眉下切開

80代女性/眉下切開(上まぶたの皮膚切除 10mm)

術前80代女性 眉下切開 術前 正面・開瞼(両目・目もと)
術後2ヶ月80代女性 眉下切開 術後2ヶ月 正面・開瞼(両目・目もと)
この症例のまとめ
施術眉下切開(上まぶたの皮膚切除 10mm・両側)
麻酔局所麻酔(日帰り手術)
費用保険適用(金額は「06 費用とリスク」に記載)
ダウンタイム腫れ・内出血 1〜2週間程度/傷の赤みは数ヶ月かけて落ち着きます
通院抜糸(術後6日)、経過診察(術後1ヶ月・2ヶ月)

01ご相談内容

ご相談はまぶたの重さで、内容は次のようなものでした。

  • 目が重い。なんとかしたい
  • ただし、二重にはしたくない

まぶたを軽くしたいという希望と、目もとの見た目は変えたくないという希望が、はっきり分かれていました。この2つをどう両立させるかが、そのまま治療方針の問題になります。

02診断・見立て

診察でまず確認したのは、目を開ける力そのものが弱っていないかです。この方は目を開ける力は良好に保たれていました。

一方で上まぶたの皮膚のたるみが強く、まつげの上に皮膚が乗っている状態でした。そのため眉を大きく引き上げて、なんとか目を開けている形になっていました。

「上がらない」のではなく、「かぶさっている」

まぶたが重いという訴えには、大きく2つの原因があります。まぶたを持ち上げる力が弱っている(眼瞼下垂)のか、上から皮膚がかぶさっているのか。同じ「重い」でも、原因が違えば手術も変わります。

この方は力は残っていて、かぶさりが問題でした。ですから、まぶたを持ち上げる仕組みに手を加える眼瞼下垂の手術ではなく、余っている皮膚を取る眉下切開が適応になります。

「二重にはしたくない」に、眉下切開が答えになる理由

上まぶたのたるみを取る方法には、二重のラインで皮膚を切除する方法もあります。ただしこの方法では、二重のラインが新しくできるか、もともとのラインがはっきり変わります。

眉下切開は切開線を眉のすぐ下に置くので、まぶたそのものには手を加えません。二重をつくらずに、かぶさっている皮膚だけを減らせます。「重さは取りたい、でも二重にはしたくない」という希望に、この術式がそのまま答えになります。

03施術内容

  • 術式 眉下切開(上まぶたの皮膚切除 10mm・両側)
  • 麻酔 局所麻酔(日帰り手術)

デザインは左右とも切除幅10mmとしました。かぶさりが強く、まつげの上まで皮膚が乗っていたため、眉下切開のなかでは大きめの切除幅です。

80代女性 眉下切開 手術直前 切開線のデザイン

手術直前、切開線をデザインしたところです。眉毛の下縁が、ほんの少し眉毛の中に入り込む位置に線を置きます。ここが眉下切開でいちばん大事なところです。眉毛から離して下に引いてしまうと、傷と眉毛の間に隙間が空き、そのぶん傷が目立ちやすくなります。わずかに毛の生えている範囲へ食い込ませることで、生えてくる毛が傷に重なって隠れます。

80代女性 眉下切開 術前 閉瞼(上まぶたに余った皮膚)

術前の目を閉じた状態です。上まぶたに皮膚がはっきり余っているのが分かります。眉下切開で取るのは、この余った皮膚です。

04経過・ダウンタイム

各時点で、開けたところ(左)と閉じたところ(右)を並べています。傷そのものは、目を閉じた写真で見えます。

腫れと内出血は1〜2週間程度で大きく引きます。抜糸は術後6日に行いました。

術前
80代女性 眉下切開 術前 開瞼
80代女性 眉下切開 術前 閉瞼

皮膚のかぶさりがまつげの上に乗り、目が小さく見えています。眉が大きく引き上がっているのも見ていただきたい点です。かぶさりを補うために、眉を上げ続けている状態です。

術後1ヶ月
80代女性 眉下切開 術後1ヶ月 開瞼
80代女性 眉下切開 術後1ヶ月 閉瞼

腫れが落ち着き、まつげの上の皮膚がなくなって目の形が見えるようになりました。眉の位置も下がっています。閉じた写真では眉毛の下に傷の赤みが残っていますが、この時期がおおむね赤みのピークです。

術後2ヶ月
80代女性 眉下切開 術後2ヶ月 開瞼

目もとの印象を変えずに、かぶさりだけが減りました。ただし、ここはまだ途中の時点です。目の上には縦じわの突っ張りがまだ残っています。これは時間をかけてやわらいでいきます。傷についても、眉下切開ではおおむね3ヶ月から半年ほどかけてかなり目立ちにくくなり、そこが終点ではありません。その先も時間をかけて周りの皮膚に馴染んでいきます。

05結果・ポイント

この症例の要点は、「二重にはしたくない」という希望に応えられる手術がある、ということです。上まぶたのたるみを取る方法はひとつではありません。まぶた側から取るか、眉の下から取るかで、目もとの見え方の変わり方がまったく違います。

眉下切開は二重のラインに触らずに、かぶさりだけを減らせます。「重さは取りたいが、いまの目もとの印象は変えたくない」という方に向く術式です。

もうひとつ、目を開ける力が保たれているかどうかが分かれ目になります。力が残っていて「重い」と感じている場合、原因は上からのかぶさりです。ここを診察で見分けないと、術式の選択を誤ります。

術前と術後で眉の位置が下がっているのも見ていただきたい点です。かぶさりがある間は眉を上げて視野を補っていました。まぶたが軽くなるとその必要がなくなり、眉は自然な高さに戻ります。

年齢についても一言添えます。年齢だけで手術の可否が決まるわけではありません。判断するのは、まぶたの状態と全身の状態です。局所麻酔の日帰り手術ですので、体への負担は比較的小さく済みます。

06費用とリスク

費用

保険適用の手術です。自己負担額は加入している保険と負担割合によって変わります(3割負担の場合で5万円程度が目安)。別途、診察料と処方薬代がかかります。自費の場合は265,000円です。

主なリスク・副作用

内出血・腫れ(1〜2週間程度)、傷の赤み(数ヶ月かけて目立たなくなります)、左右差、眉の位置や形の変化、傷あとの盛り上がり、まぶたの閉じにくさ、傷の周りの知覚の鈍さ(数ヶ月で戻ります)、感染など。
牧野 潤 医師(形成外科専門医)
牧野 潤
JSKINクリニック東京銀座 代表医師/慶應義塾大学病院 形成外科(美容)特任助教
日本形成外科学会認定 形成外科専門医/日本美容外科学会(JSAPS) 正会員