お肌の再生医療
【真皮線維芽細胞・培養注射】

お肌の再生医療とは

自分の皮膚を米粒大のみ採取し、そこからコラーゲンの産生細胞である肌細胞(線維芽細胞)のみを抽出・大量培養します。培養した肌細胞(線維芽細胞)を専用施設で凍結保管し、治療ごとに必要分を取り出せるようにします。

およそ1年おきに、今の自分より若い自分の肌細胞(線維芽細胞)を直接肌に注射してお肌を若々しくメンテナンスしていきます。自分の細胞を利用して自分本来の肌のポテンシャルを引き出す、再生医療を用いた新しい肌治療です。

【真皮線維芽細胞】とは

このお肌の再生医療で中心となる細胞が、「線維芽細胞(fibroblast)」という細胞です。皮膚は大部分が「真皮」で構成されており、この真皮のおかげで、お肌に弾力・潤い・厚みが保たれます。

この真皮で中心的な役割を担うのが「線維芽細胞」です。というのも、コラーゲン・エラスチンといった真皮の主要成分を作り出しているのが、まさにこの線維芽細胞だからです。

加齢による線維芽細胞の変化

ハリと潤いのある肌に不可欠な線維芽細胞は、困ったことに加齢の影響を強く受けます。

  • の変化
    誰しも20歳を超えると肌の劣化が進行し、線維芽細胞の数も減少します。50代に入るとその数は半分以下に減っていくともいわれます。
  • の変化
    線維芽細胞の機能も加齢にともない低下し、炎症などに対する修復力も低下します。それだけでなく、炎症を引き起こす物質を生み出すことで、周りの細胞の老化も進めてしまう
    いわれています。

今の自分よりも若かった時点での、質の良い自分の細胞を使って、線維芽細胞の数自体をも増やすことができるのは、お肌の再生医療だけです。

従来の美容医療との違い

端的に言えば、以下のように表現できるでしょう。

  • 線維芽細胞の働きを一時的に活性化し、それをこまめにメンテナンスするのが美容医療
  • 良質な線維芽細胞の数自体を増やして、毎年積み重ねていくのがお肌の再生医療

これは特徴の違いであり、どちらかの優劣を示すわけではありません。状態や理想など、それぞれの方にとってのベストな方法があると考えています。

また、治療を提供する医療機関の視点でも違いがあります。

  • 国内未承認の機器や薬剤でも、医師の裁量で提供できるのが美容医療
  • 再生医療の法律に基づき委員会から認定された施設のみで提供できるのが再生医療

近年は「直美問題」として知られるように、美容医療を提供するクリニックが急増し、それにともない経験・知識(・倫理観)の乏しい医師もまた急増しているといわれています。

一方、再生医療はを提供するにふさわしい医療機関であるためには、例えば以下のような要件を満たす必要があります。

  • 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に準じている
  • 厚生労働省・再生医療委員会に再生医療等提供計画書を提出、受理されている
  • 再生医療に関する十分な知見、臨床経験を持つ医師がいる
  • 厳格な基準を満たす細胞培養加工施設(CPC)を持つ

当院ではそのような厳格な基準をクリアしたうえで、再生医療・美容医療を提供しております。

対象部位

特に加齢による変化が起こりやすい顔・首全般が治療対象になります。

対象部位: 頬、ほうれい線、マリオネットライン、額、上下まぶた、目尻など顔全般、首
(※対象外: 唇、有毛部)

部位や範囲により、注入する細胞数が変わるため、医師カウンセリング時に事前に計画を立てます。

施術の流れ

STEP
事前ヒアリング

師カウンセリングがより有意義な時間になるよう、スタッフから事前のヒアリングをさせていただきます。

  • お肌の再生医療に興味を持っていただいたきっかけ
  • お肌に関するお悩みや理想
  • これまでやってきたお肌のケア・治療
  • 医師に特に相談・質問したいこと

お肌の状態だけでなく、きっかけや理想、ご不安も一人ひとり異なるものです。ご来院いただく方の想いを理解させていただくことが、より診療の第一歩と考えております。

STEP
医師カウンセリング

事前のヒアリング内容を踏まえ、改めて医師による診察・カウンセリングをおこないます。

  • お肌の再生医療についての医学的解説
  • 状態や理想に合わせた、適応となる治療(再生医療・美容医療全般)
  • 考えられるメリット・デメリット
  • ご不明点やご質問に対するお答え

より良い診療のためには、施術を受けていただく方のご理解・ご協力が不可欠になります。

そのため医師から適切・公正な情報提供をおこない、施術を受けるかについて十分に検討いただくためのサポートが大切であると考えています。

※その場での意思決定を促したり、当日限定の販促をおこなうことはございません。

STEP
皮膚採取

耳の裏にある、皮膚が柔らかく伸びる部分から米粒大のサイズで皮膚を採取します。

事前に局所麻酔を行うため、採取時に痛みはありません。採取は10分ほどで完了します。

この部分から皮膚を採取するメリットは以下です。

  • 紫外線や摩擦などの肌ダメージを受けにくく、他部分より良質に保たれている
  • 採取後の傷あとがきれいに治りやすい
  • 耳の裏に隠れる部分なのでほとんど目立たない
STEP
抽出・培養

採取した切片から、線維芽細胞のみを抽出し、培養をおこないます。
培養は厚生労働省及び再生医療委員会により認可された、細胞加工施設(CPC)にて徹底した管理のもとおこなわれます。
結果として、培養・保管される線維芽細胞は数億~数十億個もの数になります。(培養にはおよそ4~8週間程度かかります)

STEP
施術実施

施術にあたっては、まず施術予定部位にクリーム麻酔を塗布し、およそ30分程度浸潤させることで麻酔を効かせます。

麻酔の後、培養した線維芽細胞を皮膚真皮に細かく注入していきます。注入にあたっては医師が直接、専用機器または手打ちで行っていきます。

施術はおよそ15~20分程度で完了します。

STEP
保管

培養した線維芽細胞は、厚生労働省に認可された専用施設において長期の凍結保管が可能です。

そのため、一度採取した自分の線維芽細胞を、1年後、2年後と未来の肌メンテナンスのために活用することができます。

JSKINの特徴

医師中心の再生医療体制

当院では、カウンセリング・皮膚採取・培養指示・施術・経過フォローの全てにおいて、代表の牧野医師が中心の役割を担います。同医師がCPC(細胞培養施設)やJSKINクリニックのスタッフに適切な指示を出し、一貫したチームとして最大限の効果と安全性の両立を図っています。

形成外科クリニックとしての強み

お肌の再生医療(真皮線維芽細胞・培養注射)は、形成外科をルーツとした再生医療のひとつといえます。
形成外科の主要テーマである「創傷治癒(きずが治るメカニズム)」において、線維芽細胞は中心的役割を果たしており、創傷治癒に関する臨床経験を豊富にもつ形成外科専門医ならではの治療計画をおこないます。

美容皮膚科クリニックとしての強み

お肌の再生医療(真皮線維芽細胞・培養注射)は、抗加齢を目的とした肌メンテナンスとしては根本治療として位置づけられています。
この線維芽細胞の培養注射で線維芽細胞の質と量を向上させるだけでなく、定期的に美容皮膚施術を併用していくことで、線維芽細胞をより活性化させることも可能です。
多岐にわたる美容皮膚施術を取り扱う当院だからこそ、再生医療と美容医療の良いとこどりの肌メンテナンスが可能です。

施術詳細

皮膚の採取

目的皮膚から線維芽細胞を抽出し、培養に用います
内容耳の裏にある、皮膚が柔らかく伸びる部分から米粒大のサイズで皮膚を採取します。創部は専用テープまたは縫合糸により閉鎖します。
所要時間10分ほど
リスク・副作用一過性の軽度内出血(数日~1週間程度)、きずあとの赤み(数週間~1か月程度)など

※皮膚の採取時に合わせて、自己血清を培養に用いるために採血をおこないます。(60~80cc程度)

培養注射の施術

目的加齢などによる真皮の萎縮変化を改善します
内容事前に培養した線維芽細胞を、目的とする治療部位の真皮に直接細かく注入します
所要時間20分ほど(施術の前にクリーム麻酔が30分ほどかかります)
リスク・副作用一過性の軽度赤み、内出血、むくみ(数日~1週間程度)など

料金

カウンセリング5,500円
※医師診察料+牧野医師指名料
血液検査血液検査 16,500円
※検査項目:HBV、 HCV、TP、 HIV、 HTLV-1
採取・培養330,000円~(1年間の細胞保管料込み)
※2億細胞(20cc)から
※培養細胞数によって料金が異なります
施術297,000円~(麻酔料・関連物品費込み)
※1回あたり2000万細胞(2cc)から
※移植細胞数によって料金が異なります