取った方がいいほくろの位置|悪性黒色腫(メラノーマ)の特徴も紹介

取った方がいいほくろの位置や大きさはあるのでしょうか。急にほくろができていることに気づき、危険がないのか気にしているかたもいらっしゃいますよね。「皮膚がんかもしれない」と不安になっているかたも多いでしょう。

そこで本記事では、取った方がいいほくろの位置や、ほくろのがんである「悪性黒色腫(メラノーマ)」の特徴などを紹介します。

ほくろ除去を検討する材料のひとつとして、ぜひ記事の内容をご確認ください。

目次

ほくろとは?

ほくろとは、色素細胞が増えて起こる良性腫瘍のことです。

医学的には「黒子」や「色素性母斑」といった名称で呼ばれています。

大抵のほくろは5mm未満で、茶褐色・黒色などの濃い色です。生まれつきのほくろもあれば、あとから出現するほくろもあります。どちらの場合も、一度できたほくろは自然には消えません。

取った方がいいほくろの位置 

取った方がいいほくろの位置は、首や顔などの目立つ場所です。また、洗顔や髭剃りなどで引っかかるようなほくろも、除去を検討してもよいでしょう。

見た目が理由となるほくろの除去は保険適用外です。しかし、日常生活に支障が出るほくろや悪性のほくろを手術で除去する際には、保険が適用されます。

ただし、ほくろは誰にでもある一般的なできものです。皮膚がんが疑われる場合を除き、気にならないなら無理に除去する必要はありません。

様子が変化したら皮膚科の受診が必要 

ほくろは、明らかに様子が大きく変化したら皮膚科を受診する必要があります。なぜなら、皮膚がんの可能性が否定できないためです。

内臓のがんとは違い、皮膚がんは自分でも早い段階で見つけられる可能性があります。早期治療のためにも、どのような変化に注意するべきか知っておきましょう。

代表的な病気が悪性黒色腫(メラノーマ)・有棘細胞癌・基底細胞癌・乳房外パジェット病などです。皮膚がんの場合、次のような変化が見られます。

  • 非対称な形や、いびつな形をしている
  • 境界があいまいで色素がにじんでいるようにみえる
  • 色がまだらに変化している
  • 急激に大きくなったり盛り上がったりしている
  • かさぶたができたり浸出液が出たりする

ただし、良性のほくろでも、上記のような特徴が一部出る場合もあるでしょう。何らかの変化があったからといって、必ずしも皮膚がんだとは限りません。

外見だけでは見わけるのが困難であるため、最終的な診断には病理検査が必要です。

悪性黒色腫(メラノーマ)とは?

特に注意しておきたい、悪性黒色腫(メラノーマ)についてくわしく紹介します。

悪性黒色腫とは、「ほくろのがん」とも呼ばれている皮膚がんの一種です。1年で10万人に2人ほどの割合で発症し、どちらかといえば女性の割合が高い傾向にあります。

非常に転移しやすいという特徴があるため、悪性黒色腫の疑いがあるほくろを見つけたら早めに皮膚科を受診しましょう。

特徴や原因、できやすい場所などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

悪性黒色腫(メラノーマ)の特徴

悪性黒色腫は、メラノサイトが悪性化してできる皮膚がんの一種です。悪性度が高く進行も早いため、悪性黒色腫には気をつけなくてはなりません。

悪性黒色腫が持つ特徴は次のようなものです。

  • 左右非対称である
  • 輪郭がぼやけている
  • 色に濃淡がある
  • 大きい(6ミリ以上である)

特に、ほくろが短期間で急に大きくなっている場合は注意が必要です。該当するほくろがある場合は、念のため皮膚科を受診してください。

悪性黒色腫(メラノーマ)ができやすい場所

悪性黒色腫の発症部位で日本人に多いのが「足の裏」です。約30パーセントが足の裏に発症しています。

ほかに多いのが、次のような部位です。

  • 手足の爪
  • 体幹

また、数パーセントの割合で粘膜に発症する場合もあります。

悪性黒色腫(メラノーマ)の原因

悪性黒色腫には次のような原因があると考えられています。

  • 紫外線
  • 摩擦
  • 外傷
  • 加齢
  • 遺伝

特に大きな原因となるのが、肌に影響する紫外線・摩擦・外傷です。また、近年日本で悪性黒色腫による死者数が増えているのは、高齢化が原因だと考えられています。

悪性黒色腫(メラノーマ)の治療法

悪性黒色腫の治療は、切除手術が基本です。転移がなければ、腫瘍と周辺の皮膚を切除します。リンパ節・内臓・脳・骨などに転移が見られると、切除以外の治療も必要になってくるでしょう。

良性のほくろの除去方法

顔や首などにできたほくろに悩んでいるかたも多いでしょう。外見に影響するなら、気になるのも無理はありません。ほくろで悩んでいるのなら、皮膚科や美容皮膚科で除去する方法があります。

傷跡が残ったり皮膚がんの発見が遅れたりするおそれがあるため、ほくろを自分で取ろうとするのはやめましょう。

代表的なほくろの除去方法は次の3つです。

  • 切開法
  • 電気メスによるくり抜き
  • 炭酸ガスレーザー治療

3つの方法について、それぞれ解説します。

切開法 

ほくろをメスで切り取り、周辺の皮膚を引き寄せて縫合するのが「切開法」です。切開法なら、ほくろをすべて取り除けるため再発しにくいでしょう。

次のようなほくろでは、切開法が適している可能性があります。

  • 悪性か調べる必要があるほくろ
  • 大きなほくろ

ただし、切開法では、傷跡が目立たなくなるまで時間がかかるでしょう。

電気メスによるくり抜き法 

電気メスで円形にほくろをくり抜くのが「くりぬき法」です。くり抜き法は深いほくろの除去に適している方法で、切開による身体への負担を抑えられます。

小さいほくろなら縫合が不要なこともあります。ただしきずあとが深く・大きくなりやすい傾向があるため、技術が不足していると、傷跡が強く残ってしまう可能性があります。くり抜き法でほくろを除去する場合、高い技術を持った医師による施術を受けることが大切です。

炭酸ガスレーザー治療 

ほくろ・イボの除去は炭酸ガスレーザー治療が手軽でおすすめです。炭酸ガスレーザー治療では、レーザーを使い肌の表面にあるほくろを削ります。

切開法やくり抜き法と比べると傷跡が少なく、ダウンタイムは短めです。治療後に出血を認めることはほぼありません。

ただし、ほかの治療と同様、レーザーでの治療にはほくろが再発するリスクがあります。また、以下のようなほくろには向きません。

  • 深く大きいほくろ
  • 悪性の疑いがあるほくろ

炭酸ガスレーザー治療での対応が可能かは、クリニックで相談してみましょう。

ほくろの位置でよくある質問

ほくろの位置でよくある質問について紹介します。受診を迷っているのなら、ぜひ参考にしてみてください。

生まれつきのほくろも変化しますか? 

生まれつきのほくろも変化することもありえます。ただし、それが悪性の状態になる可能性は非常に低いといえます。

ただし、「先天性巨大色素性母斑」という、生まれつき身体の広範囲がほくろのような黒い色調を示す疾患があります。この疾患では、将来的に悪性黒色腫に移行するリスクがあります。

点のようなほくろでも足の裏は注意が必要ですか? 

足の裏にできたほくろだからといって、必ずしも悪性だとは限りません。点ほどの大きさで色に濃淡がなく、左右対称で輪郭もはっきりしているのなら、様子を見てもよいでしょう。

毎日様子を見ておき、色や形に変化が出たら、すぐに医療機関で相談してください。

ほくろが気になるときは皮膚科・美容皮膚科で相談

顔や首などにほくろができて悩んでいるのなら、皮膚科や美容皮膚科で相談してみましょう。

注意したいのは、皮膚がんの疑いがある「左右非対称のほくろ」や「輪郭がぼやけているほくろ」などです。

ほくろに似た皮膚がんにはさまざまな種類があります。転移しやすく悪性度が高い悪性黒色腫(メラノーマ)なら、早めの切除が必要です。

ただし、ほくろの多くは良性で、気にならなければ放置していてもよいでしょう。

良性のほくろは皮膚科や美容皮膚科で除去できます。悩みの解消をお考えでしたら、まずはクリニックで相談してみてくださいね。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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