眉下切開術について慶應形成外科専門医が解説します
眉下切開術とは
上まぶたの皮膚のたるみを切除し、丁寧に縫合をおこないます。きずあとが眉毛の下に沿う形で目立ちにくいため、眉下切開術といわれます。
様々な表現方法・ネーミングがなされていますが、あくまで言い方の違いで、どれも本質的にはほぼ同様です。
(眉毛下皮膚切除、眉下リフト、上まぶたリフト、など)
ひとくちに皮膚のたるみを取ると言っても、以下のようなポイントを考慮してデザインをおこない、適切な手技をおこなうことが必要になります。
- 上まぶたの皮膚の状態(たるみの程度、皮膚の状態)
- まぶたの皮下組織(上眼瞼挙筋、眼輪筋、眼窩脂肪など)の状態
- 元々の二重のライン、眉のかたち など
そのため安易に画一的な手術治療を受けてしまうと、本来行うべき治療とは別になってしまったり、目指したいものとは異なる結果となってしまうことがあるため注意が必要です。
こんな方におすすめ
実際にはご自身のまぶたの状態を確認し、適切なアセスメントが必要になりますが、例として以下のような方は眉下切開術をおすすめしやすいと言えます。
- 上まぶたのたるみによって、まぶたがあけにくくなっている方
- 上まぶたのたるみが被さって、元々の二重が狭くなっている方
- なるべく腫れやダウンタイムなどを抑えて治療を行いたい方
- まぶたの重さによって、肩こりや頭痛にお悩みの方
※まぶたを開くための筋肉(上眼瞼挙筋)自体の改善が望ましい場合は、別方法での手術(挙筋前転法)による手術の適応となる場合があります。
当院での眉下切開術の特徴
慶應義塾大学所属の形成外科専門医が手術を担当します
まぶた(眼瞼)に関連する手術は、「形成外科」という診療科の専門領域になります。眼瞼下垂の診断となる方については保険適応となり、美容目的の場合は自費治療の対象となります。
自費治療の場合は「美容外科」的な治療となりますが、この美容外科というのも、本来は形成外科として研鑽を積んだ医師のさらなる専門分野のひとつとして位置づけられています。
つまり保険適応の有無にかかわらず、まぶた(眼瞼)を扱う手術は形成外科的な技術やコンセプトが基礎となっているため、当院では形成外科専門医が手術を担当する方針としております。
また当院は慶應義塾大学病院・慶應義塾大学医学部形成外科に公認されている連携機関であり、同医局に現役で所属している医師で手術チーム体制をとっております。(慶應形成外科医局ページ)
手術前後のフォロー体制も大切にしています
先述の通り、それぞれの方のまぶたの状態を診察したうえで、適切な治療方針を立てることがまず重要になります。
特定の手術方法のみを費用をかけて宣伝広告したりモニター募集をしている場合、どうしても不必要にオーバーな手術を強いられたり、適応とは少しずれた治療を受けなければならない可能性もあり、注意が必要です。
当院では医師診察・カウンセリングの上で治療を受けられるかをよく検討いただき、治療適応がありかつ治療をご希望される場合は、別途手術日程の設定に進んでいただいております。(原則、カウンセリング当日の手術をおすすめすることはありません。)
また、術後は抜糸の処置が必要になります。(手術後およそ1週間後頃)改めてアフターケアの方法や、普段の生活でのお過ごし方についてご説明し、ご質問などあれば医師がおこたえします。
抜糸のタイミングではまた若干の腫れや内出血が落ち着ききっていないこともあり、その後1~2回程度定期健診におこしいただくことをおすすめしています。(ご都合に合わせて1、3、6か月後頃など)
万が一のトラブルの際にも、適切にフォローさせていただきます。
眉下切開術の適応判断を含め、総合的なご提案が可能です
眉下切開術は、上まぶたのたるみが強い方や、ダウンタイムをおさえた眼瞼下垂症手術として優れた方法です。一方でその治療適応の判断や、それ以外の方法はないか、といった視点でご提案できる体制も重要であると考えています。
その他の手術治療、デバイス治療(ハイフ)、レーザー治療、フィラー治療(ヒアルロン酸、ボトックス)など、様々な選択肢の中から、総合的におすすめできるなかで、治療方針を相談いただくことが可能です。
治療の流れ
医師診察・カウンセリング
問診票を記入いただいた後、医師が診察をおこないます。
現在お困りのこと、気になっていることや、今後のこうなったらうれしい、といったご希望についてもお伺いします。
そのうえでまぶたの状態を診察し、眉下切開術の適応かどうか、治療にあたっては保険適応となるかどうかを判断をいたします。
眉下切開術、および必要に応じて他治療についても解説いたします。そのうえで治療を受けられるかどうかについて、ご検討いただきます。(当日に最終決定するよう強いることはございません。十分にご検討ください。)
最終的に治療を受けられることにされた場合は、別途担当者と手術日の調整をご相談いただきます。
手術当日
ご来院後、専用のパウダースペースにて洗顔をいただきます。当日、なにか聞き忘れたことや追加でお聞きになりたいことがあったら、お気軽にご質問ください。
医師が手術のデザインをおこない、安全に手術を行えるよう、お顔の消毒や器具のセッティングをおこないます。
万全の準備が整った段階で、手術を開始します。
最小限の痛みで手術を行えるよう、最初に部分麻酔を行います。はじめはちくっとしますが、麻酔が効いてからは手術中痛みなくお過ごしいただけます。手術自体は、30分~60分程度で終了します。
手術が終わったら状態を確認いただき、軟膏を塗ります。(場合によりその上からガーゼを当てる場合があります。目は覆わないので、普通にご帰宅いただけます。)
眼鏡やサングラスなどをご持参いただくと、帰り道のカバーになるかもしれません。
手術後のアフターケア
手術後は、アフターケアで使っていただく軟膏や、手術後の痛みが気になる場合の鎮痛薬、念のための抗生物質のお薬をお渡しします。(保険適用の場合は処方箋をお出しします)
次回診察までの過ごし方についても、改めてご説明します。
もし次回受診までにお困りごとやご質問があった際は、デジタル診察券からサポートチャットにつながりますので、そちらでご連絡をいただければ、適宜医師に確認しご返答が可能です。
抜糸
手術後からおよそ1週間程度で、抜糸の処置のためにご来院いただきます。
抜糸も丁寧におこなうことで、きずあとがより早く落ち着くようになります。
抜糸の時点ではまだきずあとの赤みが強く、若干腫れや内出血が残っていることがありますが、目の開けやすさについては既に実感できていることが多いです。
経過診察
抜糸後は、きずあとの状態に合わせて経過診察をご案内しております。(およそ1~3か月後頃)
お仕事や生活のご都合に合わせて、日時について設定いただくことが可能です。
治療例
施術の概要
所要時間
手術自体は片方のみの場合およそ30分、両方の場合はおよそ60分
ダウンタイム
手術後、抜糸までの約1週間の間は、縫合の糸がついているためやや目立ちやすいです。(糸自体は髪の毛よりも細い糸です)その間はきずにはお化粧などはしないことがおすすめです。抜糸後からはお化粧などをきずの部分も含めてして構いません。
きずの赤みは1~3か月程度は比較的強い時期が続きます。3~6か月程度たってくるとだいぶ落ち着き、さらに期間をかけてより目立ちにくくなっていきます。
治療後の生活
- 洗顔・・・ 手術後24時間経って以降から可(きず自体も濡らしてやさしく洗顔して大丈夫です)
- お化粧・・・ きずの部分以外であれば当日より可、きずの部分は抜糸後からがおすすめです
- 食事・・・ 当日から可
- お酒・・・ 手術後24時間経って以降から、少量なら可(深酒する場合は抜糸が済んでからにしてください)
- 運動・・・ 手術後24時間経って以降から、軽くなら可(激しい運動は抜糸が済んでからにしてください)
副作用・リスク
・基本的に一過性には起こるもの:手術後の内出血や腫れ(数日~1,2週間)、軽い痛み(当日~数日)
・まれでが起こりうるもの:縫合不全、創部感染、肥厚性瘢痕、左右非対称、上眼瞼の引き連れ など
(万が一のトラブルの際には適切にフォローさせていただきます。)
ご料金
形成外科専門医によるカウンセリング
美容手術(自費治療)の場合・・初診料2,200円、再診料1,650円
(眼瞼下垂が認められる場合は保険適用になります)
美容手術(自費治療)の場合
片側165,000円(税込)、両側220,000円(税込)
※アフターケア専用軟膏、内服薬(抗生物質及び痛み止め2日分)、初回経過診察時の医師診察料(抜糸込み)も上記料金に含まれています。原則上記料金以外はかかりませんのでご安心ください。
眼瞼下垂に対する手術の場合
眼瞼下垂の治療目的である場合は保険適用となります。
片側6,070点(1割負担の方なら6,070円、3割負担の方なら18,210円)
両側12,140点(1割負担の方なら12,140円、3割負担の方なら36,420円)
JSKINクリニック ー”あなたに応える美容医療”
【2021年11月の開院より、のべ15,000名以上の方々にご来院をいただいております。(2024年4月時点)】
【慶應義塾大学病院及び聖路加国際病院より、医療連携クリニックとして認定されています】
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
・東京メトロ日比谷線・JR線 八丁堀駅 より徒歩2分
・東京メトロ有楽町線 新富町駅より徒歩4分