12月1日の朝日新聞の記事をきっかけに多くの方にご来院いただいています
数日前に出された朝日新聞の記事をきっかけに、慶應病院美容医療外来や当院にご来院頂く方が増えています。
記事↓
(時時刻刻)美容医療、トラブル急増 診察一瞬だった二重手術、腫れ引かず別の病院へ「甘く見ていた」
一般美容クリニックにおけるトラブルが急増していることを踏まえ、その実態や具体例、今後の日本の医療体制にも影響しうる社会的懸念などが特集されています。
また記事の中では、私も診療担当している慶應病院美容外来からのコメントも掲載されています。
詳細は記事をご覧いただくとして、今回は各ポイントにおける私見を述べたいと思います。
①
”クリニックに着くと、医師ではない若い女性の「カウンセラー」が施術の希望を聞き取った。「なるべく糸がとれず、腫れが少ない方法で」と伝えると、埋没法で最も高額な30万円以上のコースを提示された。”(記事抜粋)
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これまでの治療歴や、ご不安に感じていることなどの事前情報の収集においては、医師以外の担当が事前に行う意義はあると考えます。ただし上記のような、実質的に診察や治療方針の提案までおこなうことは責任範囲を超えていると考えられます。
また、そもそもこの料金自体があまりに高額である可能性もあります。
治療費は各クリニックごとで明示されているため、数件は比較しておくべきです。また、HPからでは治療費が分からない場合は避けるべきでしょう。
なお、当院にはカウンセラー職のスタッフはおりません。
②
”状態が良くならず、1カ月後、クリニックに電話して診察を求めた。術後の診察はこれが初めてだった。院長は、手術台に座って待つ女性を部屋の入り口に立って見るなり「ああ、大丈夫」と口にした。”(記事抜粋)
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医療行為である以上、必ずリスクとベネフィットが存在します。
そのため大切なことは、それを正しくお伝えしたうえで、そのリスクを医療者側でなるべく最小限にすることや、それが起こった際に適切なフォローをおこなえる体制であることと考えます。
良い治療をおこなうことを一番の目的としていれば、術後の経過を全例しっかりフォローしたいというのが医師としては当然の感覚であると考えます。
しかし売り上げをあげることが一番の目的である場合は、経過をフォローよりも、次なる新しい契約を取ることに注力するでしょう。
なお、当院では術後は必ず経過診察のフォローをさせていただいております。
③
”日本形成外科学会理事長の貴志和生・慶応大教授によると、入局後数カ月で慶応大の医局を辞め、堂々と経歴に「慶応大学で研修」などと書く美容外科医も少数ながらおり、「肩書に利用されている」となげく。“(記事抜粋)
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現在はSNSを中心に、どのような医師であっても情報発信(実質的には宣伝広告)ができる時代です。同業者からみたら一発でわかってしまいますが、大げさな肩書を示そうとする医師も存在しているのは事実です。
医療従事者でなければそのひとつひとつを判断するのは難しいと思います。一つの目安としては、「あいまいな表現」はあまり信じない方がよいです。
例)
「〇〇病院で〇〇科、〇〇科などを研修」 ⇒ただの初期臨床研修を指している場合が多い。(その場合は研修医として数か月ローテーションをしているだけ)
「〇〇の名医、スペシャリスト」 ⇒自称ネーミングの可能性あり。
「〇〇専門医」 ⇒ 学会が定めている正規の専門医もあれば、自称ネーミングの場合もあり。(たとえば二重専門医や豊胸専門医という肩書きは存在しない)
④
”慶応大病院も5月に美容医療を始めた。「慶応の名を汚すのでは」という批判の声も一部にあったが、貴志さんは「今、大学として必要なことは、安全・安心の美容医療の診療・研究・教育と考える。安全面をとにかく重視して、美容医療の悪いイメージを払拭(ふっしょく)したい」。”(記事抜粋)
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これまで慶應大学病院は一般保険診療を主として対応していましたが、昨今の状況を踏まえ、形成外科が主体となって美容医療部門を開始しています。私も立ち上げや運営の一員として入っています。
今回は記事の一部抜粋と簡単な私見コメントとなりましたが、ご覧になられた方のクリニック選びの参考となれば幸いです。
参考ブログ↓
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
東京メトロ日比谷線・JR線 八丁堀駅より徒歩2分
東京メトロ有楽町線 新富町駅より徒歩4分
予約の方法(二重、眼瞼下垂)
①お電話 ⇒ 03-6820-0627
②HPからweb予約 「カウンセリング」⇒「二重」 を選択ください
③LINE診察券 LINE診察券を登録し、「お問い合わせ」からチャットでご予約
慶應病院大学病院 美容医療外来
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慶應義塾大学病院 美容医療外来
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お電話:03-5363-3858
HPからwebご予約可能 https://bldg3y.hosp.keio.ac.jp/aesthetic/
※本記事執筆の牧野医師担当日:木曜午後