まぶたの手術は、目元のみならずお顔の印象を大きく変化させうる可能性があります。

それぞれの方のご希望を最大限実現しつつ、安全で納得のいく治療を提供することが再優勢となると考えています。

そのためには、手術前の十分な準備と相互理解が不可欠となります。

今回は二重埋没法を行う前に確認すべきポイントについて解説していきます。

以下の項目は、安全かつ高い効果を望むために欠かせないポイントであると考えます。

なりたい希望やイメージ

二重埋没法はあくまで、二重の幅を設定したうえでラインを形成していく手術になります。

その前提で、希望とする幅や形態(末広、平行など)のイメージをお聞きし、ブジーを用いたシミュレーションをしていきます。

さまざまなポイントでシミュレーションをすることで、できるラインによって目元の印象が若干変わることがわかります。

そういった意味では、どの程度の変化を望んでいるかも重要で、一律に二重幅の正解があるわけではないといえます。実際には、まぶたの皮膚のラインに自然に沿うようなラインを設定すると、自然かつ取れにくい二重でできやすいです。

これまでの手術治療歴

たとえば過去に埋没法をすでに受けたことがあったり、切開法や眼瞼下垂症手術などで二重ができている方は多くいらっしゃいます。

以前の埋没法による二重がある場合は、より狭くしたい場合はまず抜糸をする必要があり、より広くしたい場合は必ずしも抜糸をする必要はありません。

その際、過去に二重のりやアイプチをしていたかなどの生活歴も、次に述べるまぶたの状態を確認するうえでは重要になります。

まぶたやその周辺の状態

前提となるまぶたの状態は十人十色です。具体的には、以下のようなポイントを実際の診察で確認します。

  • 皮膚の伸び、厚さ、硬さ
  • 内側の皮膚のかぶさり(蒙古ひだ)の程度
  • 眼球の突出程度(奥目、出目など)
  • 眼瞼下垂や眉毛挙上の程度
  • 目の上のくぼみの程度

お仕事や生活のスタイル

埋没法は比較的ダウンタイムの少ない方法ではあるものの、全くないわけではありません。

設定した二重の幅、元のまぶたの状態、麻酔や手術操作、手術後の過ごし方によっても影響を受けます。

特に術後3日間程度は腫れが最も強い期間であるため、それが問題にならない状態でなくてはなりません。

腫れについてはメガネやサングラスでカバーしたり、内出血についてもアイラインなどである程度は目立ちにくくはなります。

アレルギーや内服薬など

目元に皮膚炎が起こりやすかったり、なにかのアレルギー歴がある場合は当然事前の確認が必要です。

また内服薬の種類によっては手術に影響を及ぼすため、確認が必要です。たとえば血液をさらさらにするお薬や、高血圧をおさえるお薬などは、手術前の対応やリスクについて事前に確認をしておくことが必要です。

二重埋没法は、比較的負担やダウンタイムの軽度な手術ではありますが、それでも慎重に検討すべき選択肢の一つです。

ご自身の目標や生活スタイル、そして何より安全性を第一に考えたうえでご検討ください。

まずはカウンセリングからがおすすめです、お気軽にご相談ください。

切開をともなわずに二重をつくることができる埋没法は、比較的ダウンタイムの軽い美容外科手術に分類されます。

とはいえ埋没法も医学的な処置である以上、必ずリスクや副作用というものが存在します。

そのため宣伝広告やSNSのビフォーアフターなどの魅力的な情報だけでなく、そのようなリスクの面でも十分に説明を受け、理解したうえで治療を受けていただくことも大切です。
(医療者の役割はただ魅せ方をうまくするのではなく、期待できること・できないことなど総合的な意思決定のサポートをすることでると考えます)

手術後にほぼ全例で起こる一過性の症状

腫れ

術後翌日~翌々日が最も強く、1~2週間程度かけて次第に落ち着いていきます。

この腫れがある期間は二重幅がより広くみえ、腫れが落ち着いていくにしたがって二重の幅も落ち着いていきます。

そのため、腫れのある期間は「ちょっと幅が広いかも」と思っていても、次第になじんでいくことが多いです。

内出血

切開法と比べて埋没法は内出血はかなり軽度であることが多いです。
しかしながら、麻酔、糸を埋没させる際の微小切開や、糸を通す際などに極細の血管にあたった場合は、小さな内出血が続くことがあります。そのような内出血も数日~1週間程度でほぼ落ち着きます。

持続性に関するリスク

二重ラインの消失

特に広めの二重幅にしたり、まぶたの皮膚のたるみや厚みがある場合、よくまぶたをこする癖がある方などは、そのリスクが高くなります。

その場合は改めて埋没法をおこなうか、どうしても埋没法だと限界がある場合は切開法による二重を検討することになります。

事前診察時のシミュレーションの段階で、そのリスクが高めなのか低めなのかの想定をすることができます。
状態によっては切開法の方が推奨される場合もありますが、やはり腫れや内出血などのダウンタイムを抑えたい場合は、総合的な説明をしたうえで埋没法を選択されることも多いです。

仕上がりに関するリスク

二重ラインの不整や左右差

状態によっては二重のラインがなめらかに出ず、若干カクカクした印象になる場合があります。また、特に元々のまぶたに左右差がある場合は、二重幅を左右でそろえたり、または若干の調整をおこなっても左右差が気になる場合があります。

どちらの場合は症状が強く気になる場合は、再度埋没法による留めなおしが必要になることがあります。

埋没糸の透見

糸の結び目がやや浅くなったりすると、目を閉じたときにわずかに皮膚のふくらみや糸の透け感が気になることがあります。

これも程度が強く気になるようであれば、抜糸および再施術が必要になる場合があります。

その他の稀な合併症

感染、角膜損傷、糸の露出

状態によっては抜糸、抗生剤の内服などが必要になります。状態が落ち着いてから再施術による留めなおしをおこないます。

上記のように、埋没法であっても決してリスクや副作用が皆無であるわけではありません。

そのため重要なのは、そのような点についても医師から十分に説明を受けているかや、なにか困ったことがあったときにも医師が対応してくれるかについて、事前に確認しておくのがよいと考えます。

適切な医療機関選びの参考となりましたら幸いです。

切開を伴わず、ダウンタイムをおさえて二重整形ができる埋没法は、国内でも最も多く行われている美容外科手技のひとつです。

その適応は広く、

  • もともと一重であるが、二重まぶたにしたい
  • もともと奥二重(=幅が狭めの二重)だが、より二重の幅を広げたい
  • 以前埋没法で二重整形をしたが、二重のラインが消えてしまった
  • なるべくダウンタイムをおさえて、かつナチュラルさを優先したい

など、切開法でなく埋没法でも十分に効果が期待できる場合も多いです。

しかしながら、たとえ埋没法の適用として手術が可能であったとしても、状態によっては事前に医師との十分な確認が必要になる場合もあります。

埋没法にあたって個別の注意が必要な状態とは

上まぶたの皮膚が厚かったり、若干たるみがある

まぶたの皮膚の厚みやたるみがやや強い場合、作成した二重のラインの上に皮膚が多く乗っかることになります。

そのため二重の仕上がりがやや崩れやすかったり、結び目への負担が強いため持続力が落ちてしまうリスクがあります。

事前の診察時のシミュレーションで、二重のラインや、その上の皮膚の状態のイメージについて十分に医師と相談することが重要です。

シミュレーションの上で、埋没法が可能か、またはむしろ切開法の方が適しているのかについては、両方の治療法を提案可能なクリニックで相談することが望ましいといえます。

普段からアイプチや二重のりを使っている

もとは一重や奥二重だけども、長い間アイプチや二重のりを使用されている方もいらっしゃいます。

ただでさえごく薄いまぶたの皮膚に慢性的な刺激が加わることで、皮膚のたるみや色素沈着、かぶれなどさまざまな皮膚症状につながるリスクがあがります。

また皮膚だけでなく、皮膚の下にあるじん帯(挙筋腱膜)にも負担がかかると、中長期的にはまぶたをあけにくくなる(眼瞼下垂)にもなりやすくなる可能性があります。

そのため長い期間使い続けることはあまりおすすめしておらず、ご自身でもいろいろと調べられた結果、埋没法を受けるにいたる方も多くいらっしゃいます。

皮膚に極端な問題が起こっていなければ、基本的に埋没法の適用可能と考えてよいでしょう。

個人的には、これまで作っていた幅とほぼ同様の幅で、埋没法もラインをつくることがおすすめです。というのも、埋没法を機に大きく幅を変えてしまうと、やはり後々違和感を感じやすくなります。

一重や奥二重の男性である

男性の方でも埋没法を受けられる方は多くいらっしゃいます。そしてその方ごとに希望のイメージも異なるものです。

ただ一般には、広めの二重幅にしたときの印象の変わり方は、女性以上に大きく感じやすいといえます。

なるべく自然さを優先したい場合は、男性の方は特にやや狭めの幅としておくのが無難かと思います。

また、皮膚の厚みも女性と比べると若干厚めである傾向があるため、上で述べた通り、あまりに幅が広いと持続力が落ちてしまう可能性もあるため、そういった意味でも若干狭めの二重幅がおすすめしやすいです。

状態はケースバイケース。まずは診察と相談がおすすめ

このように埋没法を受けるにあたっては個人差を考慮するために、事前の状態の診察や、シミュレーションが不可欠になります。

幅広い治療提案が可能な前提で、ご自身が埋没法の適用が可能なのか(おすすめなのか)や、注意点があればそれについても知っておくことが大切です。

当院でももちろんカウンセリング可能です。お気軽にご相談ください。

眼瞼下垂の見分け方を医師が解説します。

眼瞼下垂の主な症状と特徴

瞼が下がることで生じる見た目の変化

眼瞼下垂は、上まぶたが下がることで視界が狭くなり、日常生活に支障をきたす状態です。

この症状は、見た目にも大きな影響を与えます。具体的には、以下のような変化が挙げられます。

  • 眠たそうな印象
    まぶたが下がることで、周囲から「眠そう」と思われることが多くなります。
  • 眉毛や額のシワ
    視界を確保するために、額の筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとするため、眉毛が吊り上がり、額に深い横シワができることがあります。
  • 顎を上げる姿勢
    視野を確保するために、顎を上げて物を見る姿勢を取ることが多くなります。この姿勢は、首や肩への負担を増加させる要因にもなります。
  • 左右差の目立ち
    両目の開き具合に差が生じることがあり、これが見た目の不均衡を引き起こします。

これらの変化は、単なる外見上の問題にとどまらず、心理的な負担や社会的な影響を及ぼすこともあります。

眼精疲労や頭痛の原因に?

眼瞼下垂は、眼精疲労や頭痛の原因となることがあります。まぶたが下がることで視界が狭くなり、目を開けるために余計な力を使うことが主な要因です。

  • 眼精疲労
    まぶたを持ち上げるために、額の筋肉や眉毛を頻繁に使うことで、目の周辺が疲れやすくなります。この疲労が蓄積すると、眼精疲労を引き起こします。
  • 頭痛
    額や眉毛の筋肉を過剰に使用することで、緊張性頭痛が発生することがあります。また、視界が狭くなることで、目を凝らして見る習慣がつき、これが頭痛の一因となることもあります。
  • 自律神経の影響
    眼瞼下垂による神経受容体の刺激が、脳や中枢神経に影響を与え、頭痛や不眠症、不安障害などの症状を引き起こす場合もあります。

これらの症状は、眼瞼下垂の直接的な影響だけでなく、間接的な要因によっても引き起こされるため、早期の診断と治療が重要です。

肩こりや姿勢の悪化にもつながる可能性

眼瞼下垂は、肩こりや姿勢の悪化とも密接に関連しています。視界を確保するために不自然な姿勢を取ることが、これらの症状を引き起こします。

  • 肩こり
    額や首の筋肉を過剰に使用することで、肩や首の筋肉が緊張し、血行不良を引き起こします。この結果、慢性的な肩こりが生じることがあります。
  • 姿勢の悪化
    視野を確保するために顎を上げる姿勢を取ることが多くなると、首や背中に負担がかかり、姿勢が悪化する可能性があります。このような姿勢の変化は、長期的には筋骨格系の問題を引き起こすこともあります。
  • 全身への影響
    肩こりや姿勢の悪化が進行すると、全身の血行不良や疲労感、不眠などの症状が現れることがあります。

これらの症状は、眼瞼下垂の治療を通じて改善することが期待されますが、早期の対応が重要です。特に、肩こりや姿勢の悪化が進行すると、日常生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。

眼瞼下垂を放置するとどうなる?

眼瞼下垂を放置すると、視覚や身体、精神面にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。以下に主なリスクを解説します。

まず、視野の狭窄が進行します。まぶたが垂れ下がることで視界が遮られ、日常生活に支障をきたすことがあります。これにより、物を見る際に顎を上げる姿勢を取る癖がつき、首や肩に負担がかかることがあります。

次に、眼精疲労や頭痛が発生する可能性があります。視界を確保するために額や眉毛の筋肉を過剰に使用することで、目の周囲が疲れやすくなり、緊張性頭痛を引き起こすことがあります。また、これが慢性化すると、肩こりや首の痛みを伴うこともあります。

さらに、姿勢の悪化や肩こりもリスクの一つです。顎を上げる姿勢が続くことで、首や肩の筋肉が緊張し、血行不良を引き起こします。これが慢性的な肩こりや姿勢の歪みにつながる可能性があります。

精神的な影響も無視できません。眼瞼下垂により「眠たそう」「老けて見える」といった外見上の変化が起こり、自己評価の低下や対人関係でのストレスを感じることがあります。また、交感神経の過剰な緊張が自律神経の乱れを引き起こし、不眠やめまいなどの症状を伴う場合もあります。

これらのリスクを軽減するためには、早期の診断と適切な治療が重要です。特に症状が進行する前に専門医に相談することが推奨されます。

眼瞼下垂の治療方法と対処法

手術による治療法の種類と特徴

眼瞼下垂の治療は、基本的に手術が最も効果的であり、症状の原因や程度に応じて複数の術式が選択されます。以下に代表的な手術方法とその特徴を解説します。

  • 挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ)
    眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)が伸びている場合に、その筋肉を短縮して機能を回復させる手術です。軽度から高度の眼瞼下垂まで全般に適しており、比較的自然な仕上がりが期待できます。
  • 眉毛下余剰皮膚切除術(眉下切開、眉下リフト)
    まぶたの皮膚のたるみを改善する治療です。垂れ下がったまぶたのたるみが軽減することで、本来の目の形に戻り、目をあけやすくなる効果があります。眉毛の下縁にきずが隠れるため、きずが目立ちにくい治療です。
  • 前頭筋吊り上げ術(ぜんとうきんつりあげじゅつ)
    挙筋の機能がほとんど失われている場合に、おでこの筋肉(前頭筋)の力を利用してまぶたを持ち上げる手術です。重度の眼瞼下垂や先天性の症例に適用されますが、仕上がりがやや人工的になる場合があります。
  • 埋没式挙筋短縮術(切らない手術)
    メスを使わず糸で筋肉を固定する方法で、軽度の眼瞼下垂に適しています。ダウンタイムが短く、術後の腫れも少ないため、手術に抵抗がある方に人気です。ただし、適応範囲が限られます。

これらの手術は、症状の程度や患者の希望に応じて選択されます。医師との十分な相談が重要です。

手術後の回復期間と注意点

眼瞼下垂手術後の回復期間は、手術の種類や個人差によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 回復期間
    手術後約2週間は腫れや内出血が見られることが多く、完全に腫れが引くまでには1-2か月程度かかる場合があります。切開を伴う手術ではダウンタイムが長くなる傾向がありますが、埋没法などの切らない手術では1-2週間程度で日常生活に戻れることが多いです。
  • 術後の注意点
    1. 冷却と安静: 手術直後から2~3日は患部を冷やし、腫れを抑えることが推奨されます。
    2. 感染予防: 傷口を清潔に保ち、医師から処方された抗生物質や外用薬を適切に使用します。
    3. 激しい運動の制限: 血流が増えることで腫れや内出血が悪化する可能性があるため、術後1週間程度は運動や入浴を控える必要があります。
    4. 定期的な診察: 術後1週間で抜糸を行い、その後も1か月、3か月と定期的に経過観察を受けることが重要です。

術後の経過には個人差があるため、医師の指示に従いながら無理のない生活を心がけましょう。

手術以外の改善策はある?

眼瞼下垂を根本的に治療するには手術が必要ですが、軽度の症状や予防のために以下の方法が試みられることがあります。ただし、これらは一時的な改善や進行の抑制を目的としたものであり、根本的な治療にはなりません。

  • セルフケアやトレーニング
    目の周りの筋肉を鍛えるトレーニングやストレッチが提案されることがありますが、効果は限定的です。むしろ、誤った方法で行うと症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
  • アイプチやテープの使用
    二重のりやアイテープを使ってまぶたを持ち上げることで、見た目を一時的に改善することができます。ただし、長期使用はまぶたに負担をかけ、症状を悪化させるリスクがあります。
  • 生活習慣の見直し
    コンタクトレンズの長時間使用を避ける、まぶたをこすらない、アイメイクを優しく落とすなど、まぶたへの負担を減らすことが予防につながります。

これらの方法は軽度の症状や予防には役立つ場合がありますが、進行した眼瞼下垂には効果が期待できないため、専門医の診察を受けることが推奨されます。

眼瞼下垂は何科?眼科・形成外科の違いと受診ポイントについて解説します。

眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂は、上まぶたが垂れ下がって十分に開かない状態を指し、主に加齢や長期のコンタクトレンズ使用が原因となります。この症状は視野の狭窄や日常生活への支障を引き起こす可能性があり、適切な診断と治療が重要です。

眼瞼下垂は何科を受診すべき?

眼瞼下垂の治療を受ける際には、症状の原因や目的に応じて「眼科」「形成外科」「美容外科」のいずれかを選ぶことが一般的です。それぞれの診療科には特徴があり、以下のように選択すると良いでしょう。

  • 眼科
    眼瞼下垂の原因が視機能に影響を及ぼしている場合や、他の眼疾患が疑われる場合に適しています。
    眼科では、眼瞼下垂の診断や治療に加え、視力や眼球の状態を詳細に検査できます。
  • 形成外科
    まぶたの機能回復を目的としつつ、傷跡を目立たせないような手術を希望する場合に適しています。
    状態に応じて保険適用となる手術治療が可能で、機能性と審美性の両方をより考慮した治療が行われます。
  • 美容外科
    生活に支障が出ているわけではないが、見た目の改善を重視する場合に選ばれます。
    眼瞼下垂の治療だけでなく、二重形成やたるみ除去などの審美的な施術を同時に行うことが可能です。
    ただし、原則保険適用外の自費治療になります。

眼科での診療内容と特徴

眼科では、眼瞼下垂が視機能にどの程度影響を与えているかを診断し、必要に応じて手術を行います。以下が主な特徴です。

  • 診断の精密さ
    眼球や視力に関する詳細な検査が可能で、眼瞼下垂の原因が他の疾患(例: 偽眼瞼下垂症や神経疾患)によるものかどうかを判断できます。
  • 治療の目的
    主に視界の改善や眼瞼の機能回復を目的とした治療が行われます。審美的な改善を考慮しないわけではないですが、主たる目的にはなりません。。
  • 保険適用
    症状が日常生活に支障をきたす場合、保険適用で治療を受けることが可能です。

形成外科での診療内容と特徴

形成外科では、眼瞼下垂の機能回復を目的としながら、傷跡を目立たせないような手術が行われます。

  • 治療の範囲: まぶたの切開や縫合技術に優れています。
  • 審美性への配慮: 機能回復に加えて審美性も考慮した治療が行われます。
  • 保険適用: 症状が機能的な問題を引き起こしている場合、保険適用で治療を受けることが可能です。

美容外科での診療内容と特徴

美容外科では、眼瞼下垂の治療に加えて、見た目の改善を重視した施術が行われます。

  • 審美的な治療: まぶたの開きを改善するだけでなく、二重形成やたるみ除去など、患者の希望に応じたデザイン性の高い治療が可能です。
  • 自由診療: 保険適用外となるため、費用が高額になることが一般的です。ただし、仕上がりの美しさをより重視する方には適しています。
  • 多彩な施術メニュー: 眼瞼下垂の治療と同時に、他の美容施術を受けることも可能です。

眼科と形成外科・美容外科の違い

眼瞼下垂の治療を受ける際、眼科、形成外科、美容外科のいずれを選ぶかは、治療の目的や仕上がりの希望によって異なります。それぞれの診療科の特徴を以下の項目ごとに解説します。

治療方法の違い

  • 眼科
    眼科では、視機能改善を目的とした手術が中心です。主な治療法には「挙筋短縮術」や「挙筋前転術」があり、まぶたを上げる筋肉を調整して視界を広げます。ただし、外科的な手術を行わない眼科クリニックが多いため、眼瞼下垂を得意とする医療機関を選ぶ必要があります。
  • 形成外科
    形成外科では、切開手術を中心に行い、まぶたの皮膚や筋肉を調整します。上記の挙筋前転術以外にも、余剰皮膚切除術などの提案も可能です。傷跡を目立たせないようにする技術が特徴で、保険適用の範囲内で治療を受けられることが多いです。また、まぶたのたるみや余分な皮膚を除去することで、機能性と審美性を両立させる治療が行われます。
  • 美容外科
    美容外科では、切開法や埋没法など、患者の希望に応じた多様な治療法が選択可能です。場合により注射やレーザーなどのダウンタイムが短い施術も提供されることがあります。また、二重形成や目の下のクマ治療など、より審美的な要素を重視した治療が特徴です。ただし、これらの治療は保険適用外となることが一般的です。

仕上がりの違い(機能改善 vs 美容改善)

  • 眼科
    視界の改善が主目的であり、審美性は主たる目的ではありません。傷跡や左右対称性への配慮は限定的です。
  • 形成外科
    傷跡を目立たせないよう配慮しつつ、自然な仕上がりを目指します。機能性と審美性のバランスを重視します。
  • 美容外科
    見た目の美しさを最優先し、患者の希望に応じたデザイン性の高い仕上がりを提供します。

まとめ

眼瞼下垂は、視界の狭まりや目の疲れだけでなく、肩こりや頭痛など全身の不調を引き起こすことがあります。セルフチェックで症状が疑われる場合は、早めに眼科や形成外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

治療の選択肢は、機能改善を重視するか、美容的な仕上がりを求めるかによって異なります。医師と十分に相談し、自分に合った治療法を選びましょう。