肩のボトックス注射 (肩の筋肉の盛り上がり改善)
ボトックス治療はシワやたるみの改善効果・予防効果だけでなく、肩の筋肉の盛り上がりを改善する効果もあります。短時間で治療を行えるため手軽な美容医療として最も普及している方法のひとつです。
本ページには肩に対するボトックス治療について、慶應大学形成外科専門医が解説します。
肩のハリは正面からみた首から肩のラインをつくる
正面から首から肩のラインを見た際に、肩の張りが強いと首が短くみえたり、首まわりがすっきりみえにくいことがあります。
また張り出し自体はそこまで強くなくても、肩の筋肉の発達具合や癖によって、肩こりや慢性疲労の原因となってしまうこともあります。
ボトックスによる肩の治療とは、原因となる筋肉にボトックスを注射することで、肩の張り感を緩和させたりする治療です。
短時間で治療を受けることができ、治療後はなにごともなかったように日常生活に戻れるので、手軽に治療を受けられるのが人気の理由でもあります。
肩に関するよくあるお悩み
たとえば、以下のようなお悩みを持つ方は多いです。
- 肩の筋肉の盛り上がりが強く、髪型で隠すようにカバーしている
- 首が太く短く見えるのが気になる
- 癖で常に肩が緊張状態になっており、慢性的に肩こりがある
理想的な肩のラインの状態
実際のところ、決まった理想のかたちがあるわけではないですが、以下のような状態を理想とする方は多いかと思います。
- 肩の盛り上がりをおさえられ、首から肩へのラインがすっきりしている状態
- 肩の筋肉の緊張状態が緩和されている状態
肩やデコルテが出るようなお洋服を着られる際には、この首から肩にかけてのラインがシルエットに大きく影響するところといえます。
肩のボトックス治療
ボトックス治療とは
シワの改善や予防、さらには小顔効果などを数分の施術で手軽に行えるボトックス注入は、世界で行われている主流のアンチエイジング手法のひとつです。
メスを用いた切開を必要としないため、ダウンタイムがなくお忙しい方であっても無理なく施術を受けることができます。
1989年にアメリカで医薬品として承認され、現在は世界90か国以上で承認・使用されている薬剤です。女優さんや著名人が受けていたアンチエイジングを、今では同じクオリティでより一般に多くの方々が受けられる時代になっています。
顔のシワ以外にも、エラの張りを抑えて小顔効果・くいしばり改善をしたり、脇汗をおさえて汗シミの不安をなくしたり、今回のように肩の筋肉の盛り上がりを緩和することが可能です。
肩のボトックス治療が有効な理由
肩の筋肉の盛り上がりに関係しているのは、僧帽筋という筋肉になります。
僧帽筋とは首の付け根から背中にかけて広がる、体の中でも特に大きな筋肉です。大きく3つのエリアに分かれており、首から肩までの上部線維、肩から胸のあたりまでの中部線維、胸より下の部分の下部線維の3つがあります。
このうち、肩ボトックスの治療対象となるのは、上部線維です。
上部線維は肩をすくめたり首を動かしたりするときに使われたり、頭の重さを支えている部分であるため負担がかかりやすく、結果として盛り上がりやすい部位といえます。
そのため、やみくもに肩にボトックスを注入すればよいかといえば、当然そんなことはありません。
正しい解剖学的知識と、適切な手技、注入量の調整が必要になります。
そのような立体的な筋肉の走行に合わせて注入を行うことで、筋肉をピンポイントに緩める効果が期待できます。
なお、首や肩を動かしたり、ぐっと力をいれたりする際は、この僧帽筋上部線維以外にも様々な筋肉が協調しているため、ボトックスをすることで日常生活に支障が出ることは非常に稀なので、ご安心ください。
当院の肩ボトックス治療のポイント
- ボトックスビスタ認定医師の診察・カウンセリングのうえ、施術をおこないます。筋肉のつき方は個人差があり、施術者による適正な評価が重要です。
- 極細の針(30G~)を使用し、なおかつアイシングを併用して施術をおこなうため、痛みにも配慮されています。(他の部位に比べて、肩のボトックスは痛みは少ないです)
ボトックス治療の流れ
医師診察
ご本人のお悩みや理想をお伺いし、さらに状態を直接診察したうえで、方針を検討します。
ボトックス治療の適応の有無を判断しつつ、より複合的な治療や別のアプローチが望ましい場合は、その可能性についてもご説明します。
基本的にホームページに掲載されている以外の費用がかかることはありませんが、かかる費用についても事前にご案内を差し上げています。
セッティング
安全に施術をおこなうために、当院スタッフによりセッティングおよび施術部位の消毒をおこないます。
また施術前後の状態をフォローできるよう、写真記録をおこなう場合があります。
施術時は専用の個室で電動ベッドにおかけいただき、リラックスして施術を受けていただくことが可能です。
ボトックス注入施術(5分程度)
担当医師によるボトックス施術をおこないます。施術は5分程度で可能です。
現在当院では、アラガン社製ボトックスビスタ®を導入しています。
厚生労働省から承認を受けている、製造・輸送・保管環境など厳重に管理された高品質の製材になります。
また、より費用を抑えて治療を継続したい方には、韓国製(ボツラックス)を使用した治療をご提案することも可能です。
アフターケア・経過診察
当日夜以降、洗顔やお化粧も可能です。
当日は念のため代謝が良くなること(長風呂、深酒、運動など)は避けていただくことをおすすめしています。
施術後に、スタッフから改めてアフターケアのご説明をしますのでご安心ください。
施術から3日後~1週間後頃に効果が感じられるようになり、 効果持続は3~6ヶ月と個人差があります。
定期的・継続的な治療
ボトックス治療は期間の経過とともに、その効果が減弱していきます。
安定して継続をおこなうことでより効果を発揮します。
2回目は4か月後、3回目以降は4~6か月おきがおすすめです。
治療の概要
施術にかかる時間
1部位につきおよそ5~10分程度で施術が可能です。
複数部位をまとめて行う場合でも、10~20分程度で施術が可能です。
ダウンタイム
当日夜から洗顔、お化粧が可能です。
まれに点状の内出血が出た場合は、数日~1週間程度持続する場合があります。
(その場合はお化粧は翌日以降からをお勧めする場合があります。)
痛み
針が入るときに一瞬チクっとする痛みがあり、また製剤は皮下に入るときに若干の違和感を感じる場合があります。
痛みに敏感な方の場合、施術部位を冷やしながら注入をおこないます。
施術後のお過ごし方
普段通りお過ごしいただけますが、代謝があがるような行為は翌日以降をおすすめしています。
- 洗顔: 当日夜から可(相談により直後から可)
- お化粧: 翌日から可(相談により当日可)
- 運動: 当日から可(激しい運動は翌日以降をおすすめ)
- 飲酒: 当日から可(当日はほどほどにをおすすめ)
- シャワー: 当日から可(入浴やサウナは翌日以降をおすすめ)
効果のでかた
3~4週間程度後から効果が出てきます。
副作用・リスク
ボトックス治療はダウンタイムがない治療として一般にいわれますが、主に以下のような副作用のリスクがあります。
- 点状の内出血(数日~1週間程度)
- 効果の左右差(特にもともとの状態で左右差が強い場合)
- 施術部位の力がいれにくくなることによる違和感 など
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
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執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。