唇のシミの治し方について解説します
唇のシミ・ほくろについて
くちびるにあるしみ。シミにみえるようで、ホクロにみえなくもない。
そのように、よくわからないこともあると思います。
まわりの人から「くちびるに何か付いてるよ」と指摘されるときがある、というお悩みも多いようです。
なお、アトピー肌質や、そうでなくても乾燥肌の方については、不用意な自己流のケアをするとより悪化させてしまうこともあるので、注意が必要です。

上下の唇に、パラパラと比較的薄くシミがあります。
専門用語では口唇色素斑、口唇メラノーシスなどと呼ばれます。
唇のシミ(口唇メラノーシス)とは
「シミ」といっても実は様々な種類があり、それによって適切な改善方法が違うため、適切な評価と方針の決定が大切になります。
唇はお顔の他部分の皮膚とも性質が異なり、何らかの刺激や炎症が、慢性的に・繰り返し起こっていく過程で色素が沈着していくことで生じます。
特徴としては、塗り薬や飲み薬などでがんばって治療をしても、なかなか効果がでない点が挙げられます。また、アトピー肌質の方や、乾燥が強い肌質の方に比較的多くみられます。
上の写真のような唇のしみ(口唇色素斑)は、当院のQスイッチルビーレーザーにより治療が可能です。

このような病変は表皮直下に限局していることが多く、それゆえ反応が良好であることも多いです。
またくちびるの組織は色素沈着や瘢痕化が比較的起きにくい部位でもあり、レーザーの治療がむしろ適しているともいえます。
JSKINでの治療の流れ
当院では全国でも有数のレーザー治療実績があり、シミ治療も多くおこなっております。
以下のような流れで治療をおこないます。
問診票の記入・ふき取り
安全かつ効果的な治療をおこなうため、事前に問診票を記入いただきます。
当院では他治療も含めて幅広くおこなっておりますので、もし唇のシミ以外に相談されたいこと・お悩みのことなどありましたら、合わせてお気軽にご記入ください。
また、事前に唇に何か塗られたりなどしている場合は、診察前に事前にふき取りいただけます。
医師診察
状態を直接診察したうえで、方針を検討します。
レーザー治療の適応の有無や、使用するレーザーの種類や設定を判断しつつ、より複合的な治療や別のアプローチが望ましい場合は、その可能性についてもご説明します。
レーザー治療に進む場合は、医師から治療内容についてご説明し、わからなかった点やご質問などがあればお答えしますので、お気軽にご相談ください。
基本的にホームページに掲載されている以外の費用がかかることはありませんが、かかる費用についても事前にご案内を差し上げています。
写真記録・麻酔
治療前の唇の状態を写真記録し、カルテに保存します。
治療による効果をしっかり出すためにも、事前の状態を記録し、かつ経過をフォローできるようにすることも大切にしております。
治療部位にクリームタイプの麻酔を塗り、およそ10分程度時間をおきます。
(麻酔中はスマホを触ったりしていただくことも可能です。)
※他医院様では注射による麻酔がおこなわれている場合があります。時短にはなりますが、注射の痛みが非常に強いため、当院では塗るタイプのクリーム麻酔を原則使用しています。
レーザー治療
麻酔を外して、レーザー治療をおこないます。
レーザー照射自体は、全体で1分程度で完了します。
施術直後は、軽くヒリヒリした感覚が1時間程度持続することがあります。
レーザー施術後に、スタッフが該当箇所に軟膏を薄く塗ります。
また、唇にもシミではなくほくろがある場合もあります。当院ではほくろ治療用のレーザーもあるため、組み合わせて治療をおこなうことも可能です。
治療後のアフターケア・過ごし方
治療後にご自身で継続いただくケアも、レーザー刺激による皮膚のダメージからの回復には重要です。
軟膏によるケア(治療当日・翌日・翌々日)
治療当日・翌日・翌々日の3日間は、抗炎症&保湿を目的とした軟膏を用いたケアを推奨しています。
1日に3回程度、治療部位に薄く塗ってください。(治療部位を含む唇に広めに塗って問題ありません)
この期間は、できれば唇には軟膏以外のものは使わないことがおすすめです。
抗炎症軟膏(3日分)・・・550円
保湿・UV保護のクリームによるアフターケア(翌日~1か月)
治療翌日からは、オプションとしてリップ用クリームによるアフターケア併用を推奨しています。
レーザー後は唇の皮膚が敏感になっているため、
- 乾燥、摩擦
- 紫外線
などの刺激に特に敏感になっている状態が続きます。
1日2回、リップ用アフターケアクリームを使用することで、
- 保湿
- UVカット
の集中ケアをするのがおすすめです。
アフターケア用リップクリーム(1本)・・・1,650円
治療後の過ごし方
洗顔・シャワー・お化粧(唇以外)・軽い運動: 当日から可
入浴・激しい運動・飲酒: 翌日から可
リップのメイクはいつから可能か?
唇のシミレーザー治療後は、原則翌日からリップのメイクが可能です。
治療当日
できれば、治療当日は軟膏のみの使用とし、唇のメイクは控えて頂くことがおすすめです。
もし諸事情でどうしてもメイクが必要な場合は、メイクをした後に、治療箇所に薄く軟膏を塗ってください。
治療から翌日以降
治療から翌日以降は、通常通り唇のメイクをしていただいて構いません。
治療翌日・翌々日:
メイクをする前に、先にアフターケア用リップクリームを塗ります。
その後に、治療箇所に薄く軟膏を塗ってください。夜はアフターケア用リップクリームを使用してください。
治療から3日後以降:
先にアフターケア用リップクリームを塗ります。夜はアフターケア用リップクリームを使用してください。
施術からおよそ4週後頃の経過診察をおすすめしています。
治療後の経過の確認や、今後の方針について医師が伴走し、一緒に検討をしていきます。
JSKINでの治療例
※事前に掲載ご承諾をいただいた、実際の治療例です









治療前(うえ)では、上唇・下唇に黒く濃いシミがあり、他にも細かくパラパラとシミがあります。
麻酔クリームを塗布し、10分ほど時間をおいたのちにレーザー施術をおこないました。
レーザー施術は種類や数にもよりますが、1分程度でおこなうことができます。
その後3日間は当院で処方する軟膏によるケアをしていただき、それ以外には特別な処置は不要です。
下の写真は、施術後の経過診察(およそ2~3週間後)の状態。
それぞれの方から大変ご満足いただいております。
かかった費用: 医師診察料、レーザー施術費(クリーム麻酔費込)、アフターケア用軟膏費(オプション)、リップ用アフターケアクリーム費(オプション)
これまで日々気になっていたり、お悩みだったシミについても、美容医療のちからで改善が目指せる可能性があります。
まずはカウンセリングのみからでの大歓迎です。お気軽にご相談ください。
唇のシミができる原因

唇のシミができる主な原因は、紫外線によるダメージと外的刺激です。唇は皮膚が薄く、メラニン色素が少ないため、紫外線の影響を受けやすい部位です。
過度の紫外線暴露により、メラノサイトが破壊され、メラニンが過剰に生成されることでシミが形成されます。また、摩擦や乾燥などの外的刺激も唇のシミの原因となります。
これらの刺激により、唇の角質層が剥がれやすくなり、バリア機能が低下することで、紫外線の影響を受けやすくなります。さらに、口紅などのメイク汚れが完全に落とされずに残ることで、色素沈着を引き起こす可能性もあります。
唇の特性を理解し、適切な保護とケアを行うことが、シミの予防につながります。
唇のシミの種類
唇のシミにお悩みの方の多くは、口唇メラノーシスというタイプのシミです。
もともとアトピー肌質だった方や、アトピーまではいかないが乾燥やアレルギーを起こしやすい方にできやすい傾向があります。
他にも、老人性色素斑(日光性色素斑)、雀卵斑(そばかす)、炎症後色素沈着など、他の種類だったり、複合的に存在していることもあります。これらのシミは、それぞれ異なる特徴と原因を持つため、適切な診断と治療が重要となります。
唇のシミ治療のメリット・デメリット

唇のシミ治療には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、気になる部位を正確に施術できること、ダウンタイムが比較的短いこと、1回の施術で効果が期待できることが挙げられます。
特にレーザー治療は、唇の組織が色素沈着や瘢痕化が起きにくい特性を持つため、効果的な選択肢となります。
一方、デメリットとしては、治療費用が高額になる可能性があること、まれに熱傷や色素沈着などの副作用が生じる可能性があることが挙げられます。
また、アートメークを入れている場合は原則レーザー治療ができないなどの制限もあります。治療を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、専門医との相談を通じて適切な治療法を選択することが重要です。
JSKINクリニック ー”あなたに応える美容医療”
【2021年11月の開院より、のべ15,000名以上の方々にご来院をいただいております。(2024年4月時点)】
【慶應義塾大学病院 認定医療連携クリニック】
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
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執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。