まぶたのイボは何科で除去できる?イボの種類や治療法も解説

まぶたのイボは何科で除去できるのでしょうか。

小さいころからあったイボが大きくなって視界に入っている?イボを除去したいが何科で対応しているのかわからない…。

イボがあって、上記のようなお悩みをお持ちのかたもいらっしゃいますよね。

本記事では、まぶたのイボは何科で除去できるのか紹介します。まぶたにできるイボの種類や治療法も解説しますので、ぜひご覧ください。

目次

まぶたのイボ治療は何科で除去できる?

まぶたのイボ治療を行っているのは次のような診療科目です。

  • 皮膚科
  • 美容皮膚科
  • 眼科
  • 形成外科(美容外科)

4つの診療科目の概要について紹介します。

皮膚科

イボ全般に対応しているのが「皮膚科」です。大きくなって視界の妨げになっているイボは、皮膚科の受診が適しています。わかりやすく説明すると、病気によるイボの治療を受けるイメージです。

一般の皮膚科は、おもに保険適用での治療を行っています。治療や検査が必要なイボは、皮膚科で相談してみましょう。

美容皮膚科

まぶたのイボは、美容皮膚科でも除去を行っています。病気の治療を目的とした皮膚科と違い、美しさの向上を目的としているのが「美容皮膚科」です。

美容皮膚科のおもな診療内容には次のようなものがあります。

  • しみ・そばかす
  • シワ・ほうれい線
  • ほくろ・イボ
  • あざ

美容皮膚科では、顔や肌の悩みに寄り添った治療メニューを取り揃えており、多くは自費診療です。美容を目的としたイボの除去なら、美容皮膚科の受診を検討してみましょう。

眼科

まぶたを始め、目の周りにあるイボは眼科で除去してもらえる場合があります。

ただし、次のようなイボは眼科での対応が難しいでしょう。

  • 悪性の疑いがある
  • 目から離れた場所にある

イボへの対応が可能かは眼科によって違います。かかりつけの眼科があるなら、1度相談してみましょう。

形成外科(美容外科)

皮膚のできもの・やけど・けがなどに対して、外科的な治療や手術を行っているのが形成外科です。また、病気やけがで失った機能を新たに作る治療にも対応しています。

クリニックによっては保険診療のみでの対応です。イボの対応が可能かはクリニックによりますので、確認が必要です。

「美容外科」は、形成外科の治療範囲を発展させた診療科目となります。美容外科での治療はおもに保険適用外です。

まぶたにできるイボの種類

イボの種類はひとつではありません。

イボは、大きくわけると、「ウイルスが原因のイボ」と「紫外線・加齢が原因のイボ」の2種類です。さらに細分化されており、特徴やできやすい場所などは種類によって違いがあります。

まぶたにできる代表的なイボの種類は次の4つです。

  • 尋常性疣贅
  • 脂漏性角化症(老人性イボ)
  • 稗粒種
  • 眼瞼黄色腫

4つのイボについて特徴を紹介します。

尋常性疣贅

ウイルス性のイボで顔にできやすいのが、ごく一般的なイボである「尋常性疣贅(へんぺいゆうぜい)」です。

色は肌色から薄い茶色が多く、わずかに盛り上がっています。尋常性疣贅の原因となっているのが、ヒトパピローマウイルスです。

尋常性疣贅で剥がれた皮膚からウイルスが放出されると、別な場所にも感染する可能性があります。数センチまで大きくなりますが、かゆみ・痛みのような症状はほとんど出ません。

尋常性疣贅は、液体窒素による凍結療法、レーザー、または手術で除去できます。

脂漏性角化症(老人性イボ)

老人性イボとも呼ばれているのが「脂漏性角化症」です。脂漏性角化症は、手のひらや足の裏を除き、全身どこにでも出る可能性があります。一般的に、大きさは数ミリ~数センチ程度で、色は褐色や黒色です。

わずかに盛り上がっているためイボのように見えますが、脂漏性角化症は良性の皮膚腫瘍です。痛みやかゆみなどの症状はありません。脂漏性角化症は、紫外線や皮膚の老化が原因です。シミと混ざっている場合もあります。

液体窒素による凍結療法や、炭酸ガスレーザー治療などでの除去が可能です。

稗粒種

まぶたを始め、目元や鼻などに出る小さなブツブツが「稗粒種」です。稗粒種は「ひりゅうしゅ」または「はいりゅうしゅ」と読みます。稗粒種は良性の皮膚腫瘍で、原因は明らかになっていません。

良性であるため、気にならなければ放置していても大丈夫です。しかし、稗粒種は白く盛り上がっていてメイクでは隠しにくいため、除去を希望するかたが多い傾向にあります。白く見えるのは、稗粒種の中に角栓のような内容物が入っているためです。

稗粒種は、圧出法または炭酸ガスレーザーで除去できます。

眼瞼黄色腫 

上まぶたにできる黄色い隆起が「眼瞼黄色腫」です。大きさは3ミリ~数センチで、徐々に広がっていきます。眼瞼黄色腫は中年以降に多く見られる皮膚腫瘍で、形はさまざまです。隆起している部分はやわらかく、痛み・かゆみなどの症状はありません。

良性の腫瘍で放置でも問題はないものの、色が明るいため目立つでしょう。

眼瞼黄色腫は、手術またはレーザー治療での除去が可能です。ただし、除去しても時間が経過すると再発する可能性があります。

まぶたにできるイボの治療法

イボは種類や状態などに合った治療が必要です。どのような治療方法が適しているかは、医師が診察のうえで判断します。気になるからといって、自分で除去するのはやめましょう。

まぶたのイボで行われているおもな治療方法についても紹介します。除去の検討材料として、ぜひ治療内容もチェックしてみてください。

液体窒素による凍結療法

尋常性疣贅や脂漏性角化症(老人性イボ)などの治療で行われる方法が、液体窒素による凍結療法です。凍結療法では液体窒素で患部を凍結して、表皮細胞を破壊します。呼び方には多少の違いがあるものの、大抵の皮膚科で対応が可能です。

保険適用が可能で費用は抑えられますが、施術後6か月~2年ほど色素沈着が残ります。そのため、見た目の改善を目的とした除去には適さない可能性があります。

炭酸ガスレーザー治療

脂漏性角化症(老人性イボ)・稗粒種・眼瞼黄色腫などの除去に適している方法が、炭酸ガスレーザー治療です。炭酸ガスレーザー治療では、水分に反応するレーザーを使って、イボを熱エネルギーで蒸散させて取り除きます。

患部周辺の血管が熱凝固作用で固まるため、出血はほとんどありません。炭酸ガスレーザー治療は施術時間が短いため、複数のイボの除去にも適しています。傷跡が残りにくいことも、炭酸ガスレーザー治療の大きな特徴です。

施術後は赤みや色素沈着があるものの、数か月で落ち着くでしょう。

圧出法

稗粒種などの治療で行われているのが「圧出法」です。圧出法では注射針で稗粒種に穴を開け、ピンセットで内容物を押し出します。保険適用が可能な方法です。

圧出法では麻酔を使わないため、多少痛みがあります。痛みに弱いかたは、治療を受けるのが難しい場合もあるでしょう。

方法を聞いて「自分でできる」と思われるかもしれませんが、セルフでの除去はリスクが高いため、おすすめできません。自分で除去せず、クリニックで施術を受けましょう。

手術

尋常性疣贅や眼瞼黄色腫などでは、手術による外科的切除も選択肢のひとつです。初診で手術に対応しているクリニックもあります。手術では局所麻酔を行うため、切除時の痛みはありません。

ただし、縫合した場合は抜糸があり、通院が必要です。また、ほかの方法と比べると、傷跡が治るまでには時間がかかります。

まぶたのイボは皮膚科や美容皮膚科などで除去できる

まぶたのイボは、皮膚科・形成外科・美容皮膚科などで除去できます。

目の近くにあるイボなら、眼科で対応してもらえる場合もあるでしょう。対応を行っているかは、クリニックへの確認が必要です。

適した治療方法は、イボの種類・状態などで変わってきます。まぶたのイボ除去を検討中のかたは、皮膚科・美容皮膚科・眼科・形成外科などで相談してみてくださいね。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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