まぶたが下がる原因は?眼瞼下垂で見られる代表的な症状も解説
まぶたが下がる原因に興味をお持ちではありませんか。「加齢で少しずつまぶたが下がってきた」「前よりも見えにくい気がする」とお悩みのかたもいらっしゃいますよね。
まぶたが下がるおもな原因として知られる病気が「眼瞼下垂(がんけんかすい)」です。ただし、乾燥やそのほかの病気によってまぶたが下がることもあります。
本記事では、まぶたが下がるおもな原因と眼瞼下垂で見られる症状などを紹介しますので、ぜひご覧ください。
まぶたが下がる原因

まぶたが下がる症状にはさまざまな原因が考えられます。おもな原因のひとつが、加齢で引き起こされる眼瞼下垂です。眼瞼下垂を含め、まぶたが下がる原因をチェックしてみましょう。
眼瞼下垂
まぶたが下がる原因で特に多く見られる病気が、眼瞼下垂です。発症するタイミングで大きくわけると、眼瞼下垂には次の2種類があります。
- 先天性眼瞼下垂
- 後天性眼瞼下垂
先天性眼瞼下垂は生まれつき起こる眼瞼下垂で、片側性の場合もあります。幼少期に眼瞼下垂の症状が強いと視力に影響することがあるため、手術による治療を行う場合があります。
後天性眼瞼下垂のおもな原因は加齢です。また、コンタクトレンズの使用・摩擦・外傷・目の手術・病気が原因となっていることもあります。加齢による眼瞼下垂は、症状が気になったら治療を検討するタイミングです。機能面での問題がなく見た目を改善したい場合は、保険適用外で手術を受ける方法もあります。後天性眼瞼下垂を引き起こす原因も紹介しますので、参考にしてみてください。
コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズの使用もまぶたが下がる原因です。近年は、コンタクトレンズの使用によって若い世代にも眼瞼下垂が増えています。視力や見た目の問題から、眼鏡よりもコンタクトレンズを好んで使っている人も多いでしょう。しかし、コンタクトレンズを長年使い続けていると、まぶたへの継続的な刺激により眼瞼下垂につながるおそれがあります。特に硬い素材で作られているハードコンタクトレンズには注意が必要です。
毎日コンタクトレンズを使用しているかたは、眼鏡の併用も検討してみましょう。長時間コンタクトレンズを付けっぱなしにしないことも大切です。
摩擦や乾燥
摩擦もまぶたが下がる原因です。過度なアイメイクをしていたり、目をこするクセがあると、眼瞼下垂になりまぶたが下がってしまう可能性があります。二重のり・二重テープの使用にも注意が必要です。なるべくまぶたに負担をかけないよう、注意しましょう。
外傷
交通事故や転倒などによる外傷でまぶたが下がるのが、外傷性眼瞼下垂です。外傷による出血やむくみでまぶたが腫れ、開きづらい状態になります。外傷性眼瞼下垂は腫れが引くと落ち着くでしょう。
ただし、まぶたを上げる筋肉や神経が損傷すると、時間が経っても眼瞼下垂の症状が残ってしまう場合があります。筋肉や神経の損傷がある場合は、機能を補うための手術が必要になるでしょう。
目の手術
後天性眼瞼下垂には、白内障や緑内障など目の手術を受けたあとに起こる「内眼手術後眼瞼下垂」というものもあります。内眼手術後眼瞼下垂が起こる原因のひとつとされているのが、術後に起こる炎症反応です。また、まぶたを開くための「開瞼器」による眼瞼挙筋への影響も、原因のひとつだといわれます。
ただし、白内障や緑内障の手術を受けたからといって、必ずしも眼瞼下垂になってまぶたが下がるとは限りません。内眼手術後眼瞼下垂になっても、多くの場合は数か月で自然に落ち着きます。症状が改善しない場合は手術による治療が可能です。
脳梗塞や脳動脈瘤などの病気
ある日いきなり片側のまぶたが下がって目が開きにくいときは、脳梗塞や脳動脈瘤など深刻な病気の可能性も考えられます。また、糖尿病も眼瞼下垂の原因となる病気のひとつです。
| 種類 | 概要 | 
| 脳梗塞 | 脳の血管が細くなったり詰まったりして血流が止まり、細胞が壊死する | 
| 脳動脈瘤 | 脳動脈の一部が膨らみ、破裂するとくも膜下出血を引き起こす | 
| 糖尿病 | インスリンの働きが不十分で血糖値が高くなる | 
脳梗塞を発症すると、神経の麻痺で眼瞼下垂が引き起こされる場合があります。脳動脈瘤で眼瞼下垂の症状が出るのは、動眼神経が圧迫されるためです。糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、動眼神経へのダメージにより眼瞼下垂を引き起こします。
年齢を問わず突然片側のまぶたが下がる症状があらわれたときは、速やかに総合病院で相談しましょう。
重症筋無力症
全身の筋力が落ちて疲れやすくなる病気が、重症筋無力症です。重症筋無力症には眼筋型と全身型の2種類があります。眼瞼下垂や複視など、目の症状だけ出るのが眼筋型です。重症筋無力症は指定難病のひとつで、治療が必要です。
偽眼瞼下垂
まぶたが下がる原因には「偽眼瞼下垂」もあります。偽眼瞼下垂とは、筋肉や腱などには問題がないものの、皮膚のたるみが生じている状態のことです。眼瞼下垂と似ているため、偽眼瞼下垂と呼ばれています。
偽眼瞼下垂のおもな原因は皮膚のたるみです。また、まばたきの制御が難しくなる眼瞼けいれんも偽眼瞼下垂に含まれます。偽眼瞼下垂では、皮膚の切除や眉の固定など、原因に合った治療が必要です。
眼瞼下垂の代表的な症状

眼瞼下垂の代表的な症状には以下が挙げられます。
- 視野が狭くなる
- まぶたが重い
- 見た目が変化する
- 頭が痛い・肩が凝る
初期の眼瞼下垂は自覚症状が少なめです。中期以降になると症状が増え、日常生活にも支障が出るようになります。代表的な症状について、どのようなものかチェックしてみましょう。
視野が狭くなる
初期のうちはわかりづらいかもしれませんが、眼瞼下垂では視野が狭くなるという症状があります。視野が狭まってしまうのは、まぶたが黒目を覆うためです。放置していると症状が進んで、ますます視野が狭くなってしまいます。
まぶたが重い
まぶたの重さも、眼瞼下垂で見られる症状です。眼瞼下垂の症状が進んで中期になると、まぶたが黒目にかかり、重い・開けづらいと感じられるようになります。
見た目が変化する
見た目が変化することも、眼瞼下垂の代表的な症状です。
- 一重が二重になる
- 二重の幅が広くなる
- 二重が三重や四重になる
- 額にシワが目立つ
- 眠そうだといわれる
眼瞼下垂で額にシワが目立つのは、視野が狭くなることで眉毛や顎を上げてものを見ようとするためです。症状が進むと、二重の幅が広くなったり、額のシワが深くなったりするなど見た目がさらに変化します。額にシワが刻まれてしまうと、実年齢よりも老けて見えることもあるでしょう。
頭が痛い・肩が凝る
眼瞼下垂が進むと、代償作用により頭痛や肩凝りなどの症状も出ます。代償作用とは、身体の機能が正常に働かなくなったとき、別の機能が補おうとする働きのことです。
眼瞼下垂になると、無意識のうちに眼瞼挙筋を強く動かしたり、額の筋肉である前頭筋を使ってまぶたを上げたりして、視野を広げようとします。その結果として目が疲れたり姿勢が悪くなったりして、頭痛や肩凝りなどの症状が出る仕組みです。
頭痛や肩凝りといった代償作用で引き起こされる症状は、眼瞼下垂の治療で改善に期待できます。
まぶたが下がって気になるときはクリニックで相談!
まぶたが下がる原因はさまざまです。眼瞼下垂は少しずつ進行していく病気で、症状が重くなると手術の難易度も高くなります。
まぶたが下がって気になるときは、一度クリニックで相談してみましょう。
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
・東京メトロ日比谷線・JR線 八丁堀駅より徒歩2分
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<慶應義塾大学病院認定の美容医療クリニック>
執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業、形成外科学会認定専門医
現在はJSKINクリニック代表医師、および慶應義塾大学医学部 形成外科 助教(慶應病院美容外来担当医)を務める。
所属:日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)、日本再生医療学会、日本レーザー医学会 
発表:日本形成外科学会学術集会(シンポジスト、口頭演者)、日本美容外科学会(JSAPS)(口頭演者)、韓国形成外科学会(口頭演者)
メディア:ホンマでっか!?TV(フジテレビ)、婦人画報デジタル、雑誌ゲーテ/GOETHE、MXテレビ、その他webメディアでの監修多数
 
				 
               
             
             
             
                                                                             
           
           
           
         
         
 
