肌の若返りで注目されている再生医療には、いくつか注意しておきたいデメリットがあります。デメリットを把握しておかないと、「イメージと違う」と感じられるかもしれません。
そこで、治療を検討する際は、デメリットも把握しておくことが大切です。
本記事では、肌の再生医療について、デメリットやメリットを紹介します。再生医療の種類や期待できる効果も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
肌の再生医療のデメリット

肌の再生医療で考えられるデメリットは、次の4つです。
- 費用が高い
- 効果に個人差がある
- 治療に時間がかかる
- ダウンタイムがある
肌の再生医療を検討しているかたは、事前にデメリットを確認しておきましょう。
費用が高い
再生医療は、費用の高さが大きなデメリットです。ほかの美容医療の施術と比べると、再生医療の費用は安価だとはいえません。
費用が高くなってしまうのは、細胞の培養や移植にコストがかかってしまうためです。また、細胞の注入には高い技術が求められます。そのため、一般的な美容クリニックでの施術よりも費用が高くなってしまうのです。
審美目的の治療は保険適用外で、高額療養費制度も適用されません。再生医療に興味があっても、費用がネックで難しいと思われるかたも多いでしょう。
ただし、再生医療は長期的な効果に期待できます。
効果に個人差がある
肌の再生医療は、効果に個人差があることもデメリットです。
再生医療は、肌に劇的な変化が出るような治療ではありません。肌が本来持っている力を利用し、時間をかけて自然に変化していくことが特徴です。もともとの肌の状態によっては「あまり効果が出なかった」と感じられる場合もあるでしょう。
時間がかかる
再生医療は、治療の種類によっては時間がかかるというデメリットもあります。
たとえば、再生医療のひとつである線維芽細胞移植は、自分自身の細胞を採取して移植する施術です。移植にあたっては、細胞の採取・培養・増殖を行います。細胞を定着させるためには、間隔をあけて複数回の移植を行わなくてはなりません。肌が本来持っている力で症状を改善する方法であるため、ほかの施術よりも効果が出るまでには時間が必要です。
さらに、効果を維持するためには定期的なメンテナンスを受ける必要があります。即効性を求めるかたには、向いていないかもしれません。
ダウンタイムがある
再生医療は、ダウンタイムがあることもデメリットです。
ダウンタイムでは赤みや内出血などが出る可能性があります。ただし、赤みや内出血は、ファンデーションやコンシーラーなどでカバーすることが可能です。症状が出たとしても数日で自然に治ります。
ダウンタイムがあるといっても、ほかの施術と比べると症状は軽く、期間も短めです。ダウンタイムの症状が強いときや長引くときは、クリニックで相談しましょう。
肌の再生医療のメリット

デメリットはあるものの、肌の再生医療には大きなメリットがあります。代表的なメリットは次の4つです。
- 肌の悩みの根本的な解決に期待できる
- 副作用やアレルギーのリスクが少ない
- 何歳からでも始められる
- 採取した細胞を保管できる
メリットについてもひとつずつチェックしてみましょう。
肌の悩みの根本的な解決に期待できる
再生医療は、肌の悩みの根本的な解決に期待できることが大きなメリットです。
たるみやシワなど、肌の悩みをお持ちのかたも多いでしょう。肌の悩みには、ヒアルロン酸やボトックスなどの注射による対処も可能です。薬剤を注射する方法は即効性があるものの、時間が経つと効果が薄れてしまいます。
しかし、再生医療なら根本的な解決がめざせるでしょう。自分自身の細胞を使う方法であるため、仕上がりも自然です。
拒絶反応やアレルギーのリスクが少ない
再生医療には、拒絶反応・アレルギーのリスクが少ないというメリットもあります。
自分自身の細胞を使う方法であるため拒絶反応が出にくく、人工的な薬剤を注入する方法と違い、副作用のリスクも低い方法です。そのため、安全性の高い治療方法だといえるでしょう。
ただし、細胞の採取時や移植時に使う麻酔薬に対し、アレルギーが出る場合があります。過去に麻酔薬でアレルギー症状が出たことがあるかたは、医師に相談しましょう。
何歳からでも始められる
再生医療は、何歳からでも始められることもメリットです。
肌の再生医療で行われる線維芽細胞移植では、自分自身の細胞を採取して増やして移植します。肌の老化が気になり始めてから細胞を採取しても問題はありません。
採取した細胞を保管できる
採取した細胞を冷凍保管して、好きなタイミングで治療できることも、再生医療のメリットです。移植を受けるたびに細胞を採取する必要はありません。
ただし、細胞を保管する期間に応じて料金が発生します。保管期間や料金はクリニックでの確認が必要です。
肌の再生医療の種類

代表的な肌の再生医療は「線維芽細胞移植」と「PRP療法」の2種類です。どのような治療なのか、ひとつずつ解説します。
線維芽細胞移植
耳の後ろなどから採取した細胞を培養・増殖して肌に注入する施術が、線維芽細胞移植です。クリニックによって名称には違いがあり、線維芽細胞療法と呼ばれることもあります。
細胞の採取時は局所麻酔を行うため、痛みはほとんどありません。
線維芽細胞療法は、肌のハリや弾力を取り戻すための施術です。時間がかかる方法ではあるものの、効果は長期間継続します。
PRP療法
血液から取り出した血小板を使い、肌の再生を促す施術が、PRP療法です。血液を加工して組織を再生する成分を抽出し、気になる部分に投与することで症状を改善します。
PRP療法は「多血小板血漿療法」とも呼ばれ、膝や肘などの痛みを緩和する治療でも使われている方法です。
肌の再生医療で期待できる効果
肌の再生医療で期待できる効果は次の2つです。
- たるみやシワを改善する
- 老化を遅らせる
おもな効果についてもチェックしてみましょう。
たるみやシワを改善する
再生医療では、たるみやシワなどの改善に効果が期待できます。肌の老化によって起こるのが、たるみやシワなどの症状です。
たるみやシワなどは、加齢や紫外線でのダメージなどで真皮にある線維芽細胞が減少し、コラーゲンやエラスチンの量が減ることで生じます。
再生医療を受けると、コラーゲンやエラスチンの量が増え、ハリや弾力が戻るでしょう。
肌の老化を抑制する
再生医療には、肌の老化を抑制する効果にも期待できます。再生医療を受けると、コラーゲンやエラスチンの生成が活発になるためです。
若いうちに治療を始めると、美肌効果の持続にも期待できます。肌の老化に悩んでいるかただけでなく、美肌を維持したいかたにもおすすめの治療です。
再生医療を受ける前に確認すべきポイント

肌の再生医療を検討する際は、以下の点を事前に確認しましょう。
- 治療にかかる総費用と支払い方法を確認する
- 効果が現れるまでの期間と持続期間を理解する
- ダウンタイムの症状と期間について説明を受ける
- 複数のクリニックで相談し比較検討する
- アフターケアや保証制度について確認する
再生医療を受ける際はデメリットを知っておくことが大切
肌の再生医療には、「費用が高い」「効果に個人差がある」など、いくつかのデメリットが存在します。時間がかかる治療方法であるため、「今すぐに肌の悩みを改善したい」と考えるかたには不向きかもしれません。
しかし、肌の再生医療では、シワやたるみなどの根本的な解決に効果が期待できます。拒絶反応やアレルギーのリスクが少なく、何歳からでも始められることも、再生医療のメリットです。
治療を受けるか検討する際は、ぜひメリットだけでなくデメリットも考慮してくださいね。
健やかで若々しい肌を保つために重要な細胞が「線維芽細胞」です。皮膚のたるみやシワが目立ってきたのなら、線維芽細胞の減少が原因なのかもしれません。しかし、「線維芽細胞がどのようなものか知らない」というかたもいらっしゃいますよね。
本記事では、線維芽細胞とはどのようなものか、わかりやすく解説します。線維芽細胞が減少するとどうなるかや、減る原因も解説しますので、ぜひご覧ください。
線維芽細胞とは?

線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは、皮膚や結合組織などに存在している、人間の身体にとって重要な役割を持つ細胞のひとつです。特に肌の健康に欠かせない細胞で、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生成します。
擦り傷や切り傷などを修復することも、線維芽細胞が持つ重要な働きです。線維芽細胞は、古い細胞を分解して新しい細胞を生成することで、肌の再生を促進します。
人間にとって重要な線維芽細胞ですが、さまざまな原因で減少していきます。現在のところ、線維芽細胞を増やす効果のある食べものやサプリメントなどは明らかになっていません。ただし、線維芽細胞は美容クリニックの「再生医療」で増やせます。また、美容クリニックの施術で、線維芽細胞を活性させることも可能です。
線維芽細胞が作り出す3つのたんぱく質
線維芽細胞は、若々しい肌に必要な以下3つのたんぱく質を作り出します。
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
肌の真皮で柱のような役割を持つのがコラーゲンです。コラーゲンをエラスチンがつなぎ止め、すき間をヒアルロン酸が埋めています。
3つのたんぱく質について、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
コラーゲン
コラーゲンは、人間の皮膚・靭帯・骨・血管・角膜などを構成する、重要なたんぱく質の一種です。全身のたんぱく質の約30パーセントを占めるのがコラーゲンで、細胞と細胞を結んだり、傷や組織を修復したりする役割があります。
体内のコラーゲン量のピークは18~29歳ごろです。40歳を過ぎると、年間10パーセントのコラーゲンが失われていくともいわれています。
肌にハリや弾力があるのは、コラーゲンの働きによるものです。また、コラーゲンは全身の健康にも大きく関係しています。
エラスチン
エラスチンも、線維芽細胞によって作られるたんぱく質の一種です。血管・皮膚・肺のような弾力のある組織に存在するエラスチンには、コラーゲンに絡みついてまとめる役割があります。
肌に伸縮性があるのは、エラスチンの働きによるものです。
コラーゲンと比べると分解されにくいものの、エラスチンは損傷すると再生が難しいという特徴があります。
また、エラスチンの多くは、胎児から新生児のあいだに体内で合成されたものです。エラスチンも年齢とともに壊れていくもので、基本的に再生しないとされています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸とはムコ多糖の一種で、体内にもともとある保水成分です。1グラムで6リットルもの水分を保つ力があり、肌にうるおいやハリを与えます。乾燥を防ぐこともヒアルロン酸の重要な役割です。関節の働きをよくする・目の形を保つといった働きもあります。
コラーゲンやエラスチンが十分でも、ヒアルロン酸がなければ肌のハリやツヤは保てません。ヒアルロン酸が不足すると、肌は乾燥し、シミやそばかすもできやすくなってしまいます。
ヒアルロン酸も、加齢とともに減っていくことが特徴です。70代になると、体内のヒアルロン酸量は、10~20代の20パーセントまで減少するといわれます。このヒアルロン酸を補う施術が、美容クリニックでのヒアルロン酸注射です。
線維芽細胞が減少するとどうなる?

線維芽細胞が減少すると、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の量も減ってしまいます。コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の減少で引き起こされるのが、肌の老化です。
肌の弾力や保湿力が低下するため、皮膚のたるみやシワなどが目立つようになるでしょう。また、線維芽細胞の減少が、骨粗しょう症や動脈硬化などにつながることもあります。
線維芽細胞が減るおもな原因
体内にある線維芽細胞は、さまざまな原因で減少したり機能が低下したりします。線維芽細胞の減少につながるおもな原因は以下の3つです。
- 加齢
- 紫外線やストレスなどによるダメージ
- 乾燥
3つの原因について、それぞれチェックしてみましょう。
加齢
線維芽細胞が減る特に大きな原因が加齢です。年齢を重ねると、次第に線維芽細胞は減少していきます。
紫外線によるダメージ
紫外線によるダメージも、線維芽細胞が減る原因です。若くても皮膚のたるみやシワが気になるのなら、紫外線が原因かもしれません。
紫外線には、体内の酸素や水分を活性酸素に変える働きがあります。活性酸素は、ほかの細胞を変化させたり破壊したりする物質です。
紫外線のほか、ストレスや喫煙によるダメージも線維芽細胞の減少につながります。
乾燥
肌の乾燥も、線維芽細胞が減る原因のひとつです。乾燥すると、皮膚のバリア機能が正常に働かなくなります。バリア機能が低下すると、線維芽細胞を維持できなくなってしまう仕組みです。
線維芽細胞に関するよくある質問

線維芽細胞に関するよくある質問を2つ紹介します。肌の老化を防ぐために、ぜひチェックしてみてください。
線維芽細胞の減少は防げる?
若々しい肌を維持するために、まずは線維芽細胞の減少を防ぎましょう。線維芽細胞の減少は、次のような方法で防げます。
- 紫外線対策をする
- 禁煙をする
- ストレスを解消する
- バランスのよい食事や質のよい睡眠をとる
- 保湿する
線維芽細胞の減少を防ぐには、生活習慣やスキンケアの見直しが効果的です。紫外線対策や禁煙も徹底しましょう。
線維芽細胞は増やせる?
線維芽細胞はクリニックの「再生医療」で増やすことが可能です。また、ニードルRFやフォトフェイシャルなど、線維芽細胞を刺激して活性化させる施術もあります。
真皮から採取した線維芽細胞を培養して肌に戻す施術が、再生医療です。自分自身の細胞を使う施術であるため拒絶反応のリスクが低く、長期にわたる効果に期待できます。自然な若々しさを手に入れたいのなら、再生医療も方法のひとつとして検討してみましょう。
ただし、再生医療で線維芽細胞を増やすためには時間が必要です。
線維芽細胞治療を受ける際の注意点
線維芽細胞に関する治療を検討する際は、以下の点に注意しましょう。
- 複数のクリニックで相談し比較検討する
- 再生医療の認可を受けたクリニックを選ぶ
- 治療内容とリスクについて十分説明を受ける
- 効果が現れるまでに長期間かかることを理解する
- アフターケア体制が整っているか確認する
肌の悩み解消は美容クリニックでの相談がおすすめ
年齢を重ねて肌のたるみやシワが気になっているのなら、線維芽細胞の減少が原因であるかもしれません。毎日のスキンケアだけで改善しない肌の悩みがあるときは、美容クリニックで相談してみる方法もあります。
線維芽細胞を増やせる方法として注目されているのが、肌の「再生医療」です。再生医療は時間がかかるものの、自分の細胞を使う方法であるため、自然な仕上がりに期待できるでしょう。短期間で効果を得たいかたには、ダーマペンやフォトフェイシャルなどの、線維芽細胞を活性化させる方法もおすすめです。
肌の悩みを解消したいとお考えのかたは、まず美容クリニックで相談してみてくださいね。
線維芽細胞移植には、どのようなリスクや副作用があるのでしょうか。メリットしか知らないと、「イメージと違った」と後悔することがあるかもしれません。移植を受ける際は、リスクや副作用について知っておくことも大切です。
本記事では、線維芽細胞移植のリスクや副作用について紹介します。移植後の注意点や流れも紹介しますので、施術を受けるかの検討材料として、ぜひご覧ください。
線維芽細胞移植とは?

線維芽細胞(せんいがさいぼう)移植とは、自分自身の肌細胞を培養して移植する治療のことです。肌に線維芽細胞が増えると、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などを作り出し、肌のハリや弾力が戻る効果に期待できます。
肌の真皮にあるのが線維芽細胞です。線維芽細胞は、加齢や紫外線によるダメージなどで減少していき、食事やサプリメントをとるだけでは増やせません。
線維芽細胞移植では、採取して培養した線維芽細胞を移植して、老化が起こる前の肌の状態へと戻します。自分の細胞を使う線維芽細胞移植は効果の出方が緩やかで、自然な仕上がりになることが大きな特徴です。移植に年齢制限はなく、どの年代であっても関係なく施術を受けられます。
「たるみやシワを根本的に改善したい」とお考えのかたにおすすめの施術です。額・頬・目尻・ほうれい線・首などを始め、さまざまな場所に施術できます。
線維芽細胞移植に期待できる効果
線維芽細胞移植を受けると、次のような効果に期待できます。
- 皮膚のたるみやシワを改善する
- 肌の老化を抑える
移植によって真皮の線維芽細胞が増えると、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などを再生成することができます。その結果として、たるみやシワなどを改善し、老化の進行を抑えられるでしょう。乾燥や顔全体の小じわなどにも効果が期待できる施術です。
線維芽細胞移植の効果が出るまでの期間
線維芽細胞移植の効果を実感するまでにかかる期間の目安は、1か月~3か月ほどです。効果が出るまでの期間には個人差があります。ヒアルロン酸注射やボトックス注射などとは違い、線維芽細胞移植は即効性の高い治療ではありません。
効果が持続する期間は、2~3年が一般的な目安です。6か月~1年に1度のペースで治療を受けると、継続的な効果が得られるでしょう。
線維芽細胞移植のリスク・副作用

線維芽細胞移植は自分自身の細胞を培養して増やし、活性化させて肌に戻す治療方法です。異物を注入する方法とは違い、アレルギーを起こす可能性は極めて低いでしょう。
ただし、移植では次のようなリスク・副作用が生じる可能性があります。
- 腫れや内出血
- 麻酔薬へのアレルギー
- 細胞の異常増殖による硬結やしこり
リスク・副作用についてもそれぞれ見ていきましょう。
腫れや内出血
線維芽細胞移植で考えられる代表的なリスクが、腫れや内出血です。細い注射針を使って細胞を移植するため、腫れ・内出血・赤みなどの症状が出ることがあります。
移植による症状が続く期間の目安は、1日~1週間です。切開を行わない施術であるため、腫れや痛みは短期間で落ち着きます。
症状が強い場合や長引く場合は、施術を受けたクリニックで相談しましょう。
麻酔薬へのアレルギー
自分の細胞を使う線維芽細胞移植は、アレルギーを起こすリスクが低い方法です。しかし、皮膚の採取や移植で使う麻酔薬でアレルギーが出ることがあります。麻酔薬のアレルギーで多いのは、赤み・発疹・腫れなどの症状です。また、アレルギーでは、呼吸困難やアナフィラキシーショックなどの症状が出る可能性もあります。
過去に麻酔薬でアレルギーやアナフィラキシーショックを起こした経験があるかたは、医師に相談してください。
細胞の異常増殖による硬結やしこり
稀ですが、線維芽細胞移植では、細胞の異常増殖による硬結やしこりが起こることもあります。硬結(こうけつ)とは、炎症やうっ血などが原因で、やわらかい組織が硬くなる現象のことです。
硬結やしこりなどの症状が出た場合は、施術を受けたクリニックを受診しましょう。
線維芽細胞移植後の過ごし方での注意点

移植後は過ごし方にも注意が必要です。過ごし方によっては、腫れや内出血などが悪化したり、細胞が定着しにくくなるおそれがあります。時期別の過ごし方での注意点も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
移植当日
移植当日はメイクや入浴を控えましょう。サウナもNGです。シャワーは当日から可能ですが、施術前に済ませておくことをおすすめします。
腫れや内出血を防ぐためにも、安静に過ごしましょう。
移植後1週間
移植後1週間は激しい運動を控えましょう。軽い運動であれば、移植の翌日から可能です。腫れや痛みがあるうちは、洗顔時に強くこすらないよう注意する必要があります。
移植後1か月
移植後1か月は、フェイシャルエステ・マッサージなど、肌への刺激となる施術を控えましょう。肌に過度な刺激を与えると、細胞が定着しにくくなるおそれがあります。
美容クリニックでほかの施術を受けているかたは、医師への確認が必要です。施術によっては、線維芽細胞移植との相乗効果に期待できる場合もあります。
線維芽細胞移植の流れ
線維芽細胞移植を検討しているのなら、どのように進めるのか、流れも確認しておきましょう。治療にあたっては何度か通院する必要があります。移植の一般的な流れを紹介しますので、ぜひご覧ください。
1. クリニックで問診やカウンセリングを受ける
移植を希望する場合、まずはクリニックでの問診やカウンセリングが必要です。カウンセリングでは、肌の状態の確認も行われます。疑問があればカウンセリングで確認しておきましょう。
2. 検査を受ける
感染症の有無などを調べる血液検査を受けます。結果が出るまでには、おおよそ1週間かかります。
3. 線維芽細胞の採取や採血を行う
血液検査の結果に問題がなければ、耳の後ろの皮膚を採取します。耳の後ろから皮膚を採取するのは、紫外線の影響が少なく、傷痕も目立ちにくいためです。
局所麻酔を行うため、採取時の痛みはほとんどありません。採取する皮膚は米粒程度の大きさで、ごくわずかです。皮膚の採取後は、細胞を培養するための血液を採ります。
採取できるのは自分の線維芽細胞のみです。安全に施術を行うため、子どもや兄弟姉妹など、自分以外の線維芽細胞を移植することはできません。
4. 線維芽細胞の培養が行われる
専門の施設で、採取した線維芽細胞の培養が行われます。線維芽細胞の培養にかかる期間は、4~6週間です。
5. 線維芽細胞を移植する
大量に培養した線維芽細胞を、肌の気になる部位に注射して移植します。初回の移植は細胞を定着させるために、3か月程度あけて2回を一連の治療としておこない、以降は6~12か月おきのメンテナンスを行います。
移植後は医師の指示に従って過ごしましょう。
6. 定期検診を受ける
移植後は定期検診を受けます。定期検診のタイミングはクリニックで相談しましょう。料金はかかるものの、採取した細胞を保管しておくことも可能です。
線維芽細胞移植を安全に受けるための注意点
線維芽細胞移植を安全に受けるために、以下の点に注意しましょう。
- 再生医療の届け出を行っているクリニックを選ぶ
- リスクや副作用について十分な説明を受ける
- 過去の麻酔薬アレルギーについて医師に伝える
- 移植後の過ごし方について指示を守る
- 異常を感じたらすぐにクリニックに相談する
線維芽細胞移植は肌の悩みの改善に効果的な方法
線維芽細胞移植は、加齢や紫外線によるダメージなどによるたるみやシワなどの改善に効果的な方法です。即効性はないため、効果を実感するまでには時間がかかります。
線維芽細胞移植は自分自身の細胞を採取して使う方法であるため、拒絶反応が起こる可能性は低いでしょう。ただし、腫れ・内出血・麻酔薬へのアレルギーなどを引き起こすリスクがあります。
公的医療保険が適用されない自由診療となるものの、線維芽細胞移植は長期的な効果に期待できる施術です。
興味があるかたは、ぜひクリニックでカウンセリングを受けてみてください。
「再生医療」とはどのようなものなのでしょうか。詳しく知らないというかたも多いでしょう。
本記事では再生医療とはどのようなものか、わかりやすく紹介します。再生医療が応用されている分野やメリット・デメリットなども紹介しますので、ぜひご覧ください。
再生医療とは?

再生医療とは、病気・ケガ・加齢などによって失われた機能や組織の再生を目的とした医療技術のことです。
人間の体内に存在する幹細胞は、損傷すると細胞分裂を行い損なわれた機能を修復します。この修復機能を応用しているのが再生医療です。細胞や血液などを培養して移植し、組織や臓器などを修復して治療を行います。
2014年には、再生医療等の安全性の確保等に関する法律も施行されました。現在も、さまざまな分野で研究・応用が進められています。
再生医療が応用されている代表的な分野
再生医療は多くの分野で応用されています。代表的な分野として挙げられるのが、膝の治療、全身性疾患の治療です。
また、肌の悩みを根本から解決する方法として、美容医療でも注目されています。
膝の治療
膝の治療では、PRP療法と呼ばれる再生医療が活用されています。PRP療法とは、患者自身の血液を加工して組織の再生に関する成分を抽出し、患部に戻す治療法です。
次のような病気やケガは、PRP療法で痛みの緩和や組織の修復に期待できます。
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 腰痛
PRP療法は保険適用外で、自費診療です。
全身性疾患の治療
再生医療は、心臓病・糖尿病など全身性疾患の治療にも応用されています。
心不全の新しい治療方法として注目されているのが、再生医療です。これまで、重症化した心不全では、ペースメーカーを埋め込む手術や心臓移植などの方法が採用されていました。しかし、人工心臓には感染や脳梗塞などの問題があります。また、心臓移植を受けるためには、ドナーを見つけなくてはなりません。人工心臓や心臓移植の問題解決に役立っているのが、iPS細胞を使った再生治療です。
美容医療
再生医療は、美容医療の分野でも応用が進められています。
代表的な方法が、老化によるシワやたるみの改善を目的とした、「線維芽細胞移植」です。線維芽細胞移植では、耳の後ろなどからごく少量の皮膚を採取し、細胞を培養して移植します。
また、美容の分野では、毛髪の再生を目的とした治療も研究が行われています。将来的には、再生医療によって毛髪の再生が実現するかもしれません。
再生医療のメリット

再生医療には、以下の大きなメリットがあります。
- 根本的な治療に期待できる
- 副作用や拒絶反応が少ない
2つのメリットについて解説します。
根本的な治療に期待できる
再生医療には、根本的な治療に期待できるというメリットがあります。組織や臓器を再生できると、根本的な治療が可能です。
たとえば美容医療では、ヒアルロン酸を注射して肌の悩みを解消する方法があります。即効性に期待できるヒアルロン酸注射ですが、効果は一時的なものです。効果を持続させたいなら、繰り返し施術を受けなくてはなりません。しかし、再生医療で行われている線維芽細胞移植では、長期的かつ自然な効果に期待できます。
副作用や拒絶反応が少ない
自分自身の細胞を使って治療をする再生医療は、拒絶反応や副作用が少ないというメリットもあります。
拒絶反応とは、移植された臓器や組織を「異物」として認識し、免疫システムが排除しようとする仕組みのことです。自分自身の細胞を移植する方法なら、拒絶反応を起こすリスクが低くなります。
また、薬剤を使わないため、副作用のリスクを軽減することも可能です。
従来の移植や薬剤投与と比べると、安全性の高い治療方法だといえるでしょう。
再生医療のデメリット

以下のようなデメリットもあるため、再生医療を受ける際は十分な検討が必要です。
- 費用が高額になる
- 効果に個人差がある
- 治療できるクリニックが限られる
代表的な3つのデメリットについて解説します。
費用が高額になる
再生医療の特に大きなデメリットが、治療の種類によっては保険適用外で費用が高額になることです。
最先端の技術を用いる再生医療はコストが大きく、数十万~数百万円の費用がかかる場合もあります。保険適用外となる治療には、高額療養費制度が適用されず、全額自己負担です。治療を希望していても、高額な費用が原因で断念せざるを得ない場合もあるでしょう。
ただし、以下のように保険適用で受けられる再生医療もあります。
- 膝関節の外傷性軟骨欠損症
- 重症熱傷の皮膚再生
- 再発又は難治性の多発性骨髄腫
保険適用で受けられる再生医療には、高額療養費制度も適用されます。そのため、再生医療というだけで治療を諦める必要はありません。再生医療を希望するにあたって費用が不安なかたは、保険適用できる治療なのかクリニックで確認してみましょう。
効果に個人差がある
効果に個人差があることも、再生医療のデメリットのひとつです。人によっては、期待していたとおりの効果が出なかったり、長続きしなかったりする可能性もあります。
保険適用外の再生医療は治療費が高額です。「高い費用を払っても思うような結果にならなかった」と感じることがあるかもしれません。
後悔しないよう、再生医療を受ける際はカウンセリングでしっかりと説明を受けることが重要です。症例写真や実際の体験談なども参考として役立ちます。
治療を行っているクリニックが限られる
再生医療は、治療を行っているクリニックが限られることもデメリットのひとつです。
すべての病院で再生医療が受けられるわけではありません。再生医療等安全性確保法にもとづき、再生治療を提供できるのは、厚生労働省への届け出を受理されたクリニックに限られます。治療できるクリニックが限られているのは、再生医療がまだ新しい治療法で、安全性に注意する必要があるためです。
居住エリアによっては、近くで再生医療が受けられない可能性があります。
再生医療を受ける際の注意点

再生医療を検討する際は、以下の点に注意しましょう。
- 厚生労働省に届け出を行っているクリニックを選ぶ
- 治療内容とリスクについて十分な説明を受ける
- 費用や効果について納得してから治療を受ける
- 複数のクリニックで相談し比較検討する
- アフターケア体制が整っているか確認する
再生医療は機能を回復させる治療
再生医療は、病気・ケガ・加齢などで失われた組織や臓器などの機能を回復させる治療です。保険適用外となる治療が多いものの、身体への負担を抑えて機能を回復させられる可能性があります。
今後ますます再生医療は発展し、身近なものになっていくことでしょう。
美容医療の分野でも、すでに再生医療が応用されています。肌のハリや弾力を取り戻す方法として注目されているのが、線維芽細胞移植です。
興味をお持ちのかたは、ぜひクリニックのカウンセリングにてご相談ください。
若々しい肌を維持する役割を持つ細胞が「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」です。加齢や紫外線によるダメージなどで線維芽細胞は減少し、肌のハリや弾力が失われます。
それでは、線維芽細胞は増やすことができるのでしょうか。日常的なケアで増やしたいとお考えのかたもいらっしゃいますよね。
本記事では、肌にとって重要な線維芽細胞を増やす方法について紹介します。線維芽細胞の減少を防ぐ方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
線維芽細胞が生み出す3つの成分

線維芽細胞は、若々しい肌に欠かせない、3つの成分を生み出す細胞です。
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
線維芽細胞は年齢を重ねると次第に減少していきます。その結果、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸なども減ってしまうのです。
3つの成分が持つ役割をかんたんに紹介します。
コラーゲン
真皮のうち70パーセントを占めるのが、たんぱく質の一種であるコラーゲンです。コラーゲンは、肌にハリや弾力を与えます。また、目・髪などの健康維持にも欠かせない成分です。
エラスチン
エラスチンもたんぱく質の一種です。ゴムのような伸縮性があり、コラーゲンに絡みついてまとめる役割を持っています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸はムコ多糖の一種で、水分を保つ役割を持つ成分です。肌の乾燥を防ぎ、うるおいやハリを与えます。
線維芽細胞を増やす方法

線維芽細胞は、クリニックでの医学的なアプローチによってその機能を高めることが可能です。大きくわけると次の2種類があります。
- 線維芽細胞移植を受ける(再生医療)
- ニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受ける(美容医療)
2つの方法について、それぞれ解説します。
線維芽細胞移植を受ける(再生医療)
線維芽細胞を増やす効果的な方法が「線維芽細胞移植」です。線維芽細胞移植では、耳の後ろの皮膚などから線維芽細胞を採取して培養し、増殖・活性化して気になる部分に移植します。
移植に使うのは自分自身の細胞です。そのため、拒絶反応が起こりにくく、安全性の高い施術となっています。
採取した線維芽細胞は冷凍保管しておくことも可能です。移植された線維芽細胞は、再びコラーゲンやエラスチンなどを生成するため、たるみやシワなどの改善に効果が期待できます。
注射とは違い、線維芽細胞移植は長期的に効果が続く方法です。ただし、個人差はあるものの、効果を実感するまでには時間がかかります。
根本的に肌の悩みを解決したいかたは、線維芽細胞移植を方法のひとつとして検討してみましょう。
ニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受ける
美容クリニックでニードルRFやフォトフェイシャルなどの施術を受け、線維芽細胞を刺激して活性化する方法もあります。
傷ついた肌を治すことも、線維芽細胞が持つ重要な働きのひとつです。肌が傷つくと、線維芽細胞が活発に代謝をして傷を治そうとします。この仕組みが「創傷治癒」です。美容クリニックでは、創傷治癒のメカニズムを使ったさまざまな施術を行っています。
ニードルRFは針による物理的な刺激と高周波で線維芽細胞を活性化させる施術です。フォトフェイシャルや医療ハイフは、熱ダメージを使って線維芽細胞を刺激します。
短期間で効果を得たいかたは、ニードルRFやフォトフェイシャルなどの美容医療施術を検討してみるのもよいでしょう。
線維芽細胞の減少を防ぐ方法

線維芽細胞は日々のケアで「減らさないようにすること」も大切です。生活習慣やスキンケアの見直しで、線維芽細胞の減少を防ぎましょう。線維芽細胞の減少を防ぐには、次のような方法があります。
- 紫外線対策をする
- ストレスを解消する
- 禁煙する
- 栄養バランスのよい食事をとる
- 質のよい睡眠をとる
- 肌の保湿をする
6つの方法をそれぞれ紹介しますので、ぜひ日常生活に取り入れてみましょう。
紫外線対策をする
線維芽細胞を減らさないよう、季節や天候にかかわらず、紫外線対策を徹底しましょう。
肌の老化を進行させる大きな原因のひとつが紫外線です。紫外線は、真皮にある線維芽細胞に大きなダメージを与えます。
紫外線対策には、日焼け止め・日傘・帽子などの活用がおすすめです。また、紫外線は窓ガラスを通り抜けて室内にも届きます。室内での紫外線対策には、UVカットのカーテンや窓ガラスフィルムなどが便利です。
ストレスを解消する
線維芽細胞の減少を防ぐには、ストレスを解消することも大切です。
ストレスを感じると「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは線維芽細胞の働きを抑制する働きのあるホルモンです。強いストレスでコルチゾールが大量に分泌されると、コラーゲンやエラスチンなどの生成量が減少してしまいます。
とはいえ、ストレスをなくすのは難しいものです。ストレスを感じたら、なるべく早めに解消するよう意識してみましょう。
禁煙する
線維芽細胞の減少を防ぐなら、禁煙もおすすめの方法です。
喫煙すると活性酸素が発生して、線維芽細胞の働きが弱くなります。また、喫煙は肌のターンオーバーの乱れを引き起こす原因のひとつです。ターンオーバーが乱れると、肌の乾燥やシワなどが目立ちやすくなってしまいます。
喫煙の習慣があるかたは、ぜひ禁煙を検討してみましょう。すぐ禁煙するのが難しい場合も、節煙を心がけてみてください。
栄養バランスのよい食事をとる
線維芽細胞を減らさないようにするためには、栄養バランスのよい食事をとることも大切です。細胞を活性化させるためには、栄養バランスのよい食事が欠かせません。また、酸化と糖化は肌の老化につながります。
毎日の食事では、栄養のバランスを意識してみましょう。
質のよい睡眠をとる
肌のターンオーバーを促すためにも、質のよい睡眠をとりましょう。十分な睡眠は、正常な基礎代謝につながります。
睡眠は時間の長さだけでなく、「質」が大切です。毎日長時間眠っているとしても、「眠りが浅い」「疲れがとれない」と感じるのなら、睡眠の質に問題があるのかもしれません。
睡眠の質を高めるには、次のような方法があります。
- ぬるめのお風呂に入ってリラックスする
- 就寝3時間前に食事を済ませる
- 寝室の温度や湿度を整える
- 適度な運動をする
睡眠の質を高められるよう、ぜひ上記の方法を取り入れてみましょう。
肌の保湿をする
線維芽細胞の減少を防ぐには、肌の保湿をすることも大切です。肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下して、線維芽細胞を維持できなくなってしまいます。
入浴や洗顔のあとは化粧水・乳液・クリームなどを使い、忘れずに保湿を行いましょう。
クリニック選びのポイント

線維芽細胞に関する治療を受ける際は、以下の点を確認してクリニックを選びましょう。
- 複数のクリニックでカウンセリングを受ける
- 医師の専門性と実績を確認する
- 施術のリスクや副作用について十分な説明を受ける
- アフターケア体制が整っているか確認する
- 費用だけでなく治療の質を重視する
線維芽細胞は医学的アプローチで増やせる!
肌にハリや弾力を与える成分を作り出す線維芽細胞は、加齢や肌へのダメージによって減っていきます。線維芽細胞を増やす方法が、美容クリニックでの線維芽細胞移植です。また、美容クリニックの施術で線維芽細胞を刺激して活性化する方法もあります。
肌の悩みを解消したいとお考えのかたは、線維芽細胞を増やす方法が効果的です。悩みを解消する方法のひとつとして、線維芽細胞移植を検討してみてはいかがでしょうか。