この記事では眼瞼下垂手術後の注意点について解説します。

眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、まぶたを開ける機能が低下し、まぶたが垂れ下がったような状態になることで視野が狭くなり、見えにくくなる状態のことです。

初期の眼瞼下垂には自覚症状がほとんどないため、まったく気づかずに過ごしている人も多く見られます。

しかし、眼瞼下垂は進行する病気です。症状が進んでくると見えにくくなり始め、目周りに老け感がでるだけでなく、日常生活において頭痛や肩凝りなどの症状が出る場合もあります。

眼瞼下垂の手術の種類と特徴

眼瞼下垂の治療は、基本的に手術が最も効果的であり、症状の原因や程度に応じて複数の術式が選択されます。以下に代表的な手術方法とその特徴を解説します。

  • 挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ):
    眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)及びその腱膜が加齢とともに伸びていくと、まぶたを開ける機能が低下します。その筋肉を短縮して再固定することで、元々の機能を回復させる手術です。軽度から高度の眼瞼下垂まで全般に適しており、比較的自然な仕上がりが期待できます。
  • 眉毛下余剰皮膚切除術(眉下切開、眉下リフト):
    まぶたの皮膚のたるみを改善する治療です。垂れ下がったまぶたのたるみによって、まぶたが開けにくく感じられたり、目が小さくなったように見えることがあります。このまぶたのたるみを軽減することで、本来の目の形に戻り、目をあけやすくなる効果があります。眉毛の下縁にきずが隠れるため、きずも目立ちにくい治療です。
  • 前頭筋吊り上げ術(ぜんとうきんつりあげじゅつ):
    挙筋の機能がほとんど失われている場合に、おでこの筋肉(前頭筋)の力を利用してまぶたを持ち上げる手術です。非常に重度の眼瞼下垂や先天性の症例に適用されますが、仕上がりがやや人工的になる場合があります。
  • 埋没式挙筋短縮術(切らない手術):
    メスを使わず糸で筋肉を固定する方法で、軽度の眼瞼下垂に適しています。ダウンタイムが短く、術後の腫れも比較的少ないため、手術に抵抗がある方に人気です。ただし、適応範囲が限られます。

これらの手術は、症状の程度や患者の希望に応じて選択されます。医師との十分な相談が重要です。

術後の一般的な経過と症状

眼瞼下垂の手術直後に見られる主な症状として、腫れ、内出血、痛み、違和感が挙げられます。これらの症状は術後の経過に伴い徐々に改善しますが、日常生活への影響を考慮することが重要です。

これらの症状は個人差が大きいため、手術前に医師と十分に相談し、術後のケアや生活の調整について計画を立てることが重要です。

腫れと内出血

術後の腫れは、炎症反応によるもので、術後2~3日目がピークとなります。その後、1~2週間程度で徐々に引いていき、1か月も経てばほとんど気にならなくなることが一般的です。腫れの程度は手術方法や個人差によりますが、術後48時間以内に患部を冷やすことで軽減が期待できます。

また、内出血は皮下に血液が溜まることで青紫色に見える症状で、通常1~2週間程度で目立たなくなります。内出血の色は時間とともに紫色調から黄色調に変化し、最終的には自然に消失します。

痛み

術後の痛みは比較的軽度で、締め付け感や違和感を伴うことがあります。痛みのピークは術後当日~翌日で、基本的には鎮痛剤の内服で対処可能です。強い痛みが続く場合や異常な症状が見られる場合は、医師の診察が必要です。

違和感

術後は、まぶたに締め付け感や異物感を感じることがあります。これらの違和感は、術後1~2週間で軽減することが多いですが、1か月以上続く場合は医師に相談することが推奨されます。また、術後の腫れや糸の固定による一時的な感覚の鈍さや知覚過敏が生じることもあります。

日常生活への影響

術後のダウンタイムは、腫れや内出血が目立つ期間を含めて1~2週間程度と考えられます。この間、外出や仕事に支障をきたす可能性がありますが、メイクで隠せる程度の症状に落ち着く場合もあります。術後は目をこすらない、激しい運動や入浴を控えるなどの注意が必要です。

回復の目安

眼瞼下垂の手術後、腫れが引くまでの期間や日常生活に戻れるタイミングについては、個人差があるものの、一般的な目安があります。

腫れが引くまでの期間

術後の腫れは、通常2~3日目がピークとなり、その後徐々に軽減していきます。1~2週間程度で目立つ腫れはほぼ引き、1か月も経てばほとんど気にならなくなるケースが多いです。術後48時間以内に患部を冷やすことで、腫れを軽減する効果が期待できます。

日常生活に戻れるタイミング

日常生活への復帰は、腫れや内出血の程度によりますが、軽い家事やデスクワークであれば術後翌日から再開できることが一般的です。ただし外出や人前に出る場合、腫れや内出血がある程度目立たなくなるまで1週間程度はかかるため、その点を考慮する必要があります。特に、仕事や学校などのスケジュールがある場合は、術後のダウンタイムを考慮して計画を立てることが重要です。

注意点

術後は、以下の点に注意することで回復を早めることができます。

  • 冷却ケア: 術後数日は患部を冷やすことで腫れを抑える効果があります。
  • 安静: 激しい運動や目をこする行為は避け、患部を刺激しないようにしましょう。
  • 生活習慣の見直し: 塩分を控えた食事や十分な睡眠を心がけることで、体の回復を促進できます。

これらを踏まえ、術後の経過を観察しながら無理のない範囲で日常生活に戻ることが推奨されます。術後の症状や回復状況について不安がある場合は、医師に相談することが大切です。

術後における日常生活での注意点

眼瞼下垂手術後の1週間は、回復を促進し、合併症を防ぐために特別な注意が必要です。以下に、日常生活での注意点を具体的に解説します。

手術後1週間の過ごし方

  • 安静を保つ
    術後数日は体を休め、無理な活動を避けましょう。特に、重い物を持ち上げたり、激しい運動をしたりすることは控えてください。
  • 頭を高くして寝る
    腫れを軽減するため、枕を使い頭を少し高くした状態で仰向けに寝るようにすると、腫れが軽減しやすいです。
  • 目を守る
    目をこすったり、圧力をかけたりしないよう注意してください。また、コンタクトレンズの使用は念のため避け、必要に応じて眼鏡を使用しましょう。

入浴やシャワーの注意点

  • シャワー
    手術翌日からシャワーを浴びることは可能ですが、目元に直接強い水圧を当てないように注意してください。洗顔も翌日以降優しくであれば可能です。顔を拭く際は濡れたタオルで軽く拭く程度に留めましょう。
  • 入浴
    血行が良くなりすぎると腫れや内出血が悪化する可能性があるため、術後1週間は湯船に浸かることを控え、シャワーで済ませることが推奨されます。

飲食に関する注意

  • 塩分を控える
    塩分の多い食事は体内の水分を保持し、腫れを悪化させる可能性があるため、控えめにしましょう。
  • 栄養バランスを意識
    ビタミンCや亜鉛を含む食品(柑橘類、ナッツ、種子類など)を摂取することで、傷の回復を促進できます。また、十分な水分補給も重要です。
  • アルコールと喫煙を避ける
    アルコールは炎症を悪化させ、喫煙は血流を妨げて回復を遅らせるため、術後は控えるべきです。

傷跡ケアの方法

  • 清潔を保つ
    創部を清潔に保つことも重要です。ただし消毒液をつけるなどの処置は不要です。翌日から優しく洗顔を再開し、洗顔後も優しくふき取ることで、創部を清潔に保つことが大切です。。
  • 抗生物質軟膏の使用
    医師から処方された軟膏を傷口に塗布し、感染を防ぎます。塗布時はこすらず、軽く優しく塗布するようにしてください。

これらの注意点を守ることで、術後の回復をスムーズに進め、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。術後の経過に不安がある場合は、速やかに医師に相談してください。

この記事では50代のためのまぶたのたるみと手術について解説します。

まぶたのたるみが50代で目立ちやすくなる理由

50代でまぶたのたるみが目立つのは、加齢による皮膚や筋肉の変化、紫外線ダメージ、生活習慣の影響が複合的に作用するためです。

  • 加齢による皮膚の変化:
    まぶたの皮膚は顔の中でも特に薄く、様々な刺激に対して敏感です。そのため加齢によりコラーゲンやエラスチンが減少して弾力を失い、たるみが起こりやすくなります。
  • 筋肉の衰え:
    まぶたを引き上げるときに作用する眼瞼挙筋の機能が低下したり、腱膜が伸びてしまうことで、まぶたを引き上げる力が低下していきます。長時間のスマホやPCの使用も影響します。
  • 紫外線ダメージ:
    紫外線がコラーゲンを破壊し、まぶたの薄い皮膚にダメージを与えるため、たるみが進行します。
  • 生活習慣の影響:
    睡眠不足や不規則な生活、喫煙、目をこするクセなど、日々の生活における様々な刺激皮膚の老化を促進します。
  • ホルモンバランスの変化:
    更年期による女性ホルモンの低下で、コラーゲン生成が減少し、肌のハリが失われます。

これらの要因を理解し、適切なスキンケアや生活習慣の改善、必要に応じて美容医療を検討することで、たるみの進行を抑えることが可能です。

代表的なまぶたのたるみ手術の種類とその効果

1. 切開を伴う外科手術

切開法は、余分な皮膚や脂肪を取り除くことで、まぶたのたるみを根本的に改善する方法です。以下のような手術が代表的です。

眼瞼下垂手術

  • 方法: まぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)の腱膜を修復し、まぶたの開きを改善します。
  • 効果: まぶたのたるみだけでなく、視野の改善や額のシワ軽減、肩こりの緩和なども期待できます。
  • 適応: たるみが重度で、視界に影響が出ている場合に適しています。
  • メリット: 見た目の改善だけでなく、機能的な問題も解消できます。
  • デメリット: ダウンタイムが必要で、術後の腫れが数週間続く場合があります。またまぶたのたるみを切除できる程度には限界があるため、眉下切開術が優先されることがあります。

上眼瞼皮膚切除術

  • 方法: 二重のラインに沿って切開し、まぶたの余剰な皮膚や脂肪を取り除きます。
  • 効果: たるみを根本的に解消し、二重幅を調整することも可能です。視野の改善や若々しい目元を取り戻す効果があります。
  • 適応: 皮膚のたるみが進行している場合や、二重幅が狭くなった方に適しています。
  • メリット: 効果が長期間持続し、劇的な変化が期待できます。
  • デメリット: ダウンタイムが1~2週間程度必要で、腫れや内出血が生じる可能性があります.

眉下切開術

  • 方法: 眉毛の下のラインに沿うように皮膚を切開し、余分な皮膚を取り除きます。
  • 効果: 特に外側の目元のたるみを改善します。そのため元々丸かった目が三角に小さくなってきたと感じる方には効果がより期待しやすいといえます。
  • 適応: まぶたの皮膚の被さりが強い方、まぶたの皮膚が厚い方、まぶたのたるみで目が小さく見えるようになった方に適しています。
  • メリット: 傷跡が眉毛に隠れるため目立ちにくく、自然な仕上がりが期待できます。
  • デメリット: 眉毛の位置とのバランスを踏まえたデザインが重要です.また、まぶたの内側のたるみの改善効果は乏しいことがあります。

2. 切開を伴わない法(糸やレーザーを使用した方法)

非切開法は、メスを使わずにたるみを改善する方法で、ダウンタイムが短いのが特徴です。

埋没法

  • 方法: 特殊な糸をまぶたに通し、結び目を皮膚の下に埋没させます。
  • 効果: 二重の折り目がくっきりすることにより、まぶたのたるみ感が緩和されることがあります。
  • 適応: 軽度から中程度のたるみに適しており、切開に抵抗がある方におすすめです。
  • メリット: ダウンタイムが短く、施術後すぐに日常生活に戻れることが多いです。
  • デメリット: 糸の結び目が緩むことで、期間の経過とともに効果が減弱していく可能性があります。

額・こめかみのヒアルロン酸治療(上顔面ヒアルロン酸リフト)

  • 方法: 凹みのある額やこめかみにヒアルロン酸を充填することで、自然なリフトアップ効果を図ります。
  • 効果: 額やこめかみに適度なボリュームが足されることでたるみの改善効果があります。
  • 適応: 年齢と共に顔のこけ感が気になるようになってきた方、手術を避けたい方に適しています。
  • メリット: ダウンタイムが短く、施術時間も短い(20分程度)。
  • デメリット: およそ1年沖のメンテナンスが推奨されます。

ライフスタイルを考慮した手術の選択について

ダウンタイムの許容範囲

長期の休みが取れない場合は、非切開法を選ぶと良いでしょう。施術後すぐに日常生活に戻れるため、忙しい方に適しています。一方、切開法は術後1~2週間のダウンタイムが必要なため、スケジュールに余裕がある時期に計画することが重要です。

自然な仕上がりを重視

非切開法は、軽度のたるみを自然に改善するのに適しています。一方、切開法は、たるみが進行している場合でも十分な効果を期待できるため、目元の印象を大きく変えたい方に向いています。

メンテナンスの頻度

ヒアルロン酸治療は、およそ1年ごとに施術を繰り返す必要がありますが、埋没法は経過により効果が弱まった際は、再度施術を行う必要があります。またたるみの程度によっては、埋没法による効果は限定的であることもあります。

また切開法は一度の手術で長期間効果が持続するため、頻繁なメンテナンスが難しい方に適しています。

まとめ

切開法は、たるみを根本的に改善し、長期間の効果が期待できる一方で、ダウンタイムが必要です。

一方、非切開法は、ダウンタイムが短く、手軽に受けられる反面、効果の持続期間が短い傾向があります。

たるみの程度やライフスタイルに応じて、適切な方法を選ぶことが重要です。医師と十分に相談し、自分に合った治療法を選択することをおすすめします。

埋没法による二重手術は、事前の入念な診察や、デザインのマーキングなどが必要になります。

一方で、手術自体がいざ始まってしまえば、時間としては30分程度でおこなうことができます。

手術中はベッドに横になっていただき、基本的には目をつぶって過ごしていただくことになりますが、その間に何が行われているのか、ご興味(や不安)がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、埋没法による二重手術の実際の手順について概要をご紹介します。

デザイン・マーキング

シミュレーションに従ってデザインをしていきます。

新しく作りたい二重のライン、糸を固定するポイント、その他メルクマール(目印)となるような内眼角、外眼角などにラインをつけます。マーキングに際しては、超極細のマーカーを用います。

麻酔や小切開をおこなうと腫れが出始めますが、この事前のマーキングがあるおかげで、シミュレーションに沿った手術手順を進めることができます。

ちなみに「ミリ単位でデザインする名医」などといった表現を目にしたことがありますが、あたかも独自の緻密さをアピールするような表現に感じられます。
ただ、そもそも二重の幅はミリ単位で表現されるものなので、ただ当たり前のことになります。

局所麻酔

まず、目薬の麻酔(点眼麻酔)をおこないます。片方1,2滴ずつ点眼をします。

点眼してすぐは若干しみる感じがありますが、痛みはありません。10秒ほどして麻酔の効果が表れます。

もちろんあくまで目薬なので意識はありますし、問題なく会話もできます。

その後、まずはまぶたの皮膚側の麻酔をします。

極細の針を用いて、極微量(0.1ml~程度)の麻酔を皮膚におこないます。

なるべく最小限の痛み、腫れ、内出血にすることがポイントになります。

さらにその後、まぶたの裏側の粘膜側の麻酔をおこないます。

当たり前ですがまぶたの手術なので眼球に触れることはなく、上記についても左右あわせてすべて5分以内に完結します。

皮膚の小切開

埋没法二重は切開法とは違うものですが、厳密には皮膚を全く切開しないわけではありません。

糸を通したり、結び目を皮膚の下に埋没させるために、何点か(デザインによる)ごくわずかな小切開を加えます。

すでに麻酔は効いているため痛みはないです。

1回目の糸の通過

まぶたを裏返して、結膜側から表面側に糸を通します。

角膜を傷つけることなく、かつ後で作成する糸の結び目がしっかり埋没されるために真皮をすくわないようにすることが大切になります。

2回目の糸の通過

使用する糸は両端に針がついています。そのため、1回目の通糸で使わなかった方の針を用いて、同様に裏から表側に糸を通します。

糸が出てくる皮膚の表側の点は1回目からすこしずらした点になります。

1回目で使った方の糸を、1回目で皮膚側に出した点から、2回目で皮膚側に出した点まで、皮膚の下を通過するように移動させます。(言葉にするとわかりにくくて恐縮です)

すると小切開のうちひとつの箇所から2本の糸が出てきている状態になります。

糸結び(結紮)

この2本の糸を結び、余分な糸をカットしたうえで、結び目を皮膚の下に埋め込みます。

結び目を最小限することや、結ぶ強さを適切にすることが重要になります。

結ぶ強さが強すぎると医原性眼瞼下垂のリスクを高めたり、弱すぎると持続性が落ちたり糸のたわみの原因につながるリスクがあります。

他の点でも上記の手順をおこなう

上記の流れは、埋没法でつくる二重のラインの1点の流れになります。

そのためデザインに応じて、他の点や、もう一方のまぶたについても糸を通していく必要がありますが、手順の原理は上記と同様になります。

手術後当日の過ごし方の案内

手術後から24時間のあいだは、安静に過ごし、飲酒や長風呂は避け、軽くまぶたを冷やしておくと、のちのちの腫れ軽減につながります。

また手術後当日は、就寝時に少し頭を高くして寝ることも腫れを軽減するためにおすすめです。

埋没法は最も身体の負担が少ない二重手術

埋没法は原理自体はシンプルですが、小さなステップが数多くある手技であるといえます。

そのため、ひとつひとつのステップを丁寧に、適切な順序で進めていくことが大切になります。

手術をスムーズに進め、手術後のケアにも配慮することで、身体への負担やダウンタイムを最小限に二重手術を受けていただくことが可能になります。

埋没法による二重手術は、比較的簡便かつダウンタイムが少なく、まぶたの強いたるみや眼瞼下垂のない、主に20歳手前~40歳代頃までの方に広くおすすめできる方法になります。

しかし簡便といっても、外科的処置をともなう医療行為である以上、事前の入念な準備は必須といえます。実際は手術の前日に必要な物品は正しく準備され、当日スムーズに手順が進められるよう配慮されています。

手術を受ける方にとってはひとつひとつの具体は必要はないものの、いったいどのような物品が用いられるのかについて、ご興味(ご不安)がある方も多いかと思います。

そこで今回は、二重埋没法で用いる物品を、一例として紹介させていただきます。

物品の事前準備

手術の前日には、あらかじめ当日に必要な物品が準備されています。例として以下のようなものは必要になります。

  • デザイン用のペン(黒、赤、青でそれぞれ超極細)
    :デザインには超極細のペンを用います
  • 1mm単位のメジャー
    :デザインやその確認に用います
  • 消毒液
    :まぶたやその周囲の皮膚を清潔にします
  • 覆布(清潔なカバー)
    :消毒後、上から清潔なカバーをかけ、目元のみが出るようにします
  • 点眼用麻酔
    :眼球にモノが当たることはないですが、手術中の不快感や痛みを緩和します
  • 注射用麻酔(※冷蔵庫に保管しており、当日手術前に取り出す)
    :まぶたの皮膚面および結膜面に麻酔をして、手術時の痛みを緩和します
  • 超極細針(30G~)
    :麻酔時の痛みと内出血を最小限にするために、超極細の針を用います。場合により鈍針を併用することもあります。
  • 7-0ポリプロピレン両端針
    :実際に用いる糸です。糸の両側に針がついています。
  • 18G針
    :糸の結び目を皮膚の下に埋没させるために使います
  • 持針器
    :針と糸を操作するために使います
  • 眼科用剪刀
    :糸を結んだあと、余分な糸を切り離すために使います
  • 微小セッシ
    :針や糸を操作する際に用います
  • ガーゼ
    :ふき取りをおこなうために滅菌された清潔なガーゼです

消毒をおこなってからの手術操作に用いる器具は、すべて事前に滅菌処理がおこなわれています。

「7-0ポリプロピレン」とは

医療用の糸には材質、性状、太さなど多岐にわたって存在しており、その目的に応じて適切な糸が選択されます。

埋没法の二重手術にあたっては、「7-0ポリプロピレン(7-0プロリン)」という糸を使用します。

その理由は以下になります。

  • 柔らかく扱いやすい
    • まぶたの皮膚は薄く繊細です。柔軟性のある糸の方が自然な二重を形成しやすかったり、適度な力をまぶたに加えられるといったメリットがあります。
  • 組織反応性は低い(異物反応が起きにくい)
    • 非吸収性、かつモノフィラメント(編み込みがされていない)のため、皮膚の下に長期間埋没されていても、異物反応が出にくく安定してとどまることができます。
  • 極細であっても必要な強度が保たれる
    • 「7-0」というのは細さを表しています。数字が大きいほど細くなります。細い方が糸の結び目も小さくなり、より自然な二重が期待できます。
    • 一方で、二重のラインをとどめるためには一定の強度も必要です。細く柔らかい糸でありながらも、必要な強度も持ち合わせていることも大切なポイントです。

このように、各物品のひとつひとつに意味があり、なぜその物品が選ばれているのかの理由も存在しています。

手術を受けられる方が直接目にするものではないですが、だからこそ、医療者として適切な選択と管理をおこなっていることが不可欠になります。

ややマニアックな内容ではありますが、ひとつの参考情報になりましたら幸いです。

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ハイフとの違いは? どっちを選ぶべき?

ボルニューマとハイフは、熱のアプローチ方法と得意な効果が異なります。当院ではこの違いを利用して、最適な治療を組み立てます。

ボルニューマ
(高周波RF)
ハイフ(HIFU)
作用する層皮膚の浅い層
(真皮~脂肪浅層)
皮膚の深い層
(SMAS筋膜)
熱の加え方面で広範囲に、じっくり均一に点でピンポイントに、強く集中
主な効果表層の引き締め
とハリ向上
深層の土台からの
引き締めとリフトアップ
痛みほんのり温かい程度部位により響くような感覚あり

▼こんな組み合わせも可能です
「フェイスラインは下顔面リニアハイフでもたつき改善、頬はボルニューマでハリと引き締め効果を出す」といった、お顔の部分ごとの使い分けも、当院の人気メニューです。

施術メニュー・料金

ボルニューマ施術

ライト 1回
(200shot 頬・こめかみ)
66,000円 / (初回)63,000円
スタンダード 1回
(300shot 頬・こめかみ・あご下)
88,000円 / (初回)83,000円
プレミアム 1回
(400shot  頬・こめかみ・あご下)
110,000円 / (初回)99,000円

リピート割 前回施術から6か月以内の場合は5%OFF!

ハイフと同日併用セット(ボルニューマに以下メニューの追加が可能です)

通常ハイフA 1回
(顔全体 430shot)
+39,000円
通常ハイフB 1回
(顔全体+あご下 480shot)
+49,000円
下顔面ハイフ 1回
(フェイスラインとあご下の脂肪減少+引き締め 400shot)
+33,000円

リピート割 前回施術から6か月以内の場合は5%OFF!

効果を最大限に引き出す、推奨ペース(周期と回数)

ボルニューマの効果は、施術直後の引き締まり感に加え、約1ヶ月かけてコラーゲンが再構築されることでピークに達し、その後も持続します。この効果を維持し、常に肌を良い状態に保つために、定期的な治療がおすすめです。

  • ライト ⇒3か月ごと(年に4回
  • スタンダード ⇒4か月ごと(年に3回
  • プレミアム ⇒6か月ごと(年に2回

ご来院から施術後までの流れ

カウンセリング・診察
まずはお悩みやご希望を詳しくお聞かせください。その後、医師が肌の状態を診察し、ボルニューマが最適な治療法か、どのプランが適しているかを判断します。

準備
お化粧を落としていただき、施術の準備に入ります。

照射(約20分~30分)
施術部位に専用のジェルを塗り、丁寧に照射していきます。ボルニューマは強力な冷却・振動機能があるため、ほんのり温かい感覚で、リラックスして受けていただけます。

終了・お仕上げ
ジェルを優しく拭き取って終了です。施術後すぐにパウダールームでお化粧直しをして、お帰りいただけます。

よくあるご質問・注意点

痛みやダウンタイムはありますか?
  • 痛みについて
    ボルニューマは、痛みを軽減するための冷却機能と振動機能が搭載されており、麻酔なしで受けられる治療です。部位によっては皮膚の奥に徐々に熱がこもるような感覚が出ることがあります。
    当院では、出力を細かく調整して、安全に施術を進めることを最優先にしています。熱さや痛みが気になる場合は、いつでも遠慮なく施術者にお伝えください。
  • ダウンタイムについて
    ほとんどありません。施術直後にほんのり赤みが出ることがありますが、数時間で治まります。当日からお化粧も可能ですので、お気軽にお受けいただけます。
効果はいつから実感できますか?

施術直後から、コラーゲンが収縮することによる引き締まり感やハリを実感される方が多いです。
その後、肌内部で約1ヶ月かけて新しいコラーゲンがゆっくりと生成(再構築)されていきますので、1ヶ月後あたりに効果のピークを感じていただけます。

副作用やリスクについて教えてください。

安全性の高い治療ですが、以下の様な反応が起こる可能性があります。

  • 起こりうる一時的な反応
    • 赤み、ほてり感(数時間~1日)
    • 腫れ、むくみ(1日~1週間程度)
    • 膨疹(蚊に刺されたような膨らみ)(数時間~1日)
    • 押した時の軽い痛み(筋肉痛のような感覚)(数日~1週間)
  • 稀な合併症(ごく稀に起こる可能性のあるもの)
    • やけど(水ぶくれなど)
    • 一時的なしびれ感(一過性の神経障害)
この施術を受けられないのは、どのような場合ですか?

以下に該当する方は施術をお受けいただけません。カウンセリング時に必ずお申し出ください。

  • 1週間以内にボトックスやヒアルロン酸を注入した
  • 2週間以内に過度な日焼けをした
  • 治療部位が他の施術のダウンタイム中である
  • 施術部位に金の糸やプレート、シリコンなどが入っている
  • 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある
  • 心臓疾患、自己免疫疾患、てんかん等の発作性疾患がある
  • ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使用している
  • ケロイド体質である
  • その他、医師が不適当と判断した場合

たるみ、ハリ不足、小じわ…年齢のせいだと諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
あなたに最適な「切らないたるみ治療」を、一緒に見つけましょう。