眼瞼下垂は自力で治せる?医師が正しい対策を詳しく解説!

この記事では眼瞼下垂は自力で治せるかについて解説します。

目次

眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、まぶたが下がってしまい、見えづらくなってしまう病気のことです。

生まれつきの眼瞼下垂もありますが、多くは加齢が原因となって発症します。

眼瞼下垂で見られるおもな症状は次のようなものです。

  • まぶたを開きにくい
  • 眉をあげて目を開けている
  • 視野が狭くなる
  • 額にシワが寄る
  • 眠そうに見える

初期のうちは目立つ症状が少ないため、眼瞼下垂だと気づいていないかたも多いでしょう。症状が進むと、肩凝りや頭痛などの症状を起こす場合もあります。

眼瞼下垂は自然には治らないため、改善するには手術が必要です。進行した眼瞼下垂の手術には高度な技術が求められ、リスクも大きくなってしまいます。そのため、眼瞼下垂に気づいたら、なるべく早い段階での治療を検討してみましょう。

自力で改善できるケースと医療機関を受診すべきケース

眼瞼下垂は、上まぶたが通常より下がり、視界を遮ってしまう症状です。この状態は加齢や疲労、日々の生活習慣の問題など様々な原因で起こります。症状の程度や原因によって、自宅でのケアで改善できる場合と医療機関での治療が必要な場合があります。

自力での改善が期待できるのは、主に疲労や一時的な筋肉の衰えによる軽度の眼瞼下垂です。例えば、長時間のデスクワークやスマホ使用による目の疲れが原因の場合は、適切な休息と簡単なトレーニングで症状が軽減することがあります。また、加齢による軽度の筋力低下も、継続的なトレーニングで部分的に改善する可能性があります。

一方、医療機関を受診すべきケースもあります。

  • 突然の発症や片目だけの顕著な下垂がある場合
  • 日常生活に支障をきたすほどの視界の遮りがある場合
  • 慢性的な肩こりや頭痛を伴う場合
  • 3ヶ月以上自己ケアを続けても改善が見られない場合

特に、眼瞼下垂に加えて複視や頭痛を伴う場合は、より深刻な神経や筋肉の病気の可能性があるため、早急に受診しましょう。軽度であっても、気になる症状が続く場合は一度形成外科医や眼科医に相談することをお勧めします。

眼瞼下垂を悪化させない日常生活の注意点

眼瞼下垂の予防や進行を抑えるためには、日常生活での小さな心がけが大切です。特に現代人は長時間のデジタル機器使用による目の酷使が多く、これが眼瞼下垂を悪化させる一因となっています。

まず重要なのは、目の休息を十分に取ることです。長時間のパソコン作業やスマホ使用の際は、1時間に一度は目を休める時間を設けましょう。遠くを見たり、目を閉じてリラックスするだけでも効果があります。また、画面の位置も重要で、目線よりやや下に置くことで、自然と上まぶたが開いた状態を保てます。

睡眠の質も眼瞼下垂に影響します。うつぶせ寝は目元に圧力がかかるため避け、仰向けか横向きで寝ることが理想的です。

寝る前のスマホ使用も控え、目の疲れを持ち越さないようにしましょう。十分な睡眠時間を確保することも、目の筋肉の回復に欠かせません。

乾燥も目の健康を損なう要因です。エアコンの効いた環境では意識的にまばたきを増やし、必要に応じて目薬を使用するとよいでしょう。また、目の周りの血行を促進するために、温かいタオルで目を温める習慣も効果的です。栄養面では、ビタミンAやE、ルテインなど目の健康をサポートする栄養素を積極的に摂取することが大切です。

自力ケアの限界と注意点:医師からのアドバイス

眼瞼下垂の自力ケアには効果が期待できる一方で、明確な限界もあることを理解しておく必要があります。

まず、自力のトレーニングやケアは、主に加齢や疲労による軽度の眼瞼下垂に対して補助的な効果が期待できるものです。

先天性の眼瞼下垂や、重度の症状、特に神経系の問題が原因の場合は、自力ケアだけでは改善が難しいことが多いです。こうした場合、自己判断でケアを続けることで適切な治療の機会を逃してしまう恐れがあります。

また、一般的に自力ケアでは即効性は期待できず、早くても1〜2ヶ月、多くの場合は3ヶ月以上かかるとされています。このため、「効果がない」と早々に諦めてしまうケースも少なくありません。

自力ケアの主な限界点

  • 先天性・重度の眼瞼下垂には効果が限定的
  • 神経系の問題には対応できない
  • 即効性は期待できず、継続が必要

「自力でのケアを否定するものではないが、状況によっては適切な医療的介入が必要となる」という見解が一般的です。

症状が気になる場合は、まずは専門医による診断を受け、その上で自宅でのケア方法についてアドバイスを受けることが最も安全な対応といえるでしょう。

眼瞼下垂との上手な付き合い方と改善への道筋

眼瞼下垂と上手に付き合い、生活の質を維持・向上させるためには、総合的なアプローチが重要です。症状の完全な消失が難しい場合でも、適切な対処法を知ることで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

まず、自分の症状を正確に把握することから始めましょう。日々の変化を記録すると、どのような状況で症状が悪化するのか、どのケア方法が効果的かが見えてきます。例えば、朝は症状が軽く、夕方に悪化する場合は、日中の目の使い方を見直す必要があるかもしれません。スマートフォンのカメラで定期的に自分の目の状態を撮影し、変化を追うのも一つの方法です。

医療機関での診察と並行して自宅でのケアを行う「併用アプローチ」も効果的です。医師の診断を受けた上で、適切なケア方法や生活習慣の改善点をアドバイスしてもらいましょう。専門家の指導があれば、より効率的かつ安全にケアを進められます。

改善への効果的なアプローチ

  • 症状の記録と経過観察による現状把握
  • 医療機関での診察と自宅ケアの併用
  • リラクゼーションや適度な運動による全身ケア
  • アイメイクの工夫による見た目の印象改善
  • 同じ悩みを持つ人との情報交換

眼瞼下垂との付き合い方に「正解」はありません。

症状の程度や原因、生活環境などによって最適な対応は異なります。大切なのは、焦らず自分のペースで改善に取り組み、必要に応じて専門家のサポートを受けることです。

小さな変化や改善を前向きに捉え、長期的な視点で取り組んでいきましょう。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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