脂漏性角化症(老人性イボ)には、どのような原因があるのでしょうか。顔や首などをはじめ、目立つ場所にできやすいのが「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」です。脂漏性角化症を予防するために、「なぜできるのか原因を知っておきたい」とお考えのかたもいらっしゃるでしょう。

本記事では、脂漏性角化症ができる原因や、代表的な治療方法について紹介します。予防や治療の参考として、ぜひ内容をご覧ください。

脂漏性角化症とは 

脂漏性角化症とは、いわゆる「老人性イボ」のことです。老人性疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれます。表面の状態は、ザラザラしていたり滑らかであったり、さまざまです。大きさや形、数などに個人差があり、多い人では数十~数百個できることもあります。

脂漏性角化症は、自然には治りません。見た目が気になる場合は、治療を検討してみましょう。おもな特徴や、できやすい部位について紹介します。

脂漏性角化症の特徴

脂漏性角化症は、老人性色素斑(シミ)とは違い、やや盛り上がりがあることが特徴です。40代以降で発症することが多い疾患で、60代以上の人のほとんどに見られるとされています。

脂漏性角化症の大きさは、数ミリ~1センチ程度が一般的です。ただし、稀に大型化して1センチを超える場合もあります。色は、薄茶色・褐色・黒色などさまざまです。

摩擦や刺激を受けると、痛みやかゆみなどの症状が出ることもあります。一般的なイボとは違い、ウイルス性ではないことから、脂漏性角化症は人に感染しません

脂漏性角化症ができやすい部位

脂漏性角化症ができやすいのは、以下のような部位です。

  • 頭部

脂漏性角化症は、紫外線があたる箇所にできやすい傾向があります。顔では、こめかみ・額・頬などができやすい部位です。また、脇の下・脇腹・太腿などにできることもあります。手のひらや足の裏にはできません。

脂漏性角化症の原因

現在のところ、脂漏性角化症の原因は明らかになっていません。ただし、脂漏性角化症には以下3つの要素が関係していると考えられています。

  • 加齢による肌の老化
  • 紫外線
  • 遺伝

3つの要素について、それぞれ見ていきましょう。

加齢による肌の老化

脂漏性角化症は、40代以降に発症し、年齢を重ねると次第に増えていく疾患です。そのため、加齢による肌の老化が大きな要因のひとつだとされています。ただし、加齢だけが原因ではありません。人によっては20代で発症することもあります。

紫外線

紫外線も、脂漏性角化症の発症に大きく関係するといわれています。なぜなら、脂漏性角化症は、頭部・顔・首など紫外線があたる場所にできやすい傾向があるためです。

屋外での活動が多く、日焼けする機会が多いかたは、特に注意が必要です。紫外線対策を行って、脂漏性角化症を予防しましょう。

遺伝

遺伝も、脂漏性角化症の要因だと考えられています。家族に脂漏性角化症の人がいると、発症する可能性が高くなるためです。できるだけ脂漏性角化症を防げるよう、紫外線対策を徹底しましょう。

脂漏性角化症の治療方法

脂漏性角化症の疑いがあるイボを見つけたら、まず皮膚科や美容クリニックを受診してみましょう。ウイルス性イボや皮膚がんなど、ほかの疾患によって皮膚に異常が発生している可能性も考えられるためです。

脂漏性角化症は良性腫瘍であるため、治療を受けずに様子を見ても問題ありません。審美面で気になる場合や、痛みやかゆみなどの症状がある場合は、治療を検討してみましょう。

脂漏性角化症の治療には、次のような方法があります。

  • 炭酸ガスレーザー
  • 液体窒素による冷凍療法
  • ラジオ波メス
  • 外科的手術

なお、クリニックによって取り扱っている治療方法には違いがあります。代表的な治療方法についても紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

炭酸ガスレーザー 

基本的にほぼ全例の脂漏性角化症には、炭酸ガスレーザーを使った治療が第一選択といえるでしょう。炭酸ガスレーザーの施術では、熱エネルギーを照射し、組織を蒸散させることで脂漏性角化症を除去します。患部にのみ照射できるため、ほかの正常な部位へのダメージを抑えられる方法です。保険適用外となりますが、複数の脂漏性角化症を一度に除去することもできます。

治療後は、医師の指示に従って軟膏や保護テープによるアフターケアが推奨されます。3~6か月ほどのあいだは、赤みや色素沈着が残る場合があります。

液体窒素による冷凍療法

液体窒素による冷凍療法(凍結療法)も選択肢のひとつです。冷凍療法では、低温の液体窒素で患部を凍結し、細胞を破壊して治療します。冷凍療法は保険適用であることが最大のメリットです。通常は、1~2週間おきに複数回の施術を行います。

ただしレーザーと比べると色素沈着がかなり目立ちやすいため、顔への施術は慎重な検討が必要です。費用を抑えられる方法であるものの、審美面で気になる場合は、ほかの施術も検討してみましょう。治療時・治療後には痛みがあり、水ぶくれができることもあります。

ラジオ波メス 

隆起している脂漏性角化症には、ラジオ波メスを使った治療もあります。ラジオ波メスとは高周波を使った器械で、電気エネルギーを使って組織を蒸散させます。切除と同時に止血できるため、従来のメスを使った方法よりも出血を抑えることが可能です。ピンポイントで施術でき、顔のほくろやイボの切除などに使われています。局所麻酔により、施術時の痛みは気にならないことが多いでしょう。しかしながら炭酸ガスレーザーによる施術と比べると傷が深くなってしまう場合があります。

治療後の痛みは数日~数週間で落ち着きます。施術後の赤みが落ち着くまでの期間は6か月程度が目安です。

外科的手術 

脂漏性角化症の治療では、メスを使った外科的手術も選択肢のひとつです。以下に該当する場合、外科的手術による切除が行われる場合があります。

  • サイズが大きい場合
  • 悪性の可能性がある場合

手術ではできるだけ目立たないように切除・縫合が行われるものの、通常は傷跡が残ります。時間の経過によって薄くはなりますが、傷跡は完全には消えません。そのため、脂漏性角化症は外科的手術以外の方法による除去が一般的です。

手術後は除去した組織を病理検査に出し、悪性の可能性があるかを調べます。

脂漏性角化症は自分で除去できる?

脂漏性角化症は、基本的に自分では治せません

時間や費用を節約するために、「病院に行かず、自分で脂漏性角化症を除去したい」と考えるかたもいらっしゃるでしょう。しかし、ウイルス性のイボではないため、脂漏性角化症は市販薬による効果が得られにくいとされています。また、カッターやハサミによる除去は、ケガや感染症などを引き起こしてしまうかもしれません。

完全に除去できないと再発する可能性もあるため、脂漏性角化症は自分で切除するのではなく、必ず医療機関で治療を受けましょう。

脂漏性角化症は治療が可能!

脂漏性角化症は、加齢・紫外線・遺伝が原因だと考えられている疾患です。「良性腫瘍で治療の必要がない」といっても、目立つため気になり、治療を検討するかたも多いことでしょう。また、衣類で擦れて不快感を生じる場合もあります。

脂漏性角化症は治療できる疾患です。炭酸ガスレーザーやラジオ波メスを使うと、複数の脂漏性角化症を一度に除去することも可能です。

ただし、イボのように見えるものが実際に脂漏性角化症であるかは、自己判断できません

クリニックでは、医師が診断を行ったうえで、適切な治療方法を提案しています。顔や首のイボが気になっているかたは、一度クリニックで相談してみましょう。

脂漏性角化症のレーザー治療で、痛みが不安だと感じていませんか。治療を検討しているものの、どのくらいの痛みがあるか不安で、踏み切れないかたも多いでしょう。炭酸ガスレーザーの治療には痛みがあるものの、麻酔による軽減が可能です。

本記事では、脂漏性角化症のレーザー治療による痛みや、治療での注意点などを紹介します。

脂漏性角化症の炭酸ガスレーザー治療に痛みはある?

脂漏性角化症に限らず、炭酸ガスレーザーによる治療には痛みがあります。治療時と治療後の痛みについて、それぞれ見ていきましょう。

治療時の痛み

炭酸ガスレーザーの施術で一般的にいわれるのは、「少しピリピリ・チクチクするような痛み」です。耐えられないほどではないものの、痛みの感じ方には個人差があります。施術部位や深さなどによっては、痛みが強く感じられることもあるでしょう。

施術時の痛みは、麻酔クリームで軽減できます。また、炭酸ガスレーザーの出力を調整して痛みを抑えることも可能です。痛みに対する不安が強い場合は、注射麻酔を事前におこなうと、レーザー照射時の痛みを全く感じない状態で施術を受けられます。

ただし局所麻酔では、注射時にチクッとした痛みがあります。

脂漏性角化症の治療で痛みに不安があるかたは、あらかじめ医師に相談しておきましょう。

治療後の痛み

炭酸ガスレーザーは、施術後にヒリヒリするような痛みや熱感を感じることがあります。肌の状態や施術部位の数によっては、施術後の痛みが気になるかもしれません。ただし痛み止めを内服する必要が出ることは全くないといえるでしょう。

炭酸ガスレーザーとは?

炭酸ガスレーザーとは、水分に反応して熱エネルギーを発生させ、組織を蒸散させて切開・除去を行う医療用のレーザーです。周辺組織へのダメージを抑えながら、ピンポイントで脂漏性角化症・ほくろ・シミなどを除去できます。脂漏性角化症の大きさや数によるものの、施術にかかる時間は15~20分程度です。

炭酸ガスレーザーで特に痛みを感じやすい部位や、ダウンタイムについて紹介します。

炭酸ガスレーザーで痛みを感じやすい部位

炭酸ガスレーザーは、部位によって痛みが強く感じられることがあります。特に痛みを感じやすいのは、以下の部位です。

  • 目の周辺
  • 唇の周辺
  • 鼻の周辺

顔は、脂漏性角化症の好発部位です。施術では、麻酔クリームを使うほか、レーザーを照射する出力の調整も行われます。

炭酸ガスレーザーのダウンタイム

炭酸ガスレーザーのダウンタイムでは、次のような症状が出ます。

  • ヒリヒリするような痛み
  • 赤み
  • かさぶた
  • 色素沈着

治療後数日は、ヒリヒリするような痛みが続くことがあります。時間が経つと薄いかさぶたができますので、自然に剥がれ落ちるまで、できるだけ触らないように注意してください。かさぶたを無理に剥がすと傷や色素沈着が残りやすくなります。

炭酸ガスレーザーによる脂漏性角化症の治療での注意点

炭酸ガスレーザーは、脂漏性角化症の治療に効果的な施術です。ただし、治療には以下の注意点があります。

  • 医師の指示に従ってアフターケアを行う
  • 紫外線対策を徹底する
  • 患部への刺激を避ける
  • 食事や睡眠を十分にとる

できるだけ痛みを長引かせないためにも、術後の過ごし方は重要です。4つの注意点について、それぞれ解説します。

医師の指示に従ってアフターケアを行う

脂漏性角化症の治療で炭酸ガスレーザーの施術を受けたあとは、医師の指示に従ってアフターケアを行いましょう。アフターケアは、仕上がりに大きく影響する要素です。クリニックから処方された軟膏や保護テープは、医師の指示どおりに使用してください。自己判断でやめてしまうと、治りが悪くなったり傷が残ったりするおそれがあります。

紫外線対策を徹底する

炭酸ガスレーザー治療を受けたあとは、紫外線対策を徹底しましょう。

施術後は薄いかさぶたができ、やがて自然に剥がれ落ちます。かさぶたが落ちたあとにできるピンク色の皮膚は非常にデリケートで、紫外線に弱い状態です。紫外線があたると、色素沈着が長く残る原因になってしまいます。

施術後は、日傘・帽子・日焼け止めクリームなどで紫外線対策を行ってください。紫外線対策は、脂漏性角化症の予防にも効果的だと考えられています。

患部への刺激を避ける

炭酸ガスレーザーによる脂漏性角化症の治療後は、患部への刺激を避けましょう。施術の当日はメイクや日焼け止めの使用を控えてください。洗顔は当日から可能とされることが多いものの、力を入れて擦らないよう注意が必要です。

一般的に、施術翌日からはメイクをしても問題ないとされています。ただし、可能であれば5日程度はメイクを避けると回復を早められるでしょう。

乾燥して肌のバリア機能が低下すると刺激を受けやすくなるため、しっかりと保湿を行ってください。

食事や睡眠を十分にとる

炭酸ガスレーザーの施術後は、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠をとりましょう。食事では、ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどが多い、緑黄色野菜や果物がおすすめです。また、肌のターンオーバーが乱れないよう、質のよい睡眠を十分にとってください。

脂漏性角化症に関するよくある質問

脂漏性角化症に関するよくある質問と答えを紹介します。治療を受けるかの判断材料として、ぜひご覧ください。

脂漏性角化症は移りますか?

ウイルス性のイボと違って、脂漏性角化症は移りませんのでご安心ください。脂漏性角化症のおもな原因は、加齢や紫外線、遺伝だと考えられています。ほかの人だけでなく、体の別の部位に移ることもありません。

ただし、脂漏性角化症が複数出る場合があります。

脂漏性角化症は自分で除去できますか?

残念ながら、脂漏性角化症は自分では除去できません。市販の治療薬は、基本的にウイルス性のイボを対象としたものです。また、カッターやハサミなどによる除去は、傷や感染症につながります。完全に除去できなければ再発してしまうかもしれません。

さらに、脂漏性角化症ではなく皮膚がんであれば、適切な治療が必要です。安全に除去するためにも、脂漏性角化症が疑われる場合は、医療機関で治療を受けましょう。

脂漏性角化症の治療には保険が適用されますか?

保険適用の有無は、治療方法によって異なります。審美面での改善を目的とした治療は保険適用外です。

炭酸ガスレーザーによる治療は保険適用外となることが多いものの、傷跡が残りにくくきれいな仕上がりに期待できます。液体窒素による冷凍療法(凍結療法)は保険適用で費用を抑えられるものの、治療には痛みがあり、通常は複数回の治療が必要です。

費用だけでなく、術後の傷跡も考慮したうえで治療方法を選択しましょう。

脂漏性角化症に痛みやかゆみはありますか?

基本的に、脂漏性角化症に痛みやかゆみなどはありません。ただし、摩擦による炎症で、赤み・かゆみ・痛みなどの症状が出ることがあります。また、脂漏性角化症が大きくなる過程で、かゆみが生じる場合もあります。

脂漏性角化症の炭酸ガスレーザー治療の痛みが不安ならカウンセリングで相談!

脂漏性角化症の炭酸ガスレーザー治療には痛みがあるものの、麻酔での軽減が可能です。麻酔テープや麻酔クリームの使用により、施術中の痛みを感じることは少ないでしょう。痛みに対する不安が強い場合は、笑気麻酔を使用する方法もあります。

顔や首などにできやすい脂漏性角化症は、見た目への影響から治療を検討する人も多い疾患です。治療での痛みが不安なかたは、遠慮なくクリニックのカウンセリングで相談してみましょう。

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