まぶたのたるみの主な原因

まぶたのたるみは、加齢や生活習慣、紫外線などの影響によって引き起こされる現象です。以下に、主な原因を小見出しごとに詳しく解説します。
加齢による皮膚の弾力低下
加齢に伴い、皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンの生成が減少します。この結果、皮膚のハリが失われ、たるみが生じます。
特にまぶたの皮膚は非常に薄いため、他の部位よりも早く影響を受けやすいです。
また、加齢による眼窩脂肪(目の周囲の脂肪)の突出も、まぶたのたるみを助長する要因となります。これにより、目元全体が重たく見えることがあります。
眼輪筋の衰え
眼輪筋は目の周囲を取り囲む筋肉で、目を開閉する役割を担っています。
しかし、加齢や長時間のパソコン・スマートフォンの使用により、この筋肉が衰えると、まぶたを支える力が弱まり、たるみが発生します。
さらに、まばたきの回数が減少することも筋肉の衰えを加速させる要因です。これにより、まぶたや目元の脂肪を支えきれなくなり、たるみが目立つようになります。
紫外線ダメージによる影響
紫外線は肌の老化を促進する「光老化」の主な原因です。
特に波長の長いUV-Aは肌の奥深くにまで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊します。このダメージが蓄積すると、皮膚の弾力が失われ、たるみが生じます。
紫外線は季節を問わず降り注いでいるため、日常的な紫外線対策が重要です。日焼け止めの使用や帽子・日傘の活用が推奨されます。
生活習慣と姿勢の悪化
生活習慣の乱れや姿勢の悪化も、まぶたのたるみを引き起こす要因です。
- 不規則な生活習慣: 睡眠不足や栄養バランスの乱れ、喫煙などは、肌の代謝を低下させ、たるみを悪化させます。
- 姿勢の悪化: 猫背や前かがみの姿勢は、顔全体が下向きになりやすく、血流が悪化します。これにより、老廃物が溜まり、顔やまぶたのたるみを引き起こします。
50代のまぶたのたるみ改善方法

50代になると、加齢による皮膚の弾力低下や筋肉の衰えが進み、まぶたのたるみが目立ちやすくなります。
このたるみは、見た目の印象を老けさせるだけでなく、視界を狭めるなどの機能的な問題を引き起こすこともあります。以下では、自宅でできるセルフケアから美容医療まで、まぶたのたるみ改善方法を詳しく解説します。
自宅でできるセルフケア
乾燥はたるみを悪化させるため、保湿ケアが重要です。アイクリームを選ぶ際は以下のポイントを参考にしてください。
- 成分
- コラーゲンやヒアルロン酸:肌の弾力をサポート。
- レチノール:肌のターンオーバーを促進。
- ペプチド:筋肉の衰えを防ぐ効果が期待される。
- 使用方法
- 朝晩のスキンケア時に、米粒大の量を目元に優しくなじませます。
- 強くこすらず、優しく触れることが大切です。
ただしまぶたのたるみは年齢を経るごとに徐々に進行するため、セルフケアでも効果には限界があります。
美容医療での改善法
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、額やこめかみの凹んだ部分に適度なボリュームを補う治療法です。結果として引き上げ効果がうまれ、まぶたのたるみによる症状を緩和させる効果があります。
- メリット
- ダウンタイムが短く、施術後すぐに効果を実感できる。
- 自然な仕上がりで、目元が若々しく見える。
- 注意点
- およそ12か月おきの定期的なメンテナンスが必要。
- 過剰な注入は不自然な仕上がりになる可能性がある。
レーザー治療とリフトアップ
レーザー治療や高周波(RF)を用いたリフトアップは、皮膚のコラーゲン生成を促進し、たるみを改善します。
- 代表的な施術
- サーマクールアイ:目元専用の高周波治療で、皮膚を引き締める。
- 医療ハイフ(HIFU):超音波で深部の筋膜を刺激し、リフトアップ効果を得る。
- メリット
- 切らない治療のため、ダウンタイムがほとんどない。
- 注意点
- 効果があまり感じられない可能性がある。
外科手術(眉下切開や眼瞼下垂手術)
まぶたのたるみに対しては、外科手術が最も効果的です。
- 眉下切開
- 眉毛の下を切開して余分な皮膚を取り除き、まぶたのたるみを改善し、目を開けやすくする手術。
- 傷跡が目立ちにくく、自然な仕上がりが特徴。
- 眼瞼下垂手術
- まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)を修復する手術。
- 見た目の改善だけでなく、視界の確保にも効果的。
- 注意点
- ダウンタイムが長くなる場合がある(2週間程度)。
- 医師の技術によって仕上がりが左右されるため、信頼できるクリニックを選ぶことが重要。
日常生活でできる予防対策

日常生活の中で健康を維持し、肌や体へのダメージを防ぐためには、紫外線対策、食生活の改善、そして睡眠とストレス管理が重要です。
日常生活で健康を維持し、肌や体へのダメージを防ぐためには、紫外線対策、食生活の改善、睡眠とストレス管理が重要です。
紫外線対策とUVケアの徹底
紫外線は肌老化の主な原因であり、日常的な対策が必要です。
日焼け止めはSPFやPA値を用途に応じて選び、2~3時間ごとに塗り直すことが推奨されます。また、日傘や帽子、サングラスを活用し、紫外線が強い時間帯(午前10時~午後2時)の外出を控えることも効果的です。
さらに、紫外線を浴びた後は肌を冷やし、保湿ケアを徹底することでダメージを軽減できます。
食生活の改善と栄養補給
バランスの取れた食事は、体内から健康を支える重要な要素です。ビタミンC(柑橘類、ブロッコリー)はコラーゲン生成を促進し、肌の弾力を保ちます。
ビタミンE(アーモンド、アボカド)は血行を促進し、肌のターンオーバーを整えます。また、リコピン(トマト)やポリフェノール(ブルーベリー)は抗酸化作用があり、紫外線ダメージを軽減します。
十分な水分補給も忘れず、1日2リットルを目安に摂取しましょう。
睡眠とストレス管理
質の良い睡眠は、体の修復と心身の健康維持に不可欠です。毎日同じ時間に寝起きすることで体内時計を整え、7~8時間の睡眠を確保しましょう。寝る前のスマートフォン使用を控え、リラックスできる環境を整えることも重要です。
また、ストレス管理には運動や瞑想、趣味を取り入れることが効果的です。ストレスを軽減することで、睡眠の質も向上します。
これらの習慣を日常生活に取り入れることで、健康的な体と肌を維持し、老化やダメージを予防することが可能です。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ながら、当院では下記の期間を年末年始休業とさせていただきます。
2024年12月31日(火)~2025年1月3日(金)まで休業いたします。
※12月29・30日については休診予定でしたが、年末での施術に関するご要望を受け、臨時営業日といたしました。
休業期間中に本サイト、メール等にてお問い合わせいただいた内容につきましては、新年1月4日(木)以降に順次対応させていただきます。
尚、お電話によるお問合せは12月30日(土)12:00迄までご対応させていただきます。
休業期間中、大変ご不便をお掛け致しますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
JSKINクリニック
全国で多店舗展開していた医療脱毛クリニックチェーンの、アリシアクリニック。
電車広告や看板、web広告を積極的に出されていたため、知名度があったと思います。
このアリシアクリニックの経営母体(医療法人と一般社団法人)が先日倒産したことがニュースとなり、SNSでも多く話題になっているようです。
率直な第一の感想
その報道自体に特に驚きはなく、そして業界内で衝撃が走っている、ということもないと思います。
美容医療の業界は実は狭く、その世界に身を置く医師であり、かつ医院経営者であることもあり、様々なクリニックの内情などは自然と耳に入ってきます。
とはいえ内部の人間ではない部外者が、無責任に他クリニックのことを対外的に発言することなどできません。
できることとしては、見習うべきところは取り入れ、逆のことは反面教師にして、自院が提供できる美容医療の価値を地道に高めていく、ということに尽きます。
本件に限らず、対外的なイメージと、その実態が異なるクリニックは多くあります。
美容医療業界の直近の現状
今回の報道では、マス広告をよく出していた知名度のあるクリニックであり、規模も大きかったため広く報道されています。
でも一方で、(特に都内で)美容クリニックの数がとても増えていることに気づくと思います。
では美容クリニックの総数が格段に増えているかといえば、そこまでではありません。
何が起こっているかといえば、それなりの数の美容クリニックが、しれっと姿を消しているからです。
美容クリニックが閉院する理由
理由は様々ですが、例として以下の3つがあります。
- 経営難で倒産したため
- 何かしらの理由で母体・名称を変えるために既存の閉院し、新規に開院するため
- 別事業での利益を使って美容クリニックを始めたが、ほとんど利益があがらないため
①
アリシアクリニックについては①かと思いますが、特に売り上げに対する広告宣伝費の比率があまりに高かったのではないか、という指摘があります。
各広告の単価は私自身も知っていますので、確かにあれだけの広告を出すというのは大変な額になることはわかりますし、かつそれを顧客からの売上で回収することがどれほど難しいことかもわかります。
回数コースの先払いが~、といった指摘もあるようですが、これはクリニックにとっての入金タイミングが変わっているだけの話で、本質的な問題ではないかと思います。
②
これは一般にはかなり気づきにくいと思います。何かしらの理由、というのを一般化しにくいですが、外観、診療内容、スタッフがあまり変わっていないのに、クリニック名が突如変わることがあります。
旧オーナーが医院ごと、ほかの方に売却したりすることもあります。
③
現在、新設されている美容クリニックの多くは、別業種の企業が裏で運営しているケースが多くあります。
近年需要が伸びている美容医療に着目し、既存事業の利益を投資して美容クリニックを企画し、医師を雇用しています。
対外的には医院の顔はその院長となる医師ですが、実際は雇用されている身で、経営方針などはそのオーナーや企業が定めます。
一般化はできないですが、非医療者の経営陣と、医療現場のスタッフとの連携がぎくしゃくすることもあり、売上も思ったように伸びず、見切りをつけて閉院されることもあるようです。
チェーンクリニック倒産による社会的な被害者とは
本件の報道では、一括払いをしてまだ施術の残り回数があるのに、もう施術を受けられない、かつ支払ったお金も返ってこない、という方々が多くいらっしゃることも触れられています。
これは重大なことであり、今後何らかな法的手段がなされるのかもしれません。
また、そこで働いていたスタッフにとっても突然のことであり、大変な状況かと思います。
いまや美容クリニックの求人は非常に多く、もしかしたら同じ業界での募集は多いかもしれません。ただし、もともと自らが選んだ職場で、長く充実して働けることの方が、より理想的ではあると思います。
上記のように利用者、勤務スタッフにとって多大な損失が出ているというのはもちろんですが、個人的にはさらに広い範囲での影響があったと考えます。
まっとうな診療をする美容クリニックに対する、好ましくない影響
倒産したとはいえ、これまで多くの利用者がいたわけです。その利用者の方は、宣伝広告をみたり、大手である安心感でそのクリニックを選んだのだと思います。
大きな宣伝広告はよほどの潤沢なキャッシュがあるか、または多少の無理をしないとできません。そのため、多くのクリニックはそのようなことをおこないません。
すると、本来自院にきてもらえたかもしれない顧客が、宣伝広告により他に移ってしまったわけです。移った先のクリニックで良い医療サービスを受けていればよいのですが、結局本件のように倒産してしまうようでは、誰も得をしないことになってしまいます。
長く価値を出し続けるマラソン(経営)をするためには、適切なペースでの水分補給(収益)が不可欠です。それをあたかも短距離走のような猛ペース(過剰な宣伝広告や営業など)で先頭を走り、給水所(顧客)を荒らしてしまったあげく、勝手に途中でリタイアしているような状態です。
残されたクリニックは、社会からの負のイメージダウンを背負いながらも、引き続き経営をし続けていく必要があります。
当院の現状について
一連の報道を受けて、お問い合わせをいただいたり、ご質問を受けることもあるため、情報共有として現時点での状態を記載いたします。(2024/12時点)
- 現状、倒産の予定はありません。
- 当院は2021年の開院以来から、広告宣伝費は0です。(今後は検討するかもしれません)
ご紹介や、インターネット検索から多くご来院いただいています。 - 医療脱毛に用いる機器として、キャンデラ社のジェントルマックスプロ(厚生労働省承認機器)を使用しています。
レーザー脱毛をはじめ、美容施術は医療行為になります。医療行為には必ずリスクとベネフィットがあり、期待すべき効果を出しながら、リスクを最小限にする努力と、万が一の際のフォロー体制も大切になります。
適切な美容医療をご提供する医院のひとつとして、当院も引き続き診療体制の向上に努めてまいります。
眼瞼下垂手術のダウンタイムによる仕事への影響について医師が解説します。
瞼下垂手術後のダウンタイムは?

瞼下垂手術後のダウンタイムは個人差がありますが、多くの場合1週間程度で抜糸が行われ、2週間から1ヶ月程度で腫れや内出血が落ち着きます。
仕事復帰のタイミングは職種によって異なり、デスクワークなら早期復帰も可能ですが、重労働の場合は医師と相談の上で決定することが推奨されています。
眼瞼下垂手術について

眼瞼下垂手術は、まぶたを挙上する機能を改善し、眼瞼下垂にともなう様々な症状を改善させるための治療です。
主な手術方法には以下があります。
- 挙筋腱膜前転術:
二重のラインから皮膚を切開し、まぶたを上げる腱膜を再固定するまぶたの動きを自然に保つ - 眉下余剰皮膚切除ミュラータッキング:
まぶたのたるみが強い場合に、眉毛の下にきずあとが隠れるように余分なたるみを切除する - 前頭筋吊り上げ術:
眼瞼挙筋がほとんど機能しない場合に使用
手術は通常1時間程度で完了し、多くの場合日帰りで行われます。
術後は1週間程度で抜糸が行われ、完全な回復には個人差がありますが、2週間から1ヶ月程度かかることが一般的です。
ダウンタイムの期間と症状

眼瞼下垂手術後のダウンタイムの期間と症状は、手術方法や個人差により異なりますが、一般的な経過は以下の通りです。
- 痛み:
手術当日から2-3日程度 - 腫れ:
1-2週間程度で8割程度改善、完全消退まで約1-3ヶ月 - 内出血:
1-2週間程度で目立たなくなる
ダウンタイムが仕事に与える影響

眼瞼下垂手術後のダウンタイムは、仕事の種類によって影響が異なります。
デスクワークの場合、多くの患者は術後3〜4日で復帰可能ですが、体を使う仕事では業務内容に応じて調整が必要です。
接客業や営業職など、外見が重要な職種では、腫れや内出血が落ち着くまで1〜2週間程度の休暇を取ることが推奨されます。
仕事への影響を最小限に抑えるためのポイント
- 手術日程を休暇に合わせて調整する
- 医師と相談し、仕事内容に応じた復帰計画を立てる
- 必要に応じて、一時的に業務内容の変更を上司と相談する
- マスクや眼鏡の着用で腫れをカバーする方法を検討する
ダウンタイムを軽減するための対策

眼瞼下垂手術後のダウンタイムを軽減するためには、以下の対策が効果的です。
- 術後24時間以内はクーリングをおこない、腫れを軽減する
- 就寝時は頭を少し高い位置に保ち、むくみを軽減する
- 飲酒や喫煙、激しい運動を控え、血流の急激な変化を避ける
- 処方された薬を適切に使用し、炎症を抑える
これらの対策を実践することで、腫れや内出血の回復を早め、ダウンタイム期間を短縮できる可能性があります。
ただし、個人差があるため、医師の指示に従い、無理のない範囲でケアを行うことが重要です。
よくある質問

コンタクトレンズをつけても大丈夫?
出来ればコンタクトレンズは術後3日~1週間程度は避け、その後は医師の指示に従って装着可能です。その間はメガネを使用することがおすすめです。
テレワークならいつから可能?
テレワークの場合、デスクワークなら術後2日目から復帰可能ですが、1週間程度の休暇を取ることが推奨されます。
痛みや腫れはどのくらい続く?
痛みや腫れは個人差がありますが、多くの場合1〜2日で軽減し、1〜2週間程度で落ち着きます。
メイクで隠せるのはいつから?
メイクは手術部位以外であれば翌日から可能です。手術部位は、およそ1週間程度は避けることがおすすめです。まぶたを優しく扱い、医師の指示に従うことが重要です。
これらの回復期間は個人差があるため、必ず担当医の指示に従い、無理のない範囲で日常生活に戻ることが大切です。
眼瞼下垂の原因および症状、治療法について医師が解説します。
眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂は、上まぶたが垂れ下がって十分に開かない状態を指し、主に加齢や長期のコンタクトレンズ使用が原因となります。
この症状は視野の狭窄や日常生活への支障を引き起こす可能性があり、適切な診断と治療が重要です。
眼瞼下垂の原因

1. 先天性の原因
先天性眼瞼下垂は、生まれつき上まぶたが開きにくい状態で、主に眼瞼挙筋の発育不全や動眼神経の機能障害が原因です。
特徴として、片側性が約80%を占め、まぶたが正常位置より下がり、視野が狭くなる傾向があります。
遺伝的要因については、一部の先天性眼瞼下垂は常染色体優性遺伝によって起こる可能性がありますが、多くは偶発的に発症し、家族歴や妊娠中のトラブルとの関連性は低いとされています。
主な症状
- まぶたが十分に開かない
- ものを見る時に顎を上げる
- 眉を上げる癖がある
- 左右で目の大きさに差がある(片側性の場合)
2.加齢による原因
加齢性眼瞼下垂は、主に上眼瞼挙筋の腱膜が伸びたり緩んだりすることで発生します。
年齢を重ねるにつれ、まぶたの皮膚がたるみ、眼瞼挙筋やミュラー筋といった目を開閉する筋肉の機能が低下します。
また、まぶたの脂肪組織の減少により、肌のハリが失われ、皮膚のたるみがさらに顕著になります。
加齢性眼瞼下垂の主な要因
- 眼瞼挙筋の腱膜の伸びや緩み
- まぶたの皮膚のたるみ
- 目を開閉する筋肉の機能低下
- まぶたの脂肪組織の減少
これらの変化は自然な加齢プロセスの一部であり、完全に防ぐことは困難です。そのため、加齢が進むにつれ眼瞼下垂の症状が多く見られるようになります。
3. 外傷や疾患による原因
外傷性眼瞼下垂は、顔面や側頭部への強い衝撃により発症することがあります。
主な原因として、眼瞼挙筋や挙筋腱膜の損傷、動眼神経麻痺が挙げられます。
また、糖尿病患者では動眼神経を栄養する血管の微小循環障害により、動眼神経麻痺が起こりやすくなります。
外傷や疾患による眼瞼下垂の主な原因
- 交通事故などによる顔面外傷
- 眼科手術後の合併症
- 糖尿病性神経障害
- 重症筋無力症
- 脳腫瘍や脳動脈瘤による神経圧迫
これらの原因による眼瞼下垂は、原疾患の治療や血糖コントロールの改善により、多くの場合数ヶ月以内に回復する可能性があります。
4. その他の要因
ハードコンタクトレンズの長期使用は眼瞼下垂のリスクを約20倍高めるとされています。
これは、まばたきの際にコンタクトレンズが眼瞼挙筋腱膜を摩擦し、腱膜を伸ばしてしまうためです。
また、長時間のデスクワークやパソコン作業による眼精疲労も眼瞼下垂のリスクを増加させる可能性があります。
眼瞼下垂のリスク軽減策
- コンタクトレンズの使用時間を短縮する
- 30分おきに3~5分程度目を休ませる
- 適切な作業姿勢を保つ(目線が少し低めになるよう画面位置を調整)
- ブルーライトカットメガネやフィルムの使用
眼瞼下垂の治療法

眼瞼下垂の主な治療法は手術です。一般的な手術方法には、挙筋腱膜前転術、眉下余剰皮膚切除、前頭筋吊り上げ術などがあります。
これらの手術は通常、局所麻酔で行われ、日帰りや短期入院で可能です。
手術の種類と特徴
- 挙筋腱膜前転術:
二重のラインから皮膚を切開し、まぶたを上げる腱膜を再固定する - 眉下余剰皮膚切除:
まぶたのたるみが強い場合に、眉毛の下にきずあとが隠れるように余分なたるみを切除する - 前頭筋吊り上げ術:
眼瞼挙筋がほとんど機能しない場合に使用
非手術療法(目薬、貼り薬、マッサージなど)もありますが、効果は一時的で、眼瞼下垂の根本的な改善には至りません。
手術は保険適用の場合もあり、費用は術式や保険の適用状況により異なります。
眼瞼下垂だと思ったら

当院では、保険・自費ともにまぶたに関する手術治療をおこなっております。
慶應義塾大学所属の形成外科専門医が手術を担当します
まぶた(眼瞼)に関連する手術は、「形成外科」という診療科の専門領域になります。
眼瞼下垂の診断となる方については保険適応となり、美容目的の場合は自費治療の対象となります。
自費治療の場合は「美容外科」的な治療となりますが、この美容外科というのも、本来は形成外科として研鑽を積んだ医師のさらなる専門分野のひとつとして位置づけられています。
つまり保険適応の有無にかかわらず、まぶた(眼瞼)を扱う手術は形成外科的な技術やコンセプトが基礎となっているため、当院では形成外科専門医が手術を担当する方針としております。
また当院は慶應義塾大学病院・慶應義塾大学医学部形成外科に公認されている連携機関であり、同医局に現役で所属している医師で手術チーム体制をとっております。
手術前後のフォロー体制も大切にしています
先述の通り、それぞれの方のまぶたの状態を診察したうえで、適切な治療方針を立てることがまず重要になります。
特定の手術方法のみを費用をかけて宣伝広告したりモニター募集をしている場合、どうしても不必要にオーバーな手術を強いられたり、適応とは少しずれた治療を受けなければならない可能性もあり、注意が必要です。
当院では医師診察・カウンセリングの上で治療を受けられるかをよく検討いただき、治療適応がありかつ治療をご希望される場合は、別途手術日程の設定に進んでいただいております。(原則、カウンセリング当日の手術をおすすめすることはありません。)
また、術後は抜糸の処置が必要になります。(手術後およそ1週間後頃)改めてアフターケアの方法や、普段の生活でのお過ごし方についてご説明し、ご質問などあれば医師がおこたえします。
抜糸のタイミングではまた若干の腫れや内出血が落ち着ききっていないこともあり、その後1~2回程度定期健診におこしいただくことをおすすめしています。(ご都合に合わせて1、3、6か月後頃など)
万が一のトラブルの際にも、適切にフォローさせていただきます。
手術治療の適応判断を含め、総合的なご提案が可能です
当院では手術以外のさまその治療適応の判断や、それ以外の方法はないか、といった視点でご提案できる体制も重要であると考えています。
おでこのシワが気になる方にはボトックスによるシワ治療であったり、おでこやこめかみのこけ感をヒアルロン酸で補充してあげることで、まぶたが開けやすくなる効果もあります。
診察での総合的な観点で、ご自身にあった治療をご提案することが可能です。

