的なパターンを紹介しますので、参考にしてください。
しこりができる
よくある失敗のひとつが「しこりができる」というものです。触るとしこりが確認できるだけでなく、見た目でわかる場合もあるでしょう。
しこりの原因で多いものが、粗悪なヒアルロン酸製剤です。質の良いヒアルロン酸製剤なら、時間が経つと体内に吸収されていきます。ところが、粗悪なヒアルロン酸製剤だと、体内に吸収されず残ってしまうのです。
また、注入量が多くてしこりができる可能性もあるでしょう。
皮膚がボコボコになる
ヒアルロン酸注入では、皮膚がボコボコになるという失敗もあります。皮膚がボコボコしてしまうと、注入前よりも見た目の悩みが大きくなってしまうでしょう。
ボコボコになるおもな原因が、医師の技術不足です。注入する角度や量に問題があると、滑らかな仕上がりにはなりません。
なお、施術後に注入部位を揉んでしまい、ヒアルロン酸がずれてボコボコになるパターンもあります。落ち着くまではなるべく注入部位に触れないよう気をつけましょう。
顔がパンパンになる
ヒアルロン酸注入では、顔がパンパンになるといった失敗もあります。
顔がパンパンになってしまうのは、次のような場合です。
- ヒアルロン酸の注入量が多すぎる
- 頻繁にヒアルロン酸を注入している
ヒアルロン酸の効果は永久に続くわけではありません。だからといって頻繁に大量のヒアルロン酸を注入していると顔がパンパンになってしまいますので、気をつけましょう。
左右のバランスが悪くなる
左右のバランスが悪くなることも、ヒアルロン酸注射で見られる失敗例です。
そもそも人間の顔は非対称で、ほうれい線の深さや長さも左右で違ってきます。全体を考えて施術しないと、左右のバランスが悪くなってしまうでしょう。
左右差ができた場合は、修正が可能です。
ほうれい線が目立つ
ヒアルロン酸注入では、逆に「ほうれい線が目立つ」といった失敗もあります。
逆効果になってしまう理由が、医師の技術不足です。不適切な場所にヒアルロン酸を注入すると、ほうれい線の溝が目立つでしょう。表情が変わるとほうれい線が悪目立ちするという失敗もあります。
施術にあたっては、筋肉の動きまで考慮してヒアルロン酸を注入することが大切です。
アレルギー反応が出る
ヒアルロン酸注入の失敗では、アレルギー反応が出る場合もあります。もともと人間の体内にあるため、ヒアルロン酸はアレルギーが出にくい成分です。しかし、絶対にアレルギーが出ないわけではありません。
ヒアルロン酸そのものではなく、製剤に含まれている成分でアレルギーが出る可能性もあるでしょう。
ヒアルロン酸注入は修正が可能!
ヒアルロン酸注入は、失敗しても修正が可能です。施術後にヒアルロン酸が落ち着いても「失敗」だと感じるなら、医師への相談を検討してみてください。
修正に使われているのが、溶解薬剤と呼ばれる注射です。ただし、溶解薬剤には次の注意点があります。
- 溶解注射に対してアレルギー反応が出る場合がある
- ヒアルロン酸以外の製剤には効果が出ない
- 腫れや内出血などの症状が出る
- 再注入には時間を置く必要がある
ヒアルロン酸以外の製剤に対しては溶解効果が期待できず、また溶解注射の成分に対してアレルギー反応が出る場合があります。なお、異物を含むヒアルロン酸製剤には効果がありません。そのため、施術前に「修正が可能なヒアルロン酸製剤なのか」も確認しておきましょう。
数日で落ち着くものの、腫れや内出血などの症状が出ることも、修正での注意点のひとつです。ヒアルロン酸を再注入するなら、原則2週間~1か月程度待つ必要があります。
ヒアルロン酸注入を受ける場合は、修正についてもあらかじめ確認しておきましょう。
ヒアルロン酸注入で後悔を防ぐコツ
ヒアルロン酸注入を受けるなら、「後悔を防ぐコツ」を知っておくことも大切です。メリットだけを考えてとりあえず注入してしまうと、後悔する可能性があります。
- 安さだけで選ばない
- 大量に注入しない
- 治療前の医師カウンセリングを活用する
- 信頼できるクリニックを選ぶ
- 施術後は落ち着くまで触らない
5つのコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
安さだけで選ばない
ヒアルロン酸注入を受けるなら、安さだけで選ばないようにしましょう。注入したヒアルロン酸は数か月~2年ほどで分解されてしまいます。効果を維持するなら、定期的に施術を受けなくてはなりません。
何度も施術を受けるにあたって、なるべく費用を抑えたいと考える人も多いでしょう。しかし、値段だけで選ぶと失敗する可能性が高くなってしまいます。
総合的にチェックしたうえでヒアルロン酸製剤を選ぶことが大切です。
大量に注入しない
後悔を防ぐためにも、ヒアルロン酸は最初から大量に注入しないよう気をつけましょう。
大量に注入すると、顔がパンパンになってしまうおそれがあります。施術前との違いが大きすぎて、違和感が出てしまう場合もあるでしょう。
少量で始め、足りなければ追加で注入すると、少しずつ自然にほうれい線を改善できます。実際の注入量については、医師と相談して慎重に決めるようにしてください。
治療前の医師カウンセリングを活用する
ヒアルロン酸注入での後悔を防ぐために、クリニックで実施している医師カウンセリングを活用してみましょう。
多くのクリニックでは治療前にカウンセリングを実施しています。カウンセリングでは、具体的なメリットやデメリット、注入量などについて説明を受けてみましょう。また、自分の要望をしっかりと伝えることも大切です。
説明が曖昧だったり、デメリットの説明がなかったりするクリニックは避けておきましょう。
信頼できるクリニックを選ぶ
クリニック選びも、ヒアルロン酸注入での後悔を防ぐ大切なコツのひとつです。
実際の利用者による口コミや、症例写真も参考になります。アフターフォローの有無も確認しておきましょう。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入の実績が多く、しっかり相談に乗ってくれるクリニックを選ぶのがおすすめです。
施術後は落ち着くまで触らない
施術後はヒアルロン酸の注入部位を触らないよう気をつけましょう。
痛み・腫れ・しこりなどが出ていると、つい気になって触ってしまいたくなるかもしれません。しかし、触りすぎてしまうとヒアルロン酸が動いてしまう可能性があります。
最初は違和感があっても、1週間ほどでなじんでくるでしょう。どうしても気になる腫れやしこりなどがあるなら、なるべく自分では触らず、クリニックで医師に相談してください。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入は失敗の可能性もある
ほうれい線へのヒアルロン酸注入は、失敗してしまう場合もあります。ただし、失敗の多くは、医師の技術不足・ヒアルロン酸の量・ヒアルロン酸製剤の質が原因です。選ぶクリニック・ヒアルロン酸製剤の種類や量によって、施術が成功する可能性を高められるでしょう。
信頼できるクリニックを探して、十分なカウンセリングを受けたうえで施術を検討してみてくださいね。
記事監修者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。