眼瞼下垂手術のダウンタイムによる仕事への影響は?医師が解説
眼瞼下垂手術のダウンタイムによる仕事への影響について医師が解説します。
瞼下垂手術後のダウンタイムは?
瞼下垂手術後のダウンタイムは個人差がありますが、多くの場合1週間程度で抜糸が行われ、2週間から1ヶ月程度で腫れや内出血が落ち着きます。
仕事復帰のタイミングは職種によって異なり、デスクワークなら早期復帰も可能ですが、重労働の場合は医師と相談の上で決定することが推奨されています。
眼瞼下垂手術について
眼瞼下垂手術は、まぶたを挙上する機能を改善し、眼瞼下垂にともなう様々な症状を改善させるための治療です。
主な手術方法には以下があります。
- 挙筋腱膜前転術:
二重のラインから皮膚を切開し、まぶたを上げる腱膜を再固定するまぶたの動きを自然に保つ - 眉下余剰皮膚切除ミュラータッキング:
まぶたのたるみが強い場合に、眉毛の下にきずあとが隠れるように余分なたるみを切除する - 前頭筋吊り上げ術:
眼瞼挙筋がほとんど機能しない場合に使用
手術は通常1時間程度で完了し、多くの場合日帰りで行われます。
術後は1週間程度で抜糸が行われ、完全な回復には個人差がありますが、2週間から1ヶ月程度かかることが一般的です。
ダウンタイムの期間と症状
眼瞼下垂手術後のダウンタイムの期間と症状は、手術方法や個人差により異なりますが、一般的な経過は以下の通りです。
- 痛み:
手術当日から2-3日程度 - 腫れ:
1-2週間程度で8割程度改善、完全消退まで約1-3ヶ月 - 内出血:
1-2週間程度で目立たなくなる
ダウンタイムが仕事に与える影響
眼瞼下垂手術後のダウンタイムは、仕事の種類によって影響が異なります。
デスクワークの場合、多くの患者は術後3〜4日で復帰可能ですが、体を使う仕事では業務内容に応じて調整が必要です。
接客業や営業職など、外見が重要な職種では、腫れや内出血が落ち着くまで1〜2週間程度の休暇を取ることが推奨されます。
仕事への影響を最小限に抑えるためのポイント
- 手術日程を休暇に合わせて調整する
- 医師と相談し、仕事内容に応じた復帰計画を立てる
- 必要に応じて、一時的に業務内容の変更を上司と相談する
- マスクや眼鏡の着用で腫れをカバーする方法を検討する
ダウンタイムを軽減するための対策
眼瞼下垂手術後のダウンタイムを軽減するためには、以下の対策が効果的です。
- 術後24時間以内はクーリングをおこない、腫れを軽減する
- 就寝時は頭を少し高い位置に保ち、むくみを軽減する
- 飲酒や喫煙、激しい運動を控え、血流の急激な変化を避ける
- 処方された薬を適切に使用し、炎症を抑える
これらの対策を実践することで、腫れや内出血の回復を早め、ダウンタイム期間を短縮できる可能性があります。
ただし、個人差があるため、医師の指示に従い、無理のない範囲でケアを行うことが重要です。
よくある質問
コンタクトレンズをつけても大丈夫?
出来ればコンタクトレンズは術後3日~1週間程度は避け、その後は医師の指示に従って装着可能です。その間はメガネを使用することがおすすめです。
テレワークならいつから可能?
テレワークの場合、デスクワークなら術後2日目から復帰可能ですが、1週間程度の休暇を取ることが推奨されます。
痛みや腫れはどのくらい続く?
痛みや腫れは個人差がありますが、多くの場合1〜2日で軽減し、1〜2週間程度で落ち着きます。
メイクで隠せるのはいつから?
メイクは手術部位以外であれば翌日から可能です。手術部位は、およそ1週間程度は避けることがおすすめです。まぶたを優しく扱い、医師の指示に従うことが重要です。
これらの回復期間は個人差があるため、必ず担当医の指示に従い、無理のない範囲で日常生活に戻ることが大切です。
眼瞼下垂だと思ったら
当院では、保険・自費ともにまぶたに関する手術治療をおこなっております。
慶應義塾大学所属の形成外科専門医が手術を担当します
まぶた(眼瞼)に関連する手術は、「形成外科」という診療科の専門領域になります。
眼瞼下垂の診断となる方については保険適応となり、美容目的の場合は自費治療の対象となります。
自費治療の場合は「美容外科」的な治療となりますが、この美容外科というのも、本来は形成外科として研鑽を積んだ医師のさらなる専門分野のひとつとして位置づけられています。
つまり保険適応の有無にかかわらず、まぶた(眼瞼)を扱う手術は形成外科的な技術やコンセプトが基礎となっているため、当院では形成外科専門医が手術を担当する方針としております。
また当院は慶應義塾大学病院・慶應義塾大学医学部形成外科に公認されている連携機関であり、同医局に現役で所属している医師で手術チーム体制をとっております。
手術前後のフォロー体制も大切にしています
先述の通り、それぞれの方のまぶたの状態を診察したうえで、適切な治療方針を立てることがまず重要になります。
特定の手術方法のみを費用をかけて宣伝広告したりモニター募集をしている場合、どうしても不必要にオーバーな手術を強いられたり、適応とは少しずれた治療を受けなければならない可能性もあり、注意が必要です。
当院では医師診察・カウンセリングの上で治療を受けられるかをよく検討いただき、治療適応がありかつ治療をご希望される場合は、別途手術日程の設定に進んでいただいております。(原則、カウンセリング当日の手術をおすすめすることはありません。)
また、術後は抜糸の処置が必要になります。(手術後およそ1週間後頃)改めてアフターケアの方法や、普段の生活でのお過ごし方についてご説明し、ご質問などあれば医師がおこたえします。
抜糸のタイミングではまた若干の腫れや内出血が落ち着ききっていないこともあり、その後1~2回程度定期健診におこしいただくことをおすすめしています。(ご都合に合わせて1、3、6か月後頃など)
万が一のトラブルの際にも、適切にフォローさせていただきます。
手術治療の適応判断を含め、総合的なご提案が可能です
当院では手術以外のさまその治療適応の判断や、それ以外の方法はないか、といった視点でご提案できる体制も重要であると考えています。
おでこのシワが気になる方にはボトックスによるシワ治療であったり、おでこやこめかみのこけ感をヒアルロン酸で補充してあげることで、まぶたが開けやすくなる効果もあります。
診察での総合的な観点で、ご自身にあった治療をご提案することが可能です。
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
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執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。