若々しい肌を維持する役割を持つ細胞が「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」です。加齢や紫外線によるダメージなどで線維芽細胞は減少し、肌のハリや弾力が失われます。

それでは、線維芽細胞は増やすことができるのでしょうか。日常的なケアで増やしたいとお考えのかたもいらっしゃいますよね。

本記事では、肌にとって重要な線維芽細胞を増やす方法について紹介します。線維芽細胞の減少を防ぐ方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。

線維芽細胞が生み出す3つの成分

線維芽細胞は、若々しい肌に欠かせない、3つの成分を生み出す細胞です。

  • コラーゲン
  • エラスチン
  • ヒアルロン酸

線維芽細胞は年齢を重ねると次第に減少していきます。その結果、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸なども減ってしまうのです。

3つの成分が持つ役割をかんたんに紹介します。

コラーゲン

真皮のうち70パーセントを占めるのが、たんぱく質の一種であるコラーゲンです。コラーゲンは、肌にハリや弾力を与えます。また、目・髪などの健康維持にも欠かせない成分です。

エラスチン

エラスチンもたんぱく質の一種です。ゴムのような伸縮性があり、コラーゲンに絡みついてまとめる役割を持っています。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸はムコ多糖の一種で、水分を保つ役割を持つ成分です。肌の乾燥を防ぎ、うるおいやハリを与えます。

線維芽細胞を増やす方法

線維芽細胞は、クリニックでの医学的なアプローチによってその機能を高めることが可能です。大きくわけると次の2種類があります。

  • 線維芽細胞移植を受ける(再生医療)
  • ニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受ける(美容医療)

2つの方法について、それぞれ解説します。

線維芽細胞移植を受ける(再生医療)

線維芽細胞を増やす効果的な方法が「線維芽細胞移植」です。線維芽細胞移植では、耳の後ろの皮膚などから線維芽細胞を採取して培養し、増殖・活性化して気になる部分に移植します。

移植に使うのは自分自身の細胞です。そのため、拒絶反応が起こりにくく、安全性の高い施術となっています。

採取した線維芽細胞は冷凍保管しておくことも可能です。移植された線維芽細胞は、再びコラーゲンやエラスチンなどを生成するため、たるみやシワなどの改善に効果が期待できます。

注射とは違い、線維芽細胞移植は長期的に効果が続く方法です。ただし、個人差はあるものの、効果を実感するまでには時間がかかります。

根本的に肌の悩みを解決したいかたは、線維芽細胞移植を方法のひとつとして検討してみましょう。

ニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受ける

美容クリニックでニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受け、線維芽細胞を刺激して活性化する方法もあります。

傷ついた肌を治すことも、線維芽細胞が持つ重要な働きのひとつです。肌が傷つくと、線維芽細胞が活発に代謝をして傷を治そうとします。この仕組みが「創傷治癒」です。美容クリニックでは、創傷治癒のメカニズムを使ったさまざまな施術を行っています。

ニードルRFは針による物理的な刺激と高周波で線維芽細胞を活性化させる施術です。フォトフェイシャルや医療ハイフは、熱ダメージを使って線維芽細胞を刺激します。

短期間で効果を得たいかたは、ニードルRFやフォトフェイシャルなどの美容医療施術を検討してみるのもよいでしょう。

線維芽細胞の減少を防ぐ方法

線維芽細胞は日々のケアで「減らさないようにすること」も大切です。生活習慣やスキンケアの見直しで、線維芽細胞の減少を防ぎましょう。線維芽細胞の減少を防ぐには、次のような方法があります。

  • 紫外線対策をする
  • ストレスを解消する
  • 禁煙する
  • 栄養バランスのよい食事をとる
  • 質のよい睡眠をとる
  • 肌の保湿をする

6つの方法をそれぞれ紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみましょう。

紫外線対策をする

線維芽細胞を減らさないよう、季節や天候にかかわらず、紫外線対策を徹底しましょう。

肌の老化を進行させる大きな原因のひとつが紫外線です。紫外線は、真皮にある線維芽細胞に大きなダメージを与えます。

紫外線対策には、日焼け止め・日傘・帽子などの活用がおすすめです。また、紫外線は窓ガラスを通り抜けて室内にも届きます。室内での紫外線対策には、UVカットのカーテンや窓ガラスフィルムなどが便利です。

ストレスを解消する

線維芽細胞の減少を防ぐには、ストレスを解消することも大切です。

ストレスを感じると「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは線維芽細胞の働きを抑制する働きのあるホルモンです。強いストレスでコルチゾールが大量に分泌されると、コラーゲンやエラスチンなどの生成量が減少してしまいます。

とはいえ、ストレスをなくすのは難しいものです。ストレスを感じたら、なるべく早めに解消するよう意識してみましょう。

禁煙する

線維芽細胞の減少を防ぐなら、禁煙もおすすめの方法です。

喫煙すると活性酸素が発生して、線維芽細胞の働きが弱くなります。また、喫煙は肌のターンオーバーの乱れを引き起こす原因のひとつです。ターンオーバーが乱れると、肌の乾燥やシワなどが目立ちやすくなってしまいます。

喫煙の習慣があるかたは、ぜひ禁煙を検討してみましょう。すぐ禁煙するのが難しい場合も、節煙を心がけてみてください。

栄養バランスのよい食事をとる

線維芽細胞を減らさないようにするためには、栄養バランスのよい食事をとることも大切です。細胞を活性化させるためには、栄養バランスのよい食事が欠かせません。また、酸化と糖化は肌の老化につながります。

毎日の食事では、栄養のバランスを意識してみましょう。

質のよい睡眠をとる

肌のターンオーバーを促すためにも、質のよい睡眠をとりましょう。十分な睡眠は、正常な基礎代謝につながります。

睡眠は時間の長さだけでなく、「質」が大切です。毎日長時間眠っているとしても、「眠りが浅い」「疲れがとれない」と感じるのなら、睡眠の質に問題があるのかもしれません。

睡眠の質を高めるには、次のような方法があります。

  • ぬるめのお風呂に入ってリラックスする
  • 就寝3時間前に食事を済ませる
  • 寝室の温度や湿度を整える
  • 適度な運動をする

睡眠の質を高められるよう、ぜひ上記の方法を取り入れてみましょう。

肌の保湿をする

線維芽細胞の減少を防ぐには、肌の保湿をすることも大切です。肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下して、線維芽細胞を維持できなくなってしまいます。

入浴や洗顔のあとは化粧水・乳液・クリームなどを使い、忘れずに保湿を行いましょう。

クリニック選びのポイント

線維芽細胞に関する治療を受ける際は、以下の点を確認してクリニックを選びましょう。

  • 複数のクリニックでカウンセリングを受ける
  • 医師の専門性と実績を確認する
  • 施術のリスクや副作用について十分な説明を受ける
  • アフターケア体制が整っているか確認する
  • 費用だけでなく治療の質を重視する

線維芽細胞は医学的アプローチで増やせる!

肌にハリや弾力を与える成分を作り出す線維芽細胞は、加齢や肌へのダメージによって減っていきます。線維芽細胞を増やす方法が、美容クリニックでの線維芽細胞移植です。また、美容クリニックの施術で線維芽細胞を刺激して活性化する方法もあります。

肌の悩みを解消したいとお考えのかたは、線維芽細胞を増やす方法が効果的です。悩みを解消する方法のひとつとして、線維芽細胞移植を検討してみてはいかがでしょうか。

JSKINクリニック東京銀座

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<慶應義塾大学病院認定の美容医療クリニック>

執筆者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業、形成外科学会認定専門医
現在はJSKINクリニック代表医師、および慶應義塾大学医学部 形成外科 助教(慶應病院美容外来担当医)を務める。
所属:日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)、日本再生医療学会、日本レーザー医学会 

発表:日本形成外科学会学術集会(シンポジスト、口頭演者)、日本美容外科学会(JSAPS)(口頭演者)、韓国形成外科学会(口頭演者)
メディアホンマでっか!?TV(フジテレビ)、婦人画報デジタル、雑誌ゲーテ/GOETHE、MXテレビ、その他webメディアでの監修多数

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