眉下切開

50代女性/眉下切開(上まぶたの皮膚切除 左右とも8mm)

術前50代女性 眉下切開 術前 正面・開瞼(両目・目もと)
術後3ヶ月半50代女性 眉下切開 術後3ヶ月半 正面・開瞼(両目・目もと)
この症例のまとめ
施術眉下切開(上まぶたの皮膚切除 左右とも8mm・両側/厚み取りは併施なし)
麻酔局所麻酔(日帰り手術)
費用自費診療(金額は「06 費用とリスク」に記載)/モニター制度があります
ダウンタイム腫れ・内出血 1〜2週間程度/傷の赤みは数ヶ月かけて落ち着きます
通院抜糸(術後1週間)、経過診察(術後3週間・3ヶ月半)

01ご相談内容

ご相談はまぶたのたるみで、内容は次のようなものでした。

  • 皮膚のかぶさりが強くなって、目が小さく見えてきた
  • そのせいで疲れて見える、老けて見える
  • おでこに力が入ってしまう
  • 肩こりや頭の重さを感じやすい

見た目の悩みと、体の症状の両方がありました。

02診断・見立て

診察では、上まぶたの皮膚のかぶさりが強い状態でした。それに加えて、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の機能にもわずかな低下があり、目の開きに若干の左右差もありました。

眼瞼下垂手術という選択肢もありました

挙筋の機能が落ちているのであれば、挙筋を前転する眼瞼下垂手術が本来の適応です。開きは確実に大きくなりますし、左右差も揃えられます。

ただしそれは目の開き方そのものを変える手術です。この方には「元々の顔の印象は大きく変えたくない」というご希望が前提としてありました。わずかな低下に対して挙筋まで触れば、狙い以上に目もとの印象が変わってしまいます。

診察の結果、開けにくさの大部分は、挙筋ではなく皮膚のかぶさりから来ていると判断しました。かぶさっている分を外せば、開けにくさもおでこの力みも大きく軽くなります。そこで挙筋には手を入れず、眉下切開を選びました。

たるみの手術は「できる最大の変化」を選ぶものではありません。その方が何を望んでいるかによって、どこまでやるかが変わります。この症例では、ナチュラルな範囲の変化にとどめること自体が目的でした。

03施術内容

  • 術式 眉下切開(上まぶたの皮膚切除 左右とも8mm・両側/厚み取りは併施なし)
  • 麻酔 局所麻酔(日帰り手術)

切除幅は左右とも8mmとしました。印象を変えないことが目的なので、かぶさっている分だけを外し、それ以上は取らない設計です。

切開線は眉毛の下に置きますが、眉毛の下縁がほんの少し眉毛の中に入り込む位置に設定します。ここが眉下切開でいちばん大事なところです。眉毛から離して下に引いてしまうと、傷と眉毛の間に隙間が空き、そのぶん傷が目立ちやすくなります。わずかに毛の生えている範囲へ食い込ませることで、生えてくる毛が傷に重なって隠れます。

厚み取り(眼輪筋・ROOF の切除)は行っていません。まぶたの中の脂肪や筋肉は取らず、かぶさっている皮膚だけを切除しています。組織まで取れば変化は大きくなりますが、目もとの雰囲気そのものが変わります。「印象を変えたくない」というご希望に対しては、取らない判断のほうが答えになります。

50代女性 眉下切開 術前 閉瞼(上まぶたに余った皮膚)

術前の目を閉じた状態です。上まぶたに皮膚が余り、眉の下でたるんでいるのが分かります。眉下切開で取るのは、この余った分です。

04経過・ダウンタイム

各時点で、開けたところ(左)と閉じたところ(右)を並べています。傷そのものは、目を閉じた写真で見えます。

術前
50代女性 眉下切開 術前 開瞼
50代女性 眉下切開 術前 閉瞼

皮膚のかぶさりで目が細く見え、眉が上がった位置にあります。閉じた写真では、上まぶたに皮膚が余っているのが分かります。

術後1週間(抜糸時)
50代女性 眉下切開 術後1週間 開瞼(内出血が黄色く抜けかけた状態)
50代女性 眉下切開 術後1週間 閉瞼(眉下の縫合線)

ダウンタイムがいちばん出ている時期です。まぶたに内出血が黄色く抜けかけた状態で残っています。内出血は紫から黄色へ変わりながら吸収されていくので、この黄色は治っていく途中の色です。出方には左右差が出ることもあります。抜糸はこの日に行いました。

術後3週間
50代女性 眉下切開 術後3週間 開瞼
50代女性 眉下切開 術後3週間 閉瞼

内出血は消えました。かぶさりが取れて目の開きが広がり、眉の位置も下がっています。傷の赤みはこの時期から1ヶ月ごろにかけてがピークです。

術後3ヶ月半
50代女性 眉下切開 術後3ヶ月半 開瞼
50代女性 眉下切開 術後3ヶ月半 閉瞼

傷の赤みが引き、閉じた写真でも傷はかなり目立たなくなりました。眉下切開の傷は、おおむね3ヶ月から半年ほどかけてかなり目立ちにくくなります。ここが終点ではありません。傷はこの先も時間をかけて周りの皮膚に馴染み、さらに目立たなくなっていきます。

05結果・ポイント

この症例の要点は、眼瞼下垂手術という選択肢がありながら、あえて眉下切開にとどめたことです。挙筋の機能にわずかな低下があり、左右差もありました。数字だけを見れば挙筋を触る理由はあります。

それでも皮膚だけにしたのは、ご希望が「印象を変えないこと」だったからです。開けにくさの大部分が皮膚のかぶさりから来ている以上、そこを外せば目的は達せられます。挙筋まで触れば確かに開きは大きくなりますが、望まれていない変化まで一緒についてきます。

たるみの手術は、できる最大の変化を選ぶものではありません。「どこまでやらないか」を決めるのも設計のうちだと考えています。

術前と術後で眉の位置が下がっているのも見ていただきたい点です。かぶさりがある間は眉を上げて視野を補っていました。皮膚を外すとその必要がなくなり、眉は自然な高さに戻ります。「おでこに力が入る」「肩こりや頭が重い」という症状は、ここから来ています。

この方は、2ヶ月半前に下まぶたの手術も受けています

実はこの方は、眉下切開の約2ヶ月半前に、下まぶたの経結膜脱脂(切らないクマ取り)を受けています。下まぶたのふくらみを先に整えたうえで、あらためて上まぶたのかぶさりに対処したという順番です。

50代女性 経結膜脱脂を受ける前の状態(眉下切開の約2ヶ月半前)

こちらはその脱脂を受ける前、つまり一連の治療を始める前の状態です。下まぶたのふくらみと影があり、上まぶたのかぶさりも強く出ています。このページの「術前」は、脱脂が済んで下まぶたが落ち着いたあとの状態です。上下は別の手術なので、それぞれの効果が混ざらないよう分けて見ていただくためです。

目もとは上と下の両方で印象が決まります。どちらか一方だけを気にして来られる方が多いのですが、診察では必ず両方を見て、順番と優先度をご相談します。

06費用とリスク

費用

自費診療です。この症例は265,000円(眉下切開リフト)。厚み取りオプション(眼輪筋・ROOF切除/+33,000円)は併施していません。別途、診察料と処方薬代がかかります。

※別途モニター料金がございます。
※下まぶたの経結膜脱脂は別の日に行った別の施術で、費用も別途かかります。

主なリスク・副作用

内出血・腫れ(1〜2週間程度)、傷の赤み(数ヶ月かけて目立たなくなります)、左右差、眉の位置や形の変化、傷あとの盛り上がり、まぶたの閉じにくさ、傷の周りの知覚の鈍さ(数ヶ月で戻ります)、感染など。
牧野 潤 医師(形成外科専門医)
牧野 潤
JSKINクリニック東京銀座 代表医師/慶應義塾大学病院 形成外科(美容)特任助教
日本形成外科学会認定 形成外科専門医/日本美容外科学会(JSAPS) 正会員