首のイボを取る方法は?自分で取れる?医師が詳しく解説
首のイボを取る方法や自分で取れるかについて医師が詳しく解説します。
首のイボとは?
首のイボは、皮膚の表面に現れる小さな突起物で、主に3つの種類に分類されます。
- アクロコルドン(スキンタッグ)
1〜2mm程度の小さな糸状の腫瘍で、首やワキに多発する傾向がある - 軟性線維腫
体幹にできる直径1cm程度のやや大きなイボ - 脂漏性角化症(老人性イボ)
茶〜黒色で1〜数mm程度の大きさで、皮膚から平坦に隆起する
これらのイボは良性の皮膚腫瘍であり、ほとんどの場合ウイルス性ではありません。主な原因として、加齢、摩擦による刺激、紫外線の影響、体質などが考えられています。
30-40代以降に増加する傾向がありますが、体質によっては20代でも発症することがあります。
首のイボは見た目が気になる場合が多いですが、医学的には放置しても問題ない良性のものがほとんどです。
首のイボは自分で取って大丈夫?
首のイボを自分で取ることは、非常に危険で推奨されません。
医学的には、首のイボの大半は良性の腫瘍であり、放置しても健康上の問題はありませんが、自己除去を試みると様々なリスクが生じます。
例えば、不適切な処置により感染症を引き起こしたり、過度の出血や目立つ傷跡が残る可能性があります。さらに、自己診断の誤りにより、実際には他の皮膚疾患である可能性を見逃してしまう危険性もあります。
そのため医師による適切な診断と治療が、最も安全で効果的な方法といえます。状態を評価したうえで、最適な治療法を選択できるだけでなく、治療後のケアや再発防止のアドバイスも提供できます。
医療機関でのイボ除去方法
医療機関での首イボの除去には、主に3つの方法があります。
- 炭酸ガスレーザー治療
1mm程度の小さなイボから、比較的大き目のイボまで治療が可能です。麻酔を使用すれば痛みは少なく、出血もほとんどありませんが、自費診療になります。 - ブレオマイシン注射
イボに直接薬剤を注射し、組織を壊死させる方法です。指や足の裏などにあるイボの治療に使われることが多いです。この治療についても保険適用外で場合により複数回の通院が必要です。治療には痛みが伴うため、事前の麻酔が推奨されます。 - 切開術
局所麻酔下でイボを切除する方法で、大きなイボに適しています。保険適用での手術が可能です。
これらの治療法は、イボの大きさや数、患者の希望に応じて選択されます。医師との相談の上、最適な方法を決定することが重要です。
当院では、炭酸ガスレーザーを使用した首のイボ治療をおこなっています。施術の前にはクリーム麻酔の事前処置を行い、十分痛みに配慮された治療が可能です。
1回の施術で多くのイボを治療することができるため、数が多く治療を諦めていた方も多くご来院いただいています。
イボ除去後のケア方法
イボ除去後のケアは、治療の成功と傷跡の最小化に不可欠です。主なケア方法は以下の通りです。
- 軟膏によるアフターケア: 医師から処方された抗炎症の軟膏を1日数回塗布し、5日程度継続することで治癒を促します。
- 紫外線対策: 治療後3〜6ヶ月は日焼け止めを使用し、色素沈着を防ぎます。
- 清潔保持: 患部を清潔に保ち、入浴後は優しく水分を拭き取ります。
- 摩擦回避: 衣類や装飾品による摩擦を避け、傷跡の悪化を防ぎます。
これらのケアを適切に行うことで、治癒を促進し、きれいな仕上がりを期待できます。ただし、異常を感じた場合は速やかに医療機関に相談することが重要です。
JSKINクリニック東京銀座
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執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。