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埋没法による二重手術は、事前の入念な診察や、デザインのマーキングなどが必要になります。

一方で、手術自体がいざ始まってしまえば、時間としては30分程度でおこなうことができます。

手術中はベッドに横になっていただき、基本的には目をつぶって過ごしていただくことになりますが、その間に何が行われているのか、ご興味(や不安)がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、埋没法による二重手術の実際の手順について概要をご紹介します。

目次

デザイン・マーキング

シミュレーションに従ってデザインをしていきます。

新しく作りたい二重のライン、糸を固定するポイント、その他メルクマール(目印)となるような内眼角、外眼角などにラインをつけます。マーキングに際しては、超極細のマーカーを用います。

麻酔や小切開をおこなうと腫れが出始めますが、この事前のマーキングがあるおかげで、シミュレーションに沿った手術手順を進めることができます。

ちなみに「ミリ単位でデザインする名医」などといった表現を目にしたことがありますが、あたかも独自の緻密さをアピールするような表現に感じられます。
ただ、そもそも二重の幅はミリ単位で表現されるものなので、ただ当たり前のことになります。

局所麻酔

まず、目薬の麻酔(点眼麻酔)をおこないます。片方1,2滴ずつ点眼をします。

点眼してすぐは若干しみる感じがありますが、痛みはありません。10秒ほどして麻酔の効果が表れます。

もちろんあくまで目薬なので意識はありますし、問題なく会話もできます。

その後、まずはまぶたの皮膚側の麻酔をします。

極細の針を用いて、極微量(0.1ml~程度)の麻酔を皮膚におこないます。

なるべく最小限の痛み、腫れ、内出血にすることがポイントになります。

さらにその後、まぶたの裏側の粘膜側の麻酔をおこないます。

当たり前ですがまぶたの手術なので眼球に触れることはなく、上記についても左右あわせてすべて5分以内に完結します。

皮膚の小切開

埋没法二重は切開法とは違うものですが、厳密には皮膚を全く切開しないわけではありません。

糸を通したり、結び目を皮膚の下に埋没させるために、何点か(デザインによる)ごくわずかな小切開を加えます。

すでに麻酔は効いているため痛みはないです。

1回目の糸の通過

まぶたを裏返して、結膜側から表面側に糸を通します。

角膜を傷つけることなく、かつ後で作成する糸の結び目がしっかり埋没されるために真皮をすくわないようにすることが大切になります。

2回目の糸の通過

使用する糸は両端に針がついています。そのため、1回目の通糸で使わなかった方の針を用いて、同様に裏から表側に糸を通します。

糸が出てくる皮膚の表側の点は1回目からすこしずらした点になります。

1回目で使った方の糸を、1回目で皮膚側に出した点から、2回目で皮膚側に出した点まで、皮膚の下を通過するように移動させます。(言葉にするとわかりにくくて恐縮です)

すると小切開のうちひとつの箇所から2本の糸が出てきている状態になります。

糸結び(結紮)

この2本の糸を結び、余分な糸をカットしたうえで、結び目を皮膚の下に埋め込みます。

結び目を最小限することや、結ぶ強さを適切にすることが重要になります。

結ぶ強さが強すぎると医原性眼瞼下垂のリスクを高めたり、弱すぎると持続性が落ちたり糸のたわみの原因につながるリスクがあります。

他の点でも上記の手順をおこなう

上記の流れは、埋没法でつくる二重のラインの1点の流れになります。

そのためデザインに応じて、他の点や、もう一方のまぶたについても糸を通していく必要がありますが、手順の原理は上記と同様になります。

手術後当日の過ごし方の案内

手術後から24時間のあいだは、安静に過ごし、飲酒や長風呂は避け、軽くまぶたを冷やしておくと、のちのちの腫れ軽減につながります。

また手術後当日は、就寝時に少し頭を高くして寝ることも腫れを軽減するためにおすすめです。

埋没法は最も身体の負担が少ない二重手術

埋没法は原理自体はシンプルですが、小さなステップが数多くある手技であるといえます。

そのため、ひとつひとつのステップを丁寧に、適切な順序で進めていくことが大切になります。

手術をスムーズに進め、手術後のケアにも配慮することで、身体への負担やダウンタイムを最小限に二重手術を受けていただくことが可能になります。

JSKINクリニック東京銀座

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執筆者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。

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