眼瞼下垂のチェック方法を医師が解説
眼瞼下垂のチェック方法について医師が解説します。
眼瞼下垂が疑われるサイン
眼瞼下垂が疑われる主なサインには、以下のようなものがあります。
- 視野の狭窄:
上方の視野が狭くなり、特に運転中に信号が見えにくくなることがあります。 - まぶたの重さ:
まぶたが重く感じ、目を開けるのに自然と力が入ります。 - 眉毛の位置変化:
無意識のうちに眉毛を上げて視野を確保しようとするため、眉毛の位置が通常より高くなります。 - 額のしわ:
眉毛を上げる動作により、額に深いしわが形成されます。 - 顎の上げ:
視野を確保するために、無意識に顎を上げる姿勢をとるようになります。 - 二重幅の変化:
元々のの二重幅が広くなったり、逆にまぶたのたるみにより二重幅が狭くみえたりすることがあります。 - 目の上部のくぼみ:
まぶたの上部がくぼんで見えるようになります。 - 左右差:
片側だけ、または左右で程度の異なる眼瞼下垂が生じることがあります。 - 眠そうな印象:
まぶたが下がることで、常に眠そうな表情に見えると周囲から指摘されることがあります。 - 随伴症状:
頭痛、肩こり、めまい、ふらつきなどの二次的な症状が現れることがあります。
これらのサインが複数当てはまる場合、眼瞼下垂の可能性が高くなります。
特に、視野の狭窄や信号が見えにくいなどの症状は、安全面で重大な影響を及ぼす可能性があるため、医師の診断を受けることが重要です。
また、突然まぶたが下がった場合や、1日の中で症状に大きな変動がある場合は、脳梗塞や重症筋無力症などの他の疾患の可能性もあるため、注意が必要です。
生活に影響を及ぼす症状
眼瞼下垂は単なる美容上の問題ではなく、日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
視野の狭窄は、眼瞼下垂の最も顕著な症状の一つです。特に上方の視界が制限され、日常生活の様々な場面で支障をきたすこともあります。
例えば、運転中に信号が見えにくくなり、交通事故のリスクが高まる可能性があります。また、歩行中の転倒リスクも増加します。
眼精疲労も深刻な問題となります。眼瞼下垂の患者は、重く開きづらいまぶたを無理に上げようとして、眼瞼挙筋や前頭筋に持続的に力を入れるため、目や肩が疲れやすくなります。
この慢性的な疲労は、作業効率の低下や集中力の減退につながる可能性があります。
さらに、眼瞼下垂は外見にも影響を与えます。まぶたが瞳孔の大部分を覆うようになると、眠たそうな表情や目つきの悪さが目立つようになります。
これは、対人関係や仕事上のコミュニケーションに悪影響を及ぼす可能性があり、特に人と接する機会の多い職業の方にとっては大きなストレス要因となりかねません。
眼瞼下垂の症状に気づいたら、早期に医師の診察を受け、適切な治療を検討することが重要です。
眼瞼下垂の症状は自然に改善することはないため、早期対応が望ましいと言えます。
眼瞼下垂チェックするポイント
以下は眼瞼下垂のセルフチェックの具体的な方法です。
チェック項目一覧
- 瞼が黒目の上半分以上を覆っているか
- 額の筋肉を使って目を開けていないか
- 片目だけ症状が強く出ていないか
- 長時間作業後、目の開きが悪くなるか
鏡を使ったセルフチェック方法
鏡を正面に置き、左右の瞼の高さを比較する
鏡を正面に置き、自然な状態で目を開けて左右の瞼の高さを比較します。
正常な場合、上まぶたの縁は黒目の上端あたりにあるはずです。左右で明らかな差がある場合や、黒目が上まぶたに覆われている場合は眼瞼下垂の可能性があります。
スマホなどで写真を撮って確認することで、細かな変化を発見
スマートフォンなどで自分の目元を撮影し、画像で確認する方法が有効です。
写真を撮ることで、普段気づきにくい細かな変化や左右差を発見しやすくなります。
特に、フラッシュを使用して撮影すると、瞳孔と上まぶたの位置関係がより明確になります。撮影した画像で、瞳の中心から上まぶたまでの距離が3mm以下の場合、眼瞼下垂の疑いがあると考えられます。
眼瞼下垂だと思ったら
当院では、保険・自費ともにまぶたに関する手術治療をおこなっております。
慶應義塾大学所属の形成外科専門医が手術を担当します
まぶた(眼瞼)に関連する手術は、「形成外科」という診療科の専門領域になります。
眼瞼下垂の診断となる方については保険適応となり、美容目的の場合は自費治療の対象となります。
自費治療の場合は「美容外科」的な治療となりますが、この美容外科というのも、本来は形成外科として研鑽を積んだ医師のさらなる専門分野のひとつとして位置づけられています。
つまり保険適応の有無にかかわらず、まぶた(眼瞼)を扱う手術は形成外科的な技術やコンセプトが基礎となっているため、当院では形成外科専門医が手術を担当する方針としております。
また当院は慶應義塾大学病院・慶應義塾大学医学部形成外科に公認されている連携機関であり、同医局に現役で所属している医師で手術チーム体制をとっております。
手術前後のフォロー体制も大切にしています
先述の通り、それぞれの方のまぶたの状態を診察したうえで、適切な治療方針を立てることがまず重要になります。
特定の手術方法のみを費用をかけて宣伝広告したりモニター募集をしている場合、どうしても不必要にオーバーな手術を強いられたり、適応とは少しずれた治療を受けなければならない可能性もあり、注意が必要です。
当院では医師診察・カウンセリングの上で治療を受けられるかをよく検討いただき、治療適応がありかつ治療をご希望される場合は、別途手術日程の設定に進んでいただいております。(原則、カウンセリング当日の手術をおすすめすることはありません。)
また、術後は抜糸の処置が必要になります。(手術後およそ1週間後頃)改めてアフターケアの方法や、普段の生活でのお過ごし方についてご説明し、ご質問などあれば医師がおこたえします。
抜糸のタイミングではまた若干の腫れや内出血が落ち着ききっていないこともあり、その後1~2回程度定期健診におこしいただくことをおすすめしています。(ご都合に合わせて1、3、6か月後頃など)
万が一のトラブルの際にも、適切にフォローさせていただきます。
手術治療の適応判断を含め、総合的なご提案が可能です
当院では手術以外のさまその治療適応の判断や、それ以外の方法はないか、といった視点でご提案できる体制も重要であると考えています。
おでこのシワが気になる方にはボトックスによるシワ治療であったり、おでこやこめかみのこけ感をヒアルロン酸で補充してあげることで、まぶたが開けやすくなる効果もあります。
診察での総合的な観点で、ご自身にあった治療をご提案することが可能です。
JSKINクリニック東京銀座
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
東京メトロ日比谷線・JR線 八丁堀駅より徒歩2分
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執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤
慶應義塾大学医学部卒業。形成外科学会認定専門医。
在学中にシンガポール国立大学留学。卒業時に医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにて医療・IT分野で従事。初期臨床研修後、慶應義塾大学医学部 形成外科に入局。以降、慶應義塾大学病院及び関連病院にて勤務。2021年11月にJSKINクリニック東京銀座を設立。2024年6月に慶應義塾大学病院 美容外来を開始。
現在、JSKINクリニック代表医師、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教。
日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)正会員。形成外科・美容外科学会にて口演及び登壇多数。