眼瞼下垂を放置するとどうなる?治療を検討するタイミングも紹介
眼瞼下垂を放置するとどうなるのでしょうか。まぶたが下がっていることに気づき、治療を受けるかお悩みのかたもいらっしゃいますよね。
眼瞼下垂は進行する病気で、治療が必要です。
本記事では、眼瞼下垂を放置していると起こる症状や予防方法などについて紹介します。治療を検討するタイミングについても紹介しますので、ぜひご覧ください。
眼瞼下垂を放置するとどうなる?

眼瞼下垂は少しずつ進行していく病気です。治療を受けずに放置すると、やがて次のような症状が出ます。
- まぶたが重くなる
- 視野が狭くなる
- 二重以外にも線ができ三重になる
- 目が疲れる
- 額にシワが寄る
- 頭痛や肩凝りが起こる
眼瞼下垂で引き起こされる代表的な症状について解説します。
まぶたが重くなる
初期の眼瞼下垂はまぶたが少し黒目に被さる程度で、自分では気づかないことも多いでしょう。症状が進むと、まぶたが垂れ下がって重く感じられるようになります。
視野が狭くなる
眼瞼下垂を放置してまぶたが下がってくると、視野が狭くなります。視野が狭くなると日常生活に支障が出るため、注意しなくてはなりません。運転中は、高い場所にある信号が見えにくくなるでしょう。歩行中は足元が見えにくく、つまづいたり転んだりするおそれがあります。
二重以外にも線ができ三重になる
眼瞼下垂の症状が進むと、以下のような見た目の変化も現れます。
- 一重が二重になる
- 二重が三重になる
- 二重幅が広がる
- 眠そうに見える
眼瞼下垂で二重や三重になるのは、まぶたを引き上げる筋力が弱くなり、皮膚が折れ曲がってしまうためです。また、まぶたの皮膚が黒目を覆うため、眠そうに見えることもあります。
目が疲れる
目の疲れも、眼瞼下垂を放置すると起こりやすい症状のひとつです。眼瞼下垂を発症すると、無意識のうちに額の筋肉でまぶたを上げようとします。額の筋肉を過剰に使うことで、目の疲れが引き起こされるという仕組みです。また、まぶたを十分に閉じられないと目が乾燥しやすくなり、疲れにつながります。
目の疲れはストレスや集中力の低下などにつながるため、注意しなくてはなりません。
眉毛が上がり額にシワが寄る
眼瞼下垂を放置すると、眉毛が上がって額にシワが寄ります。シワが寄るのは、視野が狭くなると無意識のうちに眉毛を上げ、額の筋肉である前頭筋でまぶたを上げようとするためです。眼瞼下垂が進行すると、額のシワが定着し、さらに深くなっていきます。
頭痛や肩凝りが起こる
頭痛や肩凝りも、眼瞼下垂を放置していると起こる症状です。眼瞼下垂になると、無意識に前頭筋でまぶたを持ち上げるようになります。過剰に前頭筋が働くため、額・首・肩の筋肉が緊張して、肩凝りや頭痛を引き起こすという仕組みです。
また、狭い視野を広げようと目を見開くことで眼精疲労が起こり、頭痛が悪化することもあります。
眼瞼下垂の予防方法

眼瞼下垂は、おもに加齢で引き起こされる病気です。ただし、生活習慣の影響により、若くても眼瞼下垂になる可能性があります。予防には、以下の方法が効果的です。
- まぶたへの刺激を避ける
- 乾燥を防ぐ
- コンタクトレンズの使用頻度を減らす
- パソコンやスマートフォンの使いすぎに注意する
4つの予防方法についても、それぞれ解説します。
まぶたへの刺激を避ける
眼瞼下垂を予防するために、まぶたへの刺激は極力避けるよう心がけましょう。
- クレンジングや洗顔では目元を強く擦らない
- 過度なアイメイクを避ける
- 二重のり・二重テープの使用を控える
- 力を入れて目元のマッサージをしない
クレンジング・洗顔後に水気を拭き取るときも、ごしごしと力を入れて擦るのはNGです。二重のりや二重テープは、皮膚のかぶれを引き起こすことがあるため、なるべく使用を控えましょう。花粉症やアレルギーでかゆみがあるときは、目薬の活用をおすすめします。
乾燥を防ぐ
眼瞼下垂の予防には、乾燥を防ぐことも大切です。肌が乾燥すると角質肥厚が起こり、眼瞼下垂を起こしやすくなってしまいます。洗顔後はなるべく早めに化粧水や乳液などで保湿を行い、肌の乾燥を防ぎましょう。乾燥を防ぐためには、紫外線対策も大切です。日焼け止めや帽子、サングラスなどを活用して、紫外線対策を行ってください。
コンタクトレンズの使用を減らす
眼瞼下垂の予防には、コンタクトレンズの使用を減らす方法もおすすめです。コンタクトレンズを着用した状態でまばたきを繰り返すと、挙筋腱膜やミュラー筋が徐々に伸びてしまいます。毎日コンタクトレンズを使っているかたは、着用時間や使用頻度を減らしましょう。特に、ハードコンタクトレンズを使用していると、眼瞼下垂のリスクが高くなるといわれています。
眼鏡を着用する・ハードコンタクトレンズをソフトコンタクトレンズに変えるなどの方法がおすすめです。
パソコンやスマートフォンの使いすぎに注意する
まぶたへの負担を軽減するためには、パソコンやスマートフォンの使いすぎにも注意しなくてはなりません。目を酷使すると、VDT症候群を引き起こすおそれがあります。
VDT症候群とは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間使用することで起こる、さまざまな不調の総称です。おもな症状には、目の疲れ・痛み・充血・乾燥などがあり、眼瞼挙筋にも悪影響を及ぼします。
パソコンやスマートフォンを使用する際は、適度に休憩を挟み、目を休めましょう。
眼瞼下垂は自然に治る?

残念ながら、眼瞼下垂は自然には治りません。また、眼瞼下垂は自力で治すことができない病気です。
眼瞼下垂を改善する方法として、目元のマッサージや筋肉を鍛えるトレーニングなどを紹介しているサイトもあります。しかし、まぶたのマッサージや筋肉を鍛えるトレーニングでは、瞼板から離れた腱膜をもとに戻すことはできません。
改善が難しいだけでなく、かえって悪化するおそれがあるため、マッサージやトレーニングは避けたほうがよいでしょう。
眼瞼下垂の治療を検討するタイミング
眼瞼下垂を根本的に改善するには、クリニックでの手術が必要です。初期のうちは手術方法を選ぶこともできますが、重症化すると治療が難しくなってしまいます。
次のような状態になったら、眼瞼下垂の治療を検討するタイミングです。
- 視野が狭くなった
- 頭痛や肩凝りなどがある
- まぶたのたるみが左右で異なる
最初のうちは問題がなくても、放置するといずれは症状が進行します。悪化する前に、一度クリニックで相談してみましょう。
眼瞼下垂に関するよくある質問

眼瞼下垂に関するよくある質問と答えを紹介します。治療の検討材料として、ぜひご覧ください。
眼瞼下垂手術は保険適用できる?
眼瞼下垂で日常生活に支障が出ているのなら、保険適用での手術が可能です。保険適用での手術でも、仕上がりは考慮してもらえます。ただし、好みの二重幅にすることはできません。見た目にこだわりたいかたには、自由診療での手術がおすすめです。
初期の眼瞼下垂でも手術が必要ですか?
ごく初期の眼瞼下垂は、手術をせず様子を見てもよいでしょう。ただし、初期の段階かを知るためには、医師による診察が必要です。眼瞼下垂の可能性がある場合は、一度クリニックで相談してみましょう。
眼瞼下垂手術後に痛みや腫れはありますか?
麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術後は痛みが出るものの、鎮痛剤でコントロールできます。痛みは数日で落ち着くことがほとんどです。
一般的に、腫れは術後2〜3日がピークで、4〜5日目から引き始めます。
眼瞼下垂は放置せず治療を検討しましょう
眼瞼下垂は進行していく病気で、治療には手術が必要です。視野が狭くなってしまうと、日常生活にも支障が出てしまうでしょう。眼瞼下垂によって、頭痛や肩凝りなどの症状に悩まされるかたもいます。そこで、まぶたが下がってきたら、早めの受診がおすすめです。
クリニックを受診して、治療について相談してみてくださいね。
JSKINクリニック東京銀座
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<慶應義塾大学病院認定の美容医療クリニック>
執筆者
JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業、形成外科学会認定専門医
現在はJSKINクリニック代表医師、および慶應義塾大学医学部 形成外科 助教(慶應病院美容外来担当医)を務める。
所属:日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)、日本再生医療学会、日本レーザー医学会
発表:日本形成外科学会学術集会(シンポジスト、口頭演者)、日本美容外科学会(JSAPS)(口頭演者)、韓国形成外科学会(口頭演者)
メディア:ホンマでっか!?TV(フジテレビ)、婦人画報デジタル、雑誌ゲーテ/GOETHE、MXテレビ、その他webメディアでの監修多数

