眼瞼下垂で眉毛が上がる癖がつく理由は?おもな症状や治療方法

眼瞼下垂になって眉毛を上げる癖がついてしまい、お悩みのかたも多いでしょう。「眉毛を上げる癖を治したい」とお考えのかたもいらっしゃいますよね。

本記事では、眼瞼下垂になると眉毛を上げる癖がつく理由・おもな症状・手術の種類などを紹介します。眉毛を上げる癖でお悩みのかたは、ぜひチェックしてみてください。

目次

眼瞼下垂で眉毛を上げる癖がつく理由

眼瞼下垂で眉毛を上げる癖がついてしまう理由は、筋肉や神経などの働きが悪くなり、額の力を使って無意識にまぶたを開こうとするためです。視野が狭いと視力がよくても見えにくい状態になってしまいます。身体にとっては危険な状態であるため、額に力を入れてまぶたを上げ、視野を確保しているのです。

初期のうちは、眉毛を上げる癖はほとんど見られません。症状が進むにつれて、少しずつ眉毛の位置も上がっていきます。眉毛とまつげの距離も広がっていき、額のシワも目立つようになるでしょう。

眼瞼下垂は両目に発症する傾向があるものの、左右のたるみが同じになるとは限りません。また、頭痛や肩凝りなどの症状につながる可能性もあります。

眼瞼下垂のおもな症状

眼瞼下垂のおもな症状は、次のようなものです。

  • 視野が狭くなる
  • まぶたが重くなり眠そうに見える
  • 二重になる・三重や四重になる
  • 額にシワが寄る
  • 頭痛や肩凝りがある

症状についてそれぞれ解説します。

視野が狭くなる

眼瞼下垂になると上まぶたが垂れ下がってくるため、自然と視野が狭くなります。初期は自覚できない場合が多いでしょう。症状が進むとまぶたが黒目を覆うようになり、見えづらくなります。

まぶたが重くなり眠そうに見える

眼瞼下垂は眠そうに見えるという症状もあります。眠そうに見えるのは、まぶたが重く下がっている状態であるためです。周囲から「眠そう」と指摘される場合もあるでしょう。

二重になる・三重や四重になる

眼瞼下垂が進行したり、まぶたのたるみが出現するようになると、一重が二重に見えるようになったり、元々の二重の幅が変わったようにみえるでしょう。まぶたが二重から三重・四重になる人もいます。

額にシワが寄る

眼瞼下垂が進んで中期を迎えると、額にシワが寄るようになります。額にシワが寄るのは、眉毛が上がる癖がつくのと同じで、まぶたを開こうと無意識で額に力を入れるためです。

無意識のうちに行っていることであるため、自分では額にシワが寄らないよう調整することはできません。後期になると、額にはますますシワが寄ります。

頭痛や肩凝りがある

頭痛や肩凝りなども、眼瞼下垂で見られる症状です。頭痛や肩凝りなどが起こるのは、筋肉が常に緊張した状態になってしまうためです。眼瞼下垂による頭痛・肩凝りの多くは、治療によって改善する可能性があります。

眼瞼下垂による眉毛を上げる癖は治せる?

眼瞼下垂による眉毛を上げる癖は治るのでしょうか。治療について紹介します。

眼瞼下垂の治療には手術が必要

眼瞼下垂による眉毛を上げる癖は治療で改善できます。

ただし、治療するためには原則として手術が必要です。

手術には種類があり、どの方法が適しているかは症状の進行度合いによって違ってきます。

眼瞼下垂によって「視野が狭く見えづらい」「頭痛や肩凝りがある」などのお悩みがあるかたは、医師に相談してみましょう。

眼瞼下垂が再発する可能性

手術と聞いて、再発する可能性があるのか気になるかたも多いのではないでしょうか。

わずかではありますが、眼瞼下垂は手術後に再発する可能性があります。

大抵の場合は再手術が可能です。ただし、再手術は難易度が高めとなるため、再発した場合は早期で治療しなければならない場合もあります。眼瞼下垂が再発した可能性がある場合は、なるべく早い段階で医師に相談してみてください。

眼瞼下垂の治療で行われる手術の種類

眼瞼下垂では以下のような手術が行われます。

  • 挙筋前転術
  • 余剰皮膚切除術
  • 前頭筋吊り上げ術
  • 埋没式挙筋短縮法

手術の概要について見ていきましょう。

挙筋前転術

一般的な眼瞼下垂手術が挙筋前転術です。挙筋前転術では、二重の線でまぶたを切開して、古くなったゴムのように眼瞼挙筋を縫いつけます。手術で筋が短くなると、まぶたを引き上げる力が強くなる仕組みです。

上まぶたを持ち上げる力が弱くて眉毛が上がっているなら、挙筋前転術を受けると改善する可能性が高いでしょう。

機能面の改善を目的として行われる場合、挙筋前転術は保険適用が可能です。

ただし、重度の眼瞼下垂には向かない可能性があります。

余剰皮膚切除術

皮膚だけがたるんでいる「偽眼瞼下垂」で行われる手術が、余剰皮膚切除術です。

余剰皮膚切除術では、文字どおり余った皮膚の切除を行います。見た目の改善を目的とした余剰皮膚切除術は、保険適用外です。

前頭筋吊り上げ術

先天性眼瞼下垂で行われる手術が、前頭筋吊り上げ術です。

前頭筋吊り上げ術では、額の筋肉を直接まぶたへとつなげます。上眼瞼挙筋やミュラー筋などが機能していない状態のときに行われる手術です。

埋没式挙筋短縮法

「切らない眼瞼下垂手術」とも呼ばれる手術が、埋没式挙筋短縮法です。

手術では皮膚に小さな穴を作って眼瞼挙筋を糸で結び、まぶたを引き上げます。切開をしないためダウンタイムは短めですが、保険適用外です。

埋没式挙筋短縮法は、軽度の眼瞼下垂を治療する場合に適しています。

眼瞼下垂でよくある質問

眼瞼下垂でよくある質問について紹介します。気になる症状でお悩みでしたら、ぜひ内容をご確認ください。

眼瞼下垂は自然に治りますか?

残念ながら、眼瞼下垂が自然に治る可能性は極めて低いでしょう。

自力では治せない病気で進行するため、治療するなら手術を受ける必要があります。自然に治らないのは、眼瞼下垂は眼瞼挙筋の緩み・衰えなどで引き起こされているためです。

理由に合った対処をするために、まぶたが開きにくいときはクリニックを受診してみてください。

眼瞼下垂手術の傷痕は目立ちますか?

手術後の傷跡が目立つかは、手術の種類・体質・縫合方法などによって違ってきます。

二重の線で隠れるよう手術を行うため、傷痕は時間が経つと目立たなくなっていくでしょう。

手術のあとは腫れ・赤み・皮下出血などの症状が出ます。腫れのピークは手術の翌日で、1か月程度で赤みが目立たなくなるでしょう。

手術後は傷跡が残らないよう、医師の指示に従って過ごすことが大切です。

眼瞼下垂手術は切開が必要ですか?

眼瞼下垂の治療では、切開をしない手術方法を行う場合もあります。「切らない眼瞼下垂手術」ともいわれるのが、埋没式挙筋短縮法です。

埋没式挙筋短縮法はダウンタイムが短いため、身体にかかる負担を減らせます。

ただし、眼瞼下垂で切開をともなわない手術は、保険適用外です。眼瞼下垂の症状によっては、切開が必要になる場合があります。

どの方法が適しているかは人によって違うため、クリニックで医師に相談してください。

眼瞼下垂で眉毛を上げる癖は手術で治せる!

眼瞼下垂で眉毛を上げる癖がついているのなら、手術を受けると治療できる可能性があります。

眉毛を上げる癖や、額のシワでお悩みでしたら、手術を検討してみましょう。

どのような手術が合っているのかは、症状によって違ってきます。眼瞼下垂でお悩みのかたは、まずクリニックで相談してみてくださいね。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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