ほくろが取れたときに考えられる原因は?除去の方法も紹介

「触っていたらほくろが取れた」と聞いて、試してみたいとお考えではありませんか。簡単に取れる方法を知りたいとお考えのかたもいらっしゃるでしょう。

本記事では、ほくろが取れたときに考えられる理由を紹介します。除去方法も紹介しますので、ぜひ参考のひとつとしてご覧ください。

目次

ほくろが取れたときに考えられる理由

ほくろが取れたのなら、次のような理由が考えられます。

  • 表皮にある色素が取れた
  • ほくろではなく脂漏性角化症だった

2つの理由について見ていきましょう。

理由1. 表皮にある色素が取れた

ほくろは、「生まれつきのもの」と「後天的にできたもの」にわけられます。

2つのうち自然に取れる可能性があるのは、後天的にできたほくろです。生まれつきのほくろは自然には取れません。

後天的にできたほくろは、メラノサイトと呼ばれる色素が表皮に溜まっている状態です。そのメラノサイトが削れたり排出されたりすると、ほくろが取れた状態になります。メラノサイトがすべて取れたのなら、再発する可能性は低いでしょう。

ただし、後天的にできたほくろだとしても、自分で削って取るのはNGです。

ほくろを削って取ろうとすると、炎症を起こすおそれがあります。ひっかけて削ってしまったら、ほくろがあった部分を水で洗い、清潔に保ってください。炎症が起きた場合は、悪化させないように皮膚科を受診しましょう。

理由2. ほくろではなく脂漏性角化症だった

指で削ったときに取れたのなら、ほくろではなく「脂漏性角化症」なのかもしれません。

ほくろと似ているのが、硬くてもろい脂漏性角化症です。脂漏性角化症なら、指で削るとかさぶたのように取れる場合があります。

取れる可能性があるからといって、脂漏性角化症も自分で削るのはやめましょう。なぜなら、悪性黒色腫(メラノーマ)のような皮膚がんも考えられるためです。皮膚がんだった場合、刺激によって悪化する可能性があります。また、取ろうとしたときの刺激で炎症を起こすかもしれません。

気になったとしても自分では削らず、クリニックで除去してもらいましょう。

脂漏性角化症(老人性イボ)とは?

ほくろと似ていて間違われがちなできものが、「老人性イボ」「老人性疣贅」とも呼ばれる脂漏性角化症です。

40代以降に発症する傾向があるものの、早ければ20代で脂漏性角化症が出るかたもいます。

脂漏性角化症の原因だと考えられているのが、紫外線や肌の老化です。日光にあたる頭・顔・首・手足などは、脂漏性角化症が出やすい傾向にあります。

基本的に、脂漏性角化症には痛みやかゆみなどの症状がありません。良性の皮膚腫瘍であるため、脂漏性角化症は放置していても大丈夫です。

ただし、脂漏性角化症と似ている皮膚がんもあります。皮膚がんだった場合、削った刺激で悪化してしまうかもしれません。気になる場合は、削らずクリニックで相談しましょう。

脂漏性角化症の予防方法

紫外線や肌の老化が原因となる脂漏性角化症は、予防が可能です。

普段から、なるべく紫外線対策を徹底しましょう。外出時は、肌が露出する部分に日焼け止めを塗ってください。日焼け止めはこまめに塗り直す必要があります。帽子や日傘、UVカットの衣類なども便利です。

紫外線は、室内にいるときも対策する必要があります。室内にいるときは、皮膚への負担が少ない低刺激の日焼け止めがおすすめです。遮光のカーテンや窓ガラスフィルムなどを活用する方法もあります。

脂漏性角化症の治療方法

良性の皮膚腫瘍である脂漏性角化症は、気にならないようなら治療しなくても構いません。

除去しても、年齢を重ねると増えていくものです。とはいえ、目立つ部分にあって気になるなら、皮膚科や美容皮膚科などで除去できます。

おもな治療方法は次の4つです。

  • 液体窒素による凍結療法
  • 炭酸ガスレーザー治療
  • ラジオ波メス
  • 手術による切除

クリニックによっては対応していない治療方法もあります。おもな治療方法について、どのようなものか見てみましょう。

液体窒素による凍結療法

マイナス196度の液体窒素を使い、脂漏性角化症を凍らせて取り除くのが、凍結療法です。手軽で保険適用が可能な方法ですが、麻酔をしないため痛みがあります。1~2ミリの極端に小さな脂漏性角化症の除去には向いていません。

凍結療法の場合、1~2週間おきに施術を繰り返すのが一般的です。治療後は色素沈着が残るため、クリニックによっては顔への施術を行っていません。

炭酸ガスレーザー治療

熱エネルギーで脂漏性角化症を蒸散させて除去する方法が、炭酸ガスレーザー治療です。保険適用外ではあるものの、傷の治りが早く、顔にできた脂漏性角化症の除去に向いています。麻酔により、施術時の痛みはほとんどありません。周囲の血管が熱凝固作用で固まるため、出血がほとんどないことも大きな特徴です。

個人差はありますが、施術後は赤みが残ります。ただし、早ければ2~3か月で赤みは消えるでしょう。複数の脂漏性角化症もまとめて除去できます。

顔・首など、目立つ場所の脂漏性角化症の除去におすすめの方法です。

ラジオ波メス

ラジオ波メスも、ほくろや脂漏性角化症の除去で使われる方法のひとつです。高周波のラジオ波メスを使い、皮膚が盛り上がっている部分を削って治療します。

組織を切るだけでなく、止血効果もあるのがラジオ波メスの特徴です。ラジオ波メスも施術時は麻酔をするため、痛みはほとんどありません。

基本的にラジオ波メスは自費診療ですが、ほくろ・イボの種類によっては保険適用になる場合もあります。

手術による切除

検査が必要となるほくろ・脂漏性角化症の場合、手術による切除が行われます。局所麻酔により、手術中の痛みはありません。入院は不要で、日帰り手術です。

切除した部分を縫合するため、抜糸を行わなくてはなりません。ほかの方法と比較すると、手術による傷跡が消えるまでには時間がかかります。そのため、検査の必要がなければ手術を提案される可能性は低いでしょう。

ほくろ・脂漏性角化症でよくある質問

ほくろや脂漏性角化症で、疑問をお持ちのかたも多いでしょう。そこで、ほくろや脂漏性角化症でよくある質問と答えを紹介します。

治療を検討する材料として、ぜひご確認ください。

脂漏性角化症は皮膚がんになりますか?

脂漏性角化症は良性の腫瘍であるため、皮膚がんにはなりません。ただし、次のような場合は治療を検討してみましょう。

  • 衣類による摩擦で不快な場合
  • 目立つ場所にある場合
  • 形や色が変化している場合

ほくろや脂漏性角化症だと思っていたら皮膚がんだったケースもあります。気になるようなら、1度クリニックで相談してみましょう。

脂漏性角化症の炭酸ガスレーザー治療にかかる費用は?

炭酸ガスレーザー治療は自費診療です。そのため、金額はクリニックによって違います。複数の脂漏性角化症をまとめて除去するなら、取り放題があるクリニックがおすすめです。

治療を検討する場合は、複数のクリニックを比較してみましょう。金額だけで選ぶのではなく、クリニックの実績や口コミでの評判もチェックしてみてください。

脂漏性角化症の除去後はアフターケアが必要ですか?

クリニックでの除去後は、適切なアフターケアが必要です。軟膏やテープを処方されたら、医師の指示に従って使用してください。

また、紫外線対策も大切です。施術後の皮膚はデリケートな状態ですので、赤みや色素沈着が出やすくなっています。低刺激の日焼け止めを使い、紫外線から肌を守りましょう。

ほくろを取ったら皮膚がんになるのですか?

良性の皮膚腫瘍であるため、ほくろを取ったからといってがんにはなりません。ただし、医師による適切な方法での除去が必要です。ほくろや脂漏性角化症と似た悪性の腫瘍もありますので、自分で取るのはやめましょう。

注意すべきほくろはありますか?

ほくろが変化したら注意が必要です。次のような変化があったら、クリニックを受診してください。

  • 大きくなった
  • 盛り上がってきた
  • 出血している
  • かさぶたができている

皮膚がんが疑われる場合は、病理検査を行う必要があります。

ほくろが取れて気になるときはクリニックで相談

後天的にできたほくろは、メラノサイトの排出によって取れる場合があります。また、ほくろではなく脂漏性角化症だった場合も、かさぶたのように取れることがあるでしょう。

ほくろが取れて不安なら、クリニックでの相談がおすすめです。取りたいほくろがある場合も、自分で除去せず、クリニックで相談してみてくださいね。

記事監修者

JSKINクリニック医師 牧野潤

慶應義塾大学医学部卒業。形成外科医。シンガポール国立大学病院留学。医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域で従事。
慶應義塾大学病院、埼玉医科大学総合医療センター等勤務を経て、現在は慶應義塾大学医学部 特任助教。
大学病院での臨床・研究と並行し、レーザー・注入施術などの美容医療に特化した「JSKINクリニック」を2021年より経営・監修。

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